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FightingDays!

シンタロウです。山波幸介という名前で漫画を描いてます。そんな人の日常です。

どうも。

コミックマーケット93(以下、C93)を終えて、都内のホテルでこのブログを書いてます。
初めに言っておきますと、かなりの長文・駄文です。ごめんなさい。
 
さて、このブログ自体をどれだけの、どういった人が見ているのか、僕には詳しく分かりません。
ただ、日頃お世話になっている人たちの、確実に見てくれているであろう何人かに届けば嬉しいなと思いながら、C93の感想というたわ言を書きます。
 
前回のたわ言でも書いたように、今年の僕は、自分のスタイルを一から壊して再構築する、文字通り再出発の年でした。
 
それこそ、ようやく掴んだ連載が年の初めに打ち切りになり、さらには「絵が荒れてきている」と担当編集さんに言われ、そこから絵を描くこと自体が怖くなり、もはや絵を仕事としていくことを諦めようと本気で考えるほど、挫折したのです。
「自分には何の才能もない、奢っていたのだ」と、全てを投げ出す気でいました。
 
けれど、そんな僕に「もう少し続けてみようか」と思わせてくれたのも、担当編集さんでした。
まぁ、励まされたというよりは、怒られたに近い感じでしたが。
 
そこで冷静になって周りを見てみると、「もう辞めた方がいい」と、誰一人として言ってこない現実があることに気付いたのです。
 
僕にはまだ僕を支えてくれる環境があり、協力してくれる人たちがいる。マイナスなものは、自分の思考だけでした。
そう思うと、諦めるのが惜しいというか、投げ出すことがバカバカしく感じてくるもので。
 
そして、実に不思議ですが、挫折しているのに描きたいモノは湧いてくるんですね。
絵を描くことが怖いのに、描きたい欲求は出てくるんですね。
 
そうなると、気が付けば、またPCの前に向かっているわけです。
 
でも、挫折して自分のスタイルが粉々に砕け散っているのは確かなので、それを再構築していかなければいけません。
そんな作業が夏くらいから始まります。
誰に相談するでもなく、一人で黙々と作業し続けるのです。
 
その作業というのは、具体的な技術面もありますが、大半は自分自身の内面に目を向けることです。
 
自分は何を描きたいのか。
自分は何が好きなのか。
自分はどんな個性を持っているのか。
自分はどこを目指すべきなのか。
 
自問自答を繰り返し、日々の生活の中でその答えを少しずつ見つけていきます。
そうして、夏が終わる頃から、再構築が形となって見えてきます。
 
秋から冬に掛けて、徐々に具体的になっていく再構築。
その作業の中において、欅坂46との出会いは大きなファクターになったと思います。
今までの自分にはない、けれど以前から潜在的な部分で欲していたファクターでした。
 
欅坂46を聴くようになってから、再構築のスピードは上がり、明確な道筋が見えてきたと思います。
 
もちろん、他にも様々なファクターがありました。
中でも自転車は、今まで以上に重要な存在になっていたと思います。
身体を動かすことで得られる精神面での強化や自信など、PCに向かっているだけでは得られないもの、その重要性を再認識できました。
 
ヒルクライム初挑戦だった熊野古道は、本当に楽しかったです。
順位はそれこそ大きな声では言えませんが、「努力の末にやり切れた」ということが、とても大切な結果だったと思います。
「やれば出来るじゃん」みたいな単純なことでしたが、「絵でも同じなんじゃね?」と思えました。
 
作品を創ることは、その作者の全てが影響します。
というか、持てる人間性の全てを作品に表現するのです。
冗談ではなく、命を削って作品を生み出すのです。
 
だからこそ、作品を創る上で、不必要なことは何一つとしてありません。
生きていく上で起こる全てのことを、作品に還元していくのです。
 
そうやって今までにないくらい、自分自身に目を向けて日々を過ごし、今を迎えています。
 
単純な部数の結果を言うと、思っていたよりは売れませんでした。
去年に比べて、惜敗寄りの惨敗みたいな。なんだそれ。
でも、自分を取り巻く状況としては、去年より進歩した結果でした。
 
コミケというか、同人誌は利益を得る商売ではなく、その作品を好きな人間同士が集まる場、いわゆる趣味なので、売り上げ云々は野暮な話ではあるのですが。
それでも、作家として上を目指すためには、重要なファクターでもあるので、売れるに越したことはありません。
 
けれど、数以上の結果を今回のコミケでは得られた、そういうことです。
これを途切らせないよう、来年はより一層努力しなければいけません。
 
またしても、まとまりのない文章を長々と書いてしまいました。
ここまで読んだ人は、素直に凄いと思います。暇人ですか。
 
はっきり言うと、漫画家や芸術家なんてのは、社会不適合者です。
周りの人間関係よりも、作品を創ることが何より大事であり、最優先事項。そんな思考回路です。
 
自分自身に目を向けるとか、悟りを開くみたいなことを言ってますが、そんな気はさらさらありません。
より良い、自分が目指す最高の作品を創りたいだけなのです。
 
それでも、僕を支え、助け、協力してくれる人たちがいます。
それに応えるには、自分が目指す所に辿り着き、結果を示すしかないのだと思います。
 
「30を目前にして、今さら何を言っているんだ」と言われそうですし、僕もそう思ってます。
 
「地道」という言葉が逃げになるのか分かりませんが、僕は地道なタイプだと思います。
突出した才能があるわけでもなく、かと言って弾き出されるほど平凡でもない。
 
再構築の先は、思っていた以上のハングリー精神でした。
 
もっとああしたい。
もっとこうできる。
まだまだやりたいことをやれていない。
 
C93を終えて思うのは、そんなこと。
 
「君は君らしくやりたいことをやるだけさ」
「One of themに成り下がるな」
 
「夢を見ることは時には孤独にもなるよ」
「誰もいない道を進むんだ」
 
欅坂46の『サイレントマジョリティー』には、本当に勇気を貰えます。
音楽はやっぱり素晴らしい。
 
結果を出すには、ひたすら作品を創り、世に放っていく他ありません。
来年はもっとやりたいことをやって、自分という個性を世に示していかなければなりません。
 
まだまだ再構築は続きます。
そして、再構築した自分を自分で裏切らないよう、動いていきます。
 
「モチベーションがなくなったときが辞め時だ」と、知人に言われました。
漫画もイラストも、時折頼まれる猫っぽいデザインも、自分が思い描く最高の地点に少しでも近付けることを目指して。
 
来年もよろしくお願いします。