ワタリガニ科イシガニ属
Portunidae: Charybdis
トガリマダライシガニ
Charybdis (Goniosupradens) acutifrons (De Haan, 1879)
記載 甲面が軟らかい短毛でおおわれる.甲面の稜線が心域と鰓域の内面後方にも存在する.前側縁は5歯あり,いずれも鋭く尖り,先端が褐色である.第1, 2前縁歯の後縁に小歯がある.額の6歯はすべて先端が鋭く尖る.眼前歯は幅広い三角形である.鉗脚の長節前縁に3棘があり,そのうち基部の1棘は他の2棘に比べ小さい.腕節内縁に大きい1棘,外縁に3棘がある.掌部上縁に4棘が2棘ずつ2列に並び,掌部上縁基部に1棘がある.
分布 日本国外ではマレーシア,インドネシア,スマトラ東部,モルッカ諸島,チモール島,ソロモン諸島,およびタンザニアなどのインド洋から西部太平洋にかけて分布する(酒井,1976;武田,1982;Wee & Ng, 1995).国内では相模湾(三浦半島沿岸),紀伊半島,鹿児島県南さつま市,および与論島に分布する(本研究;酒井,1976;武田,1982).
トガリマダライシガニは,これまで日本国内では相模湾と紀伊半島から記録されていたが(酒井,1976;武田,1982),鹿児島県南さつま市からも生息が確認された.トガリマダライシガニの鹿児島県での採集記録は,これまでの分布の空白域を埋めるものであり,本種が相模湾以南の南日本に広く分布することを示唆する.
標本 甲長25.0 mm,甲幅35.1 mm,鹿児島県南さつま市,水深3 m,2010年9月6日.
引用 岩坪洸樹・岩坪政光.2013.鹿児島県から得られたワタリガニ科甲殻類3 種の記録.Nature of Kagoshima, 39: 91-95. [PDF ]

