久々に完読したのが、「くちびるに歌を」

これは、映画化がこれまた青春映画の「幕があがる」と同じもので、

上映時は同じ青春映画が同時にでたなあ、と強く印象の残りました。


青春映画といえば、成長、勇気、努力がお約束。

ただ、「くちびるに歌を」は成長物語というより、「もしも尊敬する人が入れ替わったら」という

環境に適応する物語にも思えます。


というのも、合唱部の顧問の入れ替えから始まる話だからです。



簡単に考えると、新たに先生が入ったことで、生徒の成長が促進されているように思えますが、読み進めると、影の先生はこの前任であることがわかります。(ちなみに木村文乃が演じています・・・)


先生が変わらなくても彼女たちは前向きに合唱に取り組んだであろうし、前任者も力量がある人であることは会話からうかがえます。


ただ、この小説の主眼は、部活の主任が変更したことによる葛藤であり、その結果の変化です。

その中でいろいろなことに気づかされ、問題が浄化されていく群像劇なのです。

そしてこれは、入れ替えがなければ、決して起こらなかったことなのです。


物語の結論は涙あり、笑いありで著者の力量を感じます。