第1章:イーサリアムとは何か──「インターネットのようなブロックチェーン」の誕生

1-1. イーサリアムの誕生背景

  • ビットコインの登場で実現した「価値の送受信」に続き、Vitalik Buterinが提唱した「プログラム可能なお金」「分散型アプリのプラットフォーム」としてのブロックチェーン構想

  • 初期の開発経緯、クラウドセール、2015年のGenesisブロック誕生

1-2. イーサリアムがもたらしたイノベーション

  • 単なる暗号資産(ETH)の送受信にとどまらず、スマートコントラクトによる汎用的なプログラム実行環境を実現

  • 世界中の誰もが分散型アプリケーション(DApps)を公開できる「オープンソース経済圏」の創出


第2章:イーサリアムの中核技術──EVMとスマートコントラクトの仕組み

2-1. スマートコントラクト:コードによる信頼の自動実行

  • もし~なら~する、という条件付き処理をブロックチェーンで自動実行

  • 仲介者不要、透明性、耐改ざん性を備えた新しい契約形態

  • 主要開発言語:Solidity、Vyperなど

2-2. Ethereum Virtual Machine (EVM)

  • イーサリアム全ノードで同一コードを実行する「仮想マシン」

  • 決定論的な実行環境:すべてのノードが同じ計算結果を保証

  • EVMによるトランザクション処理、ガスコスト計算の仕組み


第3章:イーサリアムが支えるアプリケーション革命

3-1. DeFi:中央管理者なき金融

  • 分散型取引所(DEX)、レンディング、ステーブルコイン、イールドファーミング

  • MakerDAO、Uniswap、Aaveなどの代表例

3-2. NFT:デジタル資産の唯一性

  • アート、音楽、ゲームアイテム、メタバース資産など

  • ERC-721、ERC-1155といったNFT標準規格

3-3. その他のDApps

  • 分散型SNS、ブロックチェーンゲーム、DAO(分散型自律組織)


第4章:ERC規格とトークンエコノミーの標準化

4-1. ERC-20:代替可能トークン標準

  • トークン移転、残高確認、承認処理などの標準API

  • 互換性をもたらし、ICOブームやDeFiトークンの基盤に

4-2. ERC-721/1155など多様な規格

  • NFT標準、ゲームトークン、ガバナンストークンなど用途別に進化


第5章:イーサリアムの進化の軌跡──歴史とハードフォーク一覧

  • DAO事件とEthereum Classic分裂

  • Constantinople、Istanbul、London、The Mergeなど重要アップグレード

  • 2024年Dencun、2025年以降予定のVerge、Purge、Splurge


第6章:イーサリアムの課題とその解決策

6-1. スケーラビリティ問題

  • 旧PoW時代の処理速度限界

  • PoS移行による電力効率改善

6-2. ガス代高騰

  • ネットワーク混雑時の高コスト

  • EIP-1559によるバーンメカニズム、Rollupによる手数料削減

6-3. ユーザビリティ課題

  • ウォレット管理、秘密鍵紛失リスク

  • セキュリティ監査やUI改善の重要性


第7章:EVM互換チェーンの拡大と多様化

7-1. EVM互換チェーンとは

  • イーサリアム用アプリやスマートコントラクトが他チェーンでも動作

  • 開発者・ユーザー双方にとって利便性向上

7-2. 代表的なEVM互換チェーン

  • BNB Chain:高速・安価なDeFiプラットフォーム

  • Core Chain:BTCセキュリティ×EVM互換のハイブリッド型

  • Avalanche、Fantom、Polygonなども同様


第8章:イーサリアムとビットコインの違い──通貨vsプラットフォーム

項目 Ethereum Bitcoin
目的 分散型アプリ実行プラットフォーム デジタルゴールド・決済
通貨 ETH BTC
プログラム性 高(スマートコントラクト) 低(シンプルな送金スクリプト)
コンセンサス PoS PoW
エコシステム DeFi/NFT/DAOなど多様 価値保存主体
処理速度 数百~数千TPSを目指す 約7TPS
発行上限 なし(バーンで供給抑制) 2100万枚

第9章:Ethereum Orbit Chains (Layer2 / Rollups) の現在地

9-1. Layer2の必要性

  • スケーラビリティ問題の緩和

  • メインネットのセキュリティ維持

9-2. Optimistic RollupとZK Rollup

  • Optimistic:簡便で普及、引き出し遅延あり

  • ZK:高速・セキュアだが高度な暗号技術が必要

9-3. 主要プロジェクト

  • Polygon zkEVM:ZK RollupでEVM完全互換

  • Optimism:開発者コミュニティ充実

  • zkSync:ZK Rollup先駆者


第10章:イーサリアムの未来予想図

10-1. 今後の開発ロードマップ

  • シャーディングによる並列処理

  • Verkle Treesでのステート圧縮

  • セキュリティ強化とユーザー体験向上

10-2. ブロックチェーン業界全体への影響

  • 標準技術としてのEVM普及

  • エコシステム間の相互運用拡大


まとめ:イーサリアムは「分散型インターネット」の中核へ

イーサリアムは、単なる仮想通貨を超えた「分散型プラットフォーム」として進化し続けています。その技術と思想は、他の多くのブロックチェーンにも受け継がれ、Web3時代の基盤として今後も拡張し続けるでしょう。