The end of advertising as we know it | 渋谷ではたらく広告思想と技術革新

渋谷ではたらく広告思想と技術革新

サイバーエージェントの内藤のブログです。



ネットを中心に広告業界で起こっている広告の工学的・社会デザイン的(技術革新)な変化と広告の理論的・理念的(広告思想)な変化の2層構造の関係や

会社のことなど、日々考えていることを少しアウトプットしていきます。

有名なモノなので、今更ですが、


IBM The end of advertising as we know it(広告モデルの終焉とはじまり)


「技術革新」という視点から広告マーケットをみると


これらの4つの軸(ドメイン)に大きな可能性があるのだろう。



これは、IBMのセールス資料の意味合いが強いと思うので


基本的には個別のメディア企業へのソリューションを想定していると思う。


なので、データやDB、プラットフォームなど


個別企業のソリューションを超えた


広告業界を大きく揺るがしている工学的な変化に関しては全く触れられていない。



個別企業へのソリューションビジネスとプラットフォームビジネスは


競争のルールもコアコンピタンスも全然別物になる。


このへんが正確に理解できてる人は少ないのかもしれない。


なので、これはあくまで収益性が低下している


メディア企業へのソリューションビジネスを意図したものであり


広告会社の未来の戦略を考える上では、あんまり実効性のある資料ではないと思う。



ここで重要なのは、こういう誤読をしないということと


現在、広告業界に新規参入してきている会社は


グーグル、マイクロソフト、ヤフー、IBMと


全て「技術革新」を武器に


広告業界のルールや慣習などの


不確実で非効率な部分を


イノベーションしようとしているということだ。



なので、「技術革新」という工学的なアプローチになるので


基本的には広告の理念や理論はない。


逆に言えば、(今は)必要がない。



彼らがやろうとしているのは、


工学的なインフラ層の変化であり、社会システムや社会デザインを規定するものである。


例えば、自動改札とかETCとかそういうレベルの話だ。



なので、こういうプレイヤーに広告の理念や理論などで反論しても、


そもそも階層が違う話なので、噛み合わない。


分かりやすくいうと、


広告業界には参入しているが、広告をやる気はないのである。

(ただ、インフラを普及させるために理念を使う、というのは当然ある)

この競争のルールの違いを理解することが


とても大事だと思う。