シベリウス 交響曲第1番 | 音に巡る想い(2005~2010) / ビデオ画像と音楽(2011~)

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クラシック音楽に目覚めたのはSP時代だった。知人から借りたレコードが
きっかけ。後にLPを集めたりしたが、時に感動して涙した頃が懐かしい
な~。/

主に四季の花や自然の風景などビデオ撮りした動画に、出来るだけ自作のBGMを付けて載せたいと思います。

今日はシベリウスの交響曲全集から、
まだ一度も取り上げていなかった
第1番 ホ短調 作品39を聴きました。
演奏はこれまで何度か紹介したC・デイヴィス
ボストン交響楽団です(LP盤)。

この全集の中では第2番と共に最も聴く回数の
少なかったもの。それは第2番はレコードを手に
するまでに何度も聴いてしまっていたから。
それで、それ以降の交響曲に気持ちが動いて、
第1番がおろそかになっていたようです。

第1楽章冒頭のクラリネットの暗くて怪しげなモノ
ローグは長いです。ティンパニのトレモロと共に
奏せられル部分くらいでよさそうなものを・・・、と
思ってしまうのですが、その後もソロがず~っと続く
のですね。しかも非常に弱くだから、演奏会では
奏者のプレッシャーが大変なのでは(^。^)。

ま、そんなことよりも、やがて主題が全合奏で高まる
ところでは、まるで交響詩「フィンランディア」や、第
2番のフィナーレに通じる感じがして、フィンランド人
でなくとも、胸熱く血騒ぐ想いがします。
この楽章は悲劇的な色彩の中に、強い意志と闘争
心を秘めているように聞こえます。
フィンランドの過去の暗い歴史と、ロシアの圧制から
開放されて独立への志向が盛り込まれた楽想に聞
こえるのです。

第2楽章は一転して穏やかに始まりますが、私には
やはり一抹の悲哀感が漂っているように思われます。

第3楽章  スケルツオで速い踊りのようです。
軽やかさと荒々しさが同居し、また道化師が踊って
いるような諧謔さもあります。
中間部は全く正反対のゆるやかさが特徴的です。

第4楽章は再び第1楽章に繋がるように序奏から始
まります。ここはフィンランドの過去の歴史を回想し
ているような趣が感じられます。
やがて弦楽器で奏される旋律が第1楽章冒頭の
クラリネットの旋律なのですが・・・・ネット検索して
この曲の解説文で知りました・・・・そうとは気付きま
せんでした。

それから主部に突入ですが、鬱積した憤懣、それを
吹き飛ばそうとするようなやるせない気持ち、独立
への悲願を、強い意志として訴えてくるような楽想
です。

C・デイヴィスは、特に再現部後半をゆったりとした
テンポで、情感に満ちてたっぷりと美しく謳い上げ
ています。

久しぶりに2度続けて聴きましたが、なかなかいい曲。
全集の解説文の最後を引用すると、「自然の音、歴
史的な幻想、そして悲劇と未来・・・・この交響曲が
で交錯させる世界は実に深く、そして限りなく魅力
である。」

私は、とりわけ両端の楽章が好きになりました。