===> 速水イマイチ <=== 「ぐっちー、あれ貸して」「もー、僕だって忙しいんですから自分で取ってくださいよ…」「とかなんとか言って、君は取ってくれるんだからホントいい助手だよ、いい子だねー」「子ども扱いしないでくださいっ」用があって運んだ特定愁訴外来こと愚痴外来からは聞き慣れた役人の声とこの部屋の主、田口先生の声が聞こえた。相変わらず繰り広げられているやりとりに呆れつつ、一度ノックしてから扉を開ける。「はい、誰です…って、速水先生」「あれれー?救命のセンター長様がこんな所に何の用ー?せっかく僕とぐっちーが楽しくお茶してたってのに」「霞ヶ関が本拠地のお前には言われたくないな」いつもと変わらない様子で口を開く白鳥に一言そう返し、それから改めて真っ直ぐと視線を寄越した。すると向けられた視線の変化に察しのいい白鳥も同じように表情を変えて口を開いた。「なーんか、言いたそうな顔してるね。なになに、まさか僕に恋愛相談でもしに来たの?」「ああ、そのまさかだ」「え、ホ、ホントに恋愛相談なんですか!?」明らかに動揺した様子で口を開く田口先生とは対照的に至って落ち着いた様子で白鳥は更に言葉を続ける。「なに、まさかー…また前のことじゃな「ああ、それだ」」白鳥の言葉に被せるように口を開けば被せられた張本人は「はぁ…」とあからさまな態度を見せた。その横で動揺していた田口先生はますますその色を濃くしていた。「ど、どういうことなんですか?僕にも、分かるように話して下さいよ…っ」「いやね、ぐっちー。実は……」