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シュリンクトゥフィットとプリシュランク

シュリンクトゥフィットとは防縮加工を施していないデニム生地で作ったジーンズのこと。

コットンの水に通すと縮む特性を利用したもので、
洗濯と着用を繰り返すことによって、場所によっても違うが約1~3インチ程度縮む。
水を通した後の乾く段階で縮んでいくので、穿きながら乾かすと身体のラインに沿った縮み方をする。

カウボーイはジーンズを穿いたまま川に入ってたとか、
ジーンズを穿いたまま風呂に入ったりすると言われるのはこのシュリンクトゥフィットのため。
自分の足の形に合ったジャストフィットのジーンズを手に入れることができるが、
そこまで育てる手間がかかる。



プリシュランクはサンフォライズという防縮加工を施したデニム生地で作ったジーンズのこと。

サンフォライズ加工とは使用する生地の縮みをあらかじめ計算し、
その縮み分を機械で圧縮して定着させることによって、
水に通した時や洗濯した時の生地の縮みを小さくする加工。
この加工方法はジッパーフライの普及に大きく貢献した。

シュリンクトゥフィットは生地の縮みが大きいため、
ジッパーフライにすると噛み合わせが悪くなってしまったりと不都合が多く、
最悪使えなくなってしまうこともあった。
プリシュランクが発明されてからはジッパーフライでもその心配は無くなり、
開閉のしやすさから徐々に普及していった。




ジーンズが発明された頃はシュリンクトゥフィットが当たり前だったけど、
サンフォライズ加工が発明されてからは徐々にプリシュランクへと移っていった。

移行していった理由は素材や加工の進化が一番大きいんじゃないかと思います。
昔に比べると最近はデニム生地のストレッチ素材によって
スキニーのようにジャストフィットしたものを作ることができるようになったし、
加工も穿き古したような色落ちをリアルに表現できるようになってきました。

後は手間がかからないというのも大きな理由だと思います。
ノンウオッシュのままでも普通に穿くことができるし、手間といっても糊落としぐらいです。
穿きながら乾かすといった手間が無くなったのは大きいはずです。


現在は防縮加工を施したもの、またはあらかじめ洗って縮ませてあるものがほとんどだと思います。
プリシュランクが主流なのはこれからも変わらないと思いますが、
シュリンクトゥフィットが好きな人もいるのでおそらく無くなることは無いと思います。
穿く人が少なくなってもこういう歴史を伝えるものはこれから先もずっと受け継いでいってほしいですね。

インシームとアウトシーム

ベイカーズデニムのインシーム(インターロック+ダブルステッチ)
Creator Brothaz K-10のブログ-インシーム


アウトシーム(割縫い)
Creator Brothaz K-10のブログ-アウトシーム


股を繋ぐ内側の縫い目のことをインシーム、またはインサイドシームといい、
外側の前身頃と後ろ身頃を繋ぐ縫い目のことをアウトシーム、またはアウトサイドシームという。

思いつく限りの縫製方法を上げると、
インシームは巻き縫い、インターロック+たたき縫い、インターロック、割縫いの4つ。
アウトシームは、割縫い、インターロック、巻き縫いの3つ。
縫製の仕方で強度や色落ちが変わってくる。



巻き縫いは左右の生地の縫い代を内側に折り込んでダブルステッチ(トリプルステッチ)を上からかける。
最も強度が高く、ステッチの間に段々に線が入ったような色落ちになる。

インターロックは大量生産を可能にした縫製方法で、地縫いとかがり縫いを同時にかけることができる。
その後に表から縫い代ごとたたき縫いする方法と、アイロンで縫い代を倒す方法がある。
もちろんたたき縫いをした方が強度は高くなる。
色落ちはどっちも縫い代と同じ形のアタリが出てくる。

割縫いは左右の生地をそれぞれかがり縫いをして中表にして地縫いをかけて、縫い代をアイロンで両端に割る。

強度はインターロックのみと同じぐらいで、これも縫い代と同じ形のアタリが出てくる。



インシームで一番使われているのはインターロック+たたき縫いなんじゃないかと思います。

インターロックが開発されるまでは巻き縫いが主流だったが、
ジーンズの需要拡大に伴いダブル幅の生地と共にインターロックへと移行していった。
ただ巻き縫いにこだわって作っているところもいっぱいあるのでそこまでの差はないかもしれません。
効率的な面はもちろんだけど、強度の面でも今の時代はインターロック+たたき縫いで足りてしまう気がします。

アウトシームは割縫いが一番多いような気がします。
セルビッジしかなかった時代はかがり縫いをする必要がないのと、
耳を見せるために割縫いにしたんだと思いますが、
ダブル幅の生地になってからも割縫いを使っているジーンズをよく見かけます。
おそらくインターロックのアタリよりも割縫いのアタリの方が人気があるからなんじゃないかと思います。
巻き縫いに関してはペインターなどのワーク系のものによく見られます。



どれがいいかは好みにもよりますが、おれは普通の5ポケットのジーンズだったら
インシームが巻き縫いでアウトシームが割縫いの縫製が一番好きです。
強度や色落ち、見た目など全てにおいて文句の無い縫製だと思います。

ベイカーズデニムは制作者が一人なので効率を重視するために
インシーム(アウトシーム)はインターロック+ダブルステッチで仕上げているのですが、
環境が整ってきたら巻き縫いを使ったジーンズも作りたいですね。

デニム(ジーンズ)の糊

糊の付いた状態のジーンズをノンウォッシュやリジッド、生デニムなどと呼ぶ。

糊付けはインディゴで糸を染めた時と、織機で生地に仕上げた時の2回にわたって施される。
インディゴで染めた時の糊付けは織りの安定性を向上させるために付けられ、
生地に織り上げた時は縫製の安定性を向上させるために付けられる。



ノンウォッシュのジーンズを下ろす時に
最初に糊を落としてから穿くか、糊を落とさないまま穿くかで意見がわかれると思いますが
おれはその時の気分によって糊を落とすか落とさないかを決めています。
糊が付いた状態だと生地が堅くて動きにくく、シルエットもキレイに出ないけど
穿き続ける事によってコントラストの強い色落ちになります。
パリッとした独特の生地感は1回水を通してしまうと2度と味わう事ができなくなってしまいます。
糊を落とすと落とした分だけ柔らかくなり、肌触りが良くなって動きやすくなります。

どっちにもメリットがあるので迷うところですが、
動きにくいのは嫌なので最初だけノンウオッシュの生地感を味わってから
すぐに糊を落としてしまう事の方が多いです。
糊の落とし方にも色んな方法があると思うけど、
おれは浴槽にデニムが浸かるぐらいのお湯を入れて、足で踏みます。
踏んだ分だけ糊を落とす事ができるのでしっかり落としたい人にはお勧めです。

色落ちを重視させたい人は糊を落とさないでできるだけ洗濯しないで穿き続けた方がいいですし、
動きやすさや着心地を重視する人は最初にしっかり糊を落とした方がいいです。
色落ちなど後々まで影響してくるので自分のイメージに合った方法を選ぶといいと思います。