調べ物で過去記事をチェックしてると
丁度1年前に下書きで終わっていた記事がありました。
ま、面白そうなネタなので公開したいと思います。
<1年前に書いた記事が以下>
「The Founder」という映画を観ました。
日本でのタイトルは
「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」
となっています。
サブタイトルがダサすぎなのに悪意を感じざるをえないのは
ブログを最後まで読んで頂ければわかルカもしれません。
内容はあのハンバーガーのマクドナルドが
創業からどうやって大きくなっていったかを
「創業者」の一人の自叙伝を元にした作品です。
で、これを見て作品の捉え方が人によってえらく違うもんだな、
っと思ったのでちょっと書いてみようと思います。
ちなみにタイトルのファウンダーとは日本語直訳だと創業者ということになります。
先ずはザクッとあらすじですが
マクドナルドの「創業者」がマクドナルド兄弟から
兄弟が開発したビジネスモデルを買って「創業者」が大きくしていった、
ってことは飲食業に関わる人なら知ってて普通だと思います。
ちなみに、
私もイリノイのマクドナルド1号店(博物館)にも行った
それはフランチャイズ1号で
本家本元の1号店はカリフォルニアのサンベルナルディーノなんですね。
ってか、
その頃の英語力では書いてることが理解できてなかったんだな、と。
で、
その創世記がどうだったかって話なのですが、
当時ミルクシェークの製造機を売っていた「創業者」が
マクドナルド兄弟のハンバーガーショップで出会い
そのビジネスモデルに惹かれ、可能性を感じ、
兄弟とビジネス契約を結び「創業者」がフランチャイジーを探して
どんどん大きくしていッタケド、
大きくなるに連れて自分達の強い拘りが捨てられない兄弟と
大きくする、ビジネスとして儲ける、思いが強い「創業者」とで
反りが合わなくなり、思いも大きな相違が現れて
最終的に「マクドナルド」は「創業者」のものになる、
そういう話です。
で、それを見た数時間後とかに何気に自分のFBを見ていると
知り合いの知りあいも丁度「観た」的なことをポストしていて
(それを友達がライクしていたので私のタイムラインに出てきた)
その彼のレビューを観ていると
「ん?自分とは違う捉え方だな。」
っと。
で、気になって「日本語」のレビューを観てみると
なるほど概ねその知り合いの知り合いと同じ。
で、気になって「英語」のレビューを観てみると
こチラはご意見様ざま。
結局のところ、
見る手が
「経営者」か「雇われ」か。
んで、
「日本人(的)」か「アメリカ(的)」か。
あと加えるとするなら翻訳の違いもうっすらあると思うので
「日本語」か「英語(オリジナル)」か。
これらの違いによって変わるんだろうと思います。
以降にその違いを少し深堀していきたのですが
ネタバレ注意です。
加えて先ほどから「創業者」と書いてきましたが
名前はレイ・クロックです。
さて、
映画を観終わっての私の感想は
「経営」する上で非常に興味深い作品だな、と。
で、
一般のレビューには「経営者」はクロックで
クロックが「マクドナルド」を乗っ取った。
で、冷徹で非常、アメリカ人は成功のためならなんでもする、
と言う印象を持っているようです。
そこは私は違っていて
先ず、「経営者」は二人(組)いて
クロックとマクドナルド兄弟。
一方が一方を吸収した、って話。
言ってみれば
日本のセブン-イレブン(セブンイレブン ジャパン)が
本家であるアメリカの7-ELEVEn(サウスランド)を買収した話と同質で
その場合は「日本の英雄」的な捉え方をされている気がするのに、です。
なのでクロックが悪者と言われる筋合いは「あまり」ないと私は思います。
また、
どちらかというとクロックは義理に厚い面もあったと思っています。
例えば、
クロックがマクドルド兄弟と交わした契約は
マクドナルドのビジネスモデルを全米で使う権利をクロックが持ち、
そのモデルを考え出したマクドナルド兄弟に売り上げの0.9%を差し出すというもの。
で、
クロックはフランチャイズでやってくれる人を探して
店舗をオープンしていくのですが
そのフランチャイザーがクロックに支払う割合は1.4%。
(数字は、「だったかな?」ってノリです)
マクドナルド兄弟はアイデアを考え出した点で
素晴らしい価値がありますが、何もしなくても0.9%。
一方クロックは必死に働いて
加えて全てのリスクをとっていて
んで、手にできるのは差額の0.5%。
どちらかというとクロックに不利な契約だと思います。
で、そうだからこそ
