みんな飲食店でコロナウイルスにかからないようにするには、手を消毒して、飛沫を避けるためについたてがあって、お客さん同士が離れていて、できるだけおしゃべりをしないで飲食するということが大切なことは知っていますよね。でも、感染者数は特に大都市圏では高止まりをしています。
私は、これは新型コロナが、飛沫、接触だけではなく、空気感染をするということが忘れられているか、広く知られていないことが一つの大きな要因になっていると思っています。
これは2021年5月5日の全国の新型コロナ感染者数(NHK)です。
首都圏では感染者数は相変わらず多いが、山梨県では少ないですよね。(私は山梨県在住ではありません)本日4人です。
コロナウイルスの感染経路については飛沫感染と接触感染があると言われています。https://twmu-mce.jp/info/img/covid19_06.pdf より
これが正しかったとすれば、手を消毒して、十分な高さのついたてがあれば飲食店でコロナに感染する恐れはないことになります。実際はついたてのある飲食店で、無言で食事をしても感染する例が複数知られています。飛沫感染、接触感染以外の感染経路があるからです。
つまり空気による感染です。これは推測ではなくて実際の感染例があります。香
港大学Yuguo Li教授グループによる広州レストランの感染に関する気流解析によると「換気の悪い広州のレストランで感染クラスターが確認され公表されている。この状況の気流解析を行っている。中央部の赤い咳をしているのが、感染者その人から赤い人たちがレストランで感染した。1~2m以上離れていたことから、その咳が空調気流により室内に飛沫、飛沫核が拡散して感染したと推測されている。」
つまり2m以上離れていても飛沫核/空気感染があれば、対面にいない人でも同じ空間にいれば感染してしまうということです。
マスクを外して食事する場面では飛沫核/空気感染があれば換気の悪い環境であれば、マスク会食をしようが、おしゃべりなしで食事しようが、プラスチックのついたてがあろうが感染する可能性があるということです。
やまなし・グリーンゾーン構想
ではコロナ感染に対する具体的な対策が明記されていますが、特に見るべき点は、飲食店における、換気の基準が明記されていることです。https://www.pref.yamanashi.jp/koucho/coronavirus/documents/kizyun_inshoku.pdf
優秀なマニュアルだと思います。
厚労省からは、ビル管理法の換気を含めた換気の方法についてのパンフレットが出されています。
「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法(厚労省)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000618969.pdf
大規模商業施設以外の大体の街中の飲食店ではビル管理法の適応外です。しかし、こういった施設でも「ビル管理法の考え方に基づく換気」が求められています。
これを具体的に書き表すとすれば、
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一人1時間あたり30m3以上の換気量を確保する
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室内の空気が1000ppm以下の二酸化炭素の含有率となるようにする
ということです。
窓のない施設で、換気扇による換気しか換気方法がない場合、換気扇の性能によって換気量の最大限度は決まってしまいます。
換気扇の換気風量(m3/時間)÷30(m3/時間)=部屋に許容される人数
ある換気扇の換気風量が300m3/時間であった場合、必要換気量から部屋に許容される人数は、
300(m3/時間)÷30(m3/時間)÷30=10(人)となります。
また換気を1時間に2回以上行うという意味は、単に窓を数分開けるということではなく、部屋の空気1時間に2回以上すべて外気と入れ替わるということです。https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000618969.pdf 2ページ目
実際に換気量を測定するには気流の測定器と計算が必要になります。これは少しややこしいですね。
最も簡単に換気の状態を見るには室内の二酸化炭素濃度を調べることでしょう。例えば、ネット上でも比較的安い値段で二酸化炭素濃度測定器が手に入ります。
結論は、いろいろな方法で飛沫感染、接触感染を防いだとしても、空気感染を防がなければ新型コロナに感染してしまうということです。
空気感染は換気の不良なところで起こります。換気の問題について具体的に切り込んでいるのは、やまなし・グリーン構想の飲食店の基準です。https://www.pref.yamanashi.jp/koucho/coronavirus/documents/kizyun_inshoku.pdf
この基準が国中で広く知られることを希望しています。また、飲食店を利用される方々には、新型コロナの空気感染による伝染を記憶していただき、行動していただきたいと思います。
