今年の夏の休暇旅行はオーストリアのウィーンでした。ウィーンと言えば音楽の都、そしてハプスブルグ家の繁栄の遺跡、そしてドナウ川でしょうか。私達夫婦の旅をご報告いたします。特に交通機関の利用に苦労しました。でも、それこそが旅の楽しみでもあります。皆さんには、私たちのような苦労をされないように記してみました。ご自分でも旅されたつもりになり、お楽しみくだされば幸いです。
〔交通〕
今回はドイツ語圏ということで、機内で『地球の歩き方』を読み込んでいたのですが、どうも交通関係がよくわかりませんでした。案内通りに空港で直ぐに観光案内所で8日間パス(何人でも合計8日分市内の交通乗り放題)とヴィエナ・シティカードを買いました。ところが、空港から市内に行く電車にわからないまま乗ると検札が来て、無賃乗車の罰金90ユーロを取られてしまいました。空港は市内ではないので、別にチケットを買わなければならないのでした。周囲の乗客にいろいろと尋ねていたので、彼らが取り持ってくれたので、一人分の罰金で済みましたが、かなりがっかりです。車掌も、周りの人も、申し訳ないと言ってくれたのが慰めです。しかし、最初から、動きたくなくなる始末でした。
 それでタクシーに乗ることにしたのですが、ホテル名を告げると、それはここだ、と言って去ってしまいます。調べると、同じ系列のホテルがあったので、しっかりとここではない別のホテルだと告げて乗り、9€でしたので10€払いました。タクシーは流しはしていないので、普通は駅くらいでないと乗れません。子連れの家族などのウーバーの利用は多くありましたが、専門的なタクシーではないので、トラブルもあり、目の前でやめたのを見ました。基本的には、市内交通を駆使するしかないようです。

 ウィーン市内は、バス・路面電車・地下鉄・鉄道が7.6€で一日乗り放題です。8日間パスは二人で4日間使え38.4€、つまり一人一日4.8€です。それを一枚ずつ折って、最初に何かに乗る時に入り口にある青い箱に刻印をします。切り離してはいけません。二人で使う時は、もう一度折って、刻印します。72時間パスもあります。市内ということがよくわからなかったのですが、要するにウィーン市内地図に載っているところは市内です。心配なので、シェーンブルク宮殿に行く地下鉄は別にチケット2.4€×2を買ってしまったのですが、必要はなかったわけです。
   

 ウィーン市内はリンクという中心街を取り巻く道が一方通行なので、周遊バスに乗ると戻ることはできません。路面電車だけが逆方向に走るのですが、これは一番左側です。
路面電車に乗ったら、分岐点で違う方向に行ってしまい、慌てて降り、逆方向に向かい乗ったところで降りました。電車の番号をよく確かめて乗らなければなりません。最初は、地図を見てもどの電車に乗るのかわからないので、アイフォンでコンパスを出し、王宮方面に行くバスに乗りました。ウィーン大学傍のシュッテントーアは路面電車が地下にもあり複雑です。地下鉄は更にその下にありました。


近郊の温泉地バーデンに行くときは、カールスプラッツからバーデン線が出ているのですが、普通の路面電車のようなプラットホームで、自動販売機がありました。説明を英語にしても、駅名はドイツ語なので、よくわかりません。困っていたら、バーデン線かどうかを尋ねた婦人が操作してくださいました。これは現金しか使えませんでした。


 ヴィエナ・シティカードというのは、赤が市内交通機関乗車券付きで、白が乗車券はなく周遊観光バスが乗れます。これがどういうことかわからず白を買ったのですが、ビッグバスツアーズの周遊バスが乗れるわけです。前述のようにリンクという要所を取り巻く道が一方通行なので、周遊バスに乗ると戻ることはできませんし、最終バスが7時半頃だったので、白を買うのは不正解でした。赤を買って市内交通を利用し、観光施設の入場料を割引してもらい、周遊観光バスは一度乗れば十分です。でも2階席で見晴らしが良く、全体の外観を知るのには良いでしょう。途中で降りたら、乗る交通機関がなく、歩いてドナウ川の橋を渡りましたが、なんと橋の真中に地下鉄の駅がありました。地下鉄を降りたところは、駅が大きいので、全くどこかわかりません。グーグルマップで確認して、歩き回ると、先ほどの周遊バスの停留所があったので、待っていると次のバスが来るまでに30分以上掛かりました。
 

 ヴァハウ渓谷でドナウ川のクルーズが素晴らしいというので、ウィーン中央駅に行き、自動販売機で周遊券を買おうとするのですが、まったくわかりません。これはQBBというオーストリア連邦鉄道で、自動販売機にはミュンヘン、インスブルック、ブダペストなどという他国の都市が載っており、うっかり買ったら大変なことになると驚いたものです。結局窓口で買いましたが、順番の札を取り、30分ほど待って買いました。しかし、売ってはくれたものの、よく調べると既に帰りの電車はなく、諦めて翌日に乗ることにしました。
翌朝8時半の特急に乗ると2つ先の駅に乗り換えるとのことでした。ザンクトペルテンで降りたものの、メルク行きという電車はなく、路線は何本もあります。聞いても答えられる人はなく、チケット売り場まで行って聞いたら、すぐに出る電車だったので、走りまわり、やっと乗れました。


 メルク駅からクルーズの乗り場までは15分ほど歩きます。人はあまりいないので、地図を見てやっと乗れました。クルーズ船は、どこでも飲み物や軽食を注文できます。私は、ウィーナーコーヒーを飲みました。但し、その名前のコーヒーは無いので、生クリームを載せたコーヒーはどれか、と聞くしかありません。ドナウ川は大河で、さざ波しかないのですが、確かに大きな流れです。幾つかの停船場を経て終点クレムスに着いたのですが、駅に着くまで2キロくらい歩きました。尋ねながら辿り着くのですが、遠かったです。クレムス駅から地方鉄道に乗るのですが、着いたのはウィーンのフランツ・ヨーゼフ駅。路面電車が来たのですが、危うく別方面に乗りそうになり、尋ねて良かったと乗った電車は、どこに着くのかどこを走っているのか全くわからず、わかった時にホテルの横に着きました。


やっと慣れてきたと思ったのですが、地下鉄は難しかったです。なんといっても表示も案内もドイツ語です。帰りは乗り換えてウィーンミッテ駅に行こうとしたのですが、地下鉄では駅名がランドシュトラッセだったので、乗り越してしまいました。駅では、どこに空港行きの電車があるのか、探してもわかりません。聞いたら、地下鉄の駅を出て、QBBの駅に入らなければならないのでした。ようやく辿り着き、荷物があるので、エレベーターで降りたら、そこに空港行きの電車が来ました。検札が来て出したチケットは、特急券がないと言われ、車内で買うと割高の12€×2を追徴されました。本当に面白い交通機関の冒険でした。旅には、気力が必要です。