20店舗くらい広げたところでクロックの資金がショートしてしまいます。
これでは駄目だってことでマクドナルド兄弟に契約改訂を相談に行きますが
マクドナルド兄弟はこれを突っ撥ねます。
そこで出てきたのが「ミルクシェーキの元の粉」。
クロックの資金繰りを圧迫していたのが
ミルクシェークの元になる「アイスクリーム」の保管代(冷凍庫の電気代)。
それを常温保存できる粉に変えることで電気代問題は一気に解決するわけです。
が、
品質にこだわるマクドナルド兄弟はこれも突っ撥ねます。
クロックの立場からすれば
「ならどうすりゃ良いんだよ。」
って話です。
ビジネスを大きくしてるのに金銭面で助けてくれない、
しかも、その改善案を持ってきたのにそれも駄目。
こめかみが「ピクッ」っとするのも当たり前。
ま、マクドナルド兄弟の気持ちもわかります。
特にオリジナルの発案者はそれに拘りも思い入れもありますから。
でも、それならせめて資金面で何か折り合いをつけるべきだった。
そうしていれば、クロックも乗っ取るようなことはしなかッタ気がします。
ま、そうなればマクドナルドもあんなに大きくなる事もなかったでしょうが。。。
さて、この二つの出来事が双方の将来の分岐点になった気がします。
で、
結局クロックは「生き残る」ために粉末シェークに手を出します。
それに憤慨したマクドナルド兄弟の兄の方が心臓発作で倒れます。
で、お見舞いに駆けつけたクロックは白紙の小切手を渡します。
で、これをまた突っ撥ねるマクドナルド兄弟。
一般の日本人にとっては小切手は馴染みないかもしれませんが
アメリカではごく一般的な個人でも使うもので
白紙の小切手の意味するものは
「言い値で良いですよ。」
ってこと。
これは最大限の温情でしょう。
んでもう一つ。
最終的にとうとうクロックがマクドナルドの買収交渉に入ります。
マクドナルド兄弟が提示したのは2.7ミリオン。
この中途半端な数字は税引き後に兄弟それぞれ1ミリオンが残るようにするためです。
で、
日本円で1億円ずつ。
40年前とかですからね。
ちょろっと調べてみると今は価値が5-10倍だそうで。
「アイデア」だけに5〜10億円とか。
それでも支払うことを決定。
なのに結果、クロック的には
マクドナルド兄弟が持っていた店舗も込みと思っていたのに
店舗は除外だった。
ま、伏線でクロックはこの先もある報酬をマクドナルド兄弟に支払う
口約束をしましたが、それは履行されませんでした。
ちなみにここは意見が分かれるようで
1億が高いか、安いか。
知り合いの知り合いの一人は「1億程度のお金で買い取った」
っと書いていましたが、いや、今の1億の価値じゃないし。
ま、そこは議論にもならない意見ですが、
それにしてもただのアイデアやイメージにその値段は破格だったと思います。
薬剤の新発見とかならまだしも、
(1年後の追記:そういえばこの一年のブランクで小保方さん現る)
特許も取れない飲食業態のアイデアへの報酬としては
なかなかの金額だと思います。
<下書きはここで終わってました。以下現在の書き足し>
ってことで、
文中にもありますが
その人の置かれている立場と
バックグラウンド(生い立ちや人種)によって
この映画を観た感想は違ってくると思います。
また、
なんとなくですが日本では
クロックを悪者・愚か者にしたい風潮な気がします。
私目線ではクロックは非常にフェアなビジネスをしたまでだと思います。
是非英語オリジナル版で観ていただきたい映画です。
余談ですが、
やっぱアメリカでのビジネスは屋号が大切だな、と。
クロックがマクドナルドと言う名前が欲しかったように。
カレー屋の屋号も開業前いくつか候補がありましたが
今考えても「Oishi」で正解だったと思います。
しかし日本人の方にはあんまうけてなかったようです。
「あんな名前は日本人はつけない。(日本人経営でない)」
なんて噂されたりもしたようです。
ま、「ある人が言ってた」的な
グアムでありがちなただの「噂」なので
真相はどうでもよいのですが、
まぁね、普通ならoishiiなので
「i」が一個抜けてますし一理あります。
でもそういうことではないんですね。
7-ELEVEnも最後がなぜか小文字。
何が正式とかでなく、感覚ですね。
んで、海外でのビジネスと日本の感覚には違いがあって
その感覚を体得するのが肝要かと。
ただし、
こればかりはただ海外に住んでるだけでも得られないもので、
(英語が上手くならないのと一緒)
アメリカ社会(アメリカの日本社会ではなく)をビジネス面で
ガチンコで向き合わないと何年経っても無理でしょうね。
Oishiという言葉もグアムで浸透してきたと思います。