前回、「魂」の観点を大切にしたコーチングをやろうと思った流れについて、

コーチングの実践における気づきという背景から書きました。

 

 

もう一つの理由というか、これもあとから思い出したことなのですが、

昔からなぜか大事にしていること、しっくりくることがあり、

それらも強く関係していると感じるため、まとめてみたいと思います。メモ

 

 

「中庸」ヒヨコ
昔、座右の銘を訊かれて出て来た言葉です。
 

同様に、仕事で大事にしていることは?と訊かれると

バランス感覚、と答えています。
 

子供の頃から、すごくこれが好き!というものがあまり多くなく、

広く色々なものに理解がある人でありたいとも思っており、

好きな食べ物はあえていうならお米。
 

もともと、「あなたって〇〇な人だよね」のように

ラベリングされることに違和感がちょっとあり、

人に対しても決めつけないようにしているつもりで生きてきました。
 

コーチングやカウンセリングをする場面では、

ニュートラルさを評価いただくこともありつつ、

だからある意味すごい熱量や強い意見はないという面もあります。


 

「清濁あわせ呑む」トロピカルカクテル
昔、上司に言われて、そうそう、大事なことってそれだよね!

と非常にしっくりきた言葉です。
 

人事という人にかかわる仕事をしていると、

本当に色々な事に遭遇します。

(例は割愛しますが人事の皆さんなら

色々思いつくエピソードがあるのではないでしょうか。)
 

ルール上は明らかにNGということももちろんあり、

それはそれで毅然と対応はするわけですが、

よくよく見ていくと多くの場合

白黒つけようがないことの方が多いのも事実です。

 

人間性や”本質”を大事にしながら、

変に良い悪いで瞬間的に判断しすぎない、

起こったことは起こったこととして、

まずはまるっと受け止めることが大事なのだと

仕事を通じて学んできました。

 


大きな流れ意味で捉える、面白くポジティブに変換していく晴れ

自分自身の身にもいろいろなモヤモヤや

辛いことが起きたりします。

 

ただ、何かがあった時に、

何であれ意味があるので狼狽すぎず、

「これは何の学びか?」「先々何の役に立つか?活かせるか?」

と考えることが、いつからか染み付いています。

 

(一方でそれによって気持ちに蓋をしていた部分もあり、

ここ最近はその蓋や思いを溶かすことにも注力しています。)


 

 

・・・

これらは言い換えると、祈りの態度だと思っています。

偏らず真ん中に心を置いて、静かに相手の幸せを信じる姿勢。

 

このような姿勢をコーチングの中に明確に取り入れてみたい!

ということも背景として大きいです。

 

 

 

私が「魂」の観点も大切にしたコーチングをやろうと思った流れについて書いていきます。

なお、衝撃の事件も宇宙人との遭遇も出てこないので

期待せずに読んでいただけると幸いです。宇宙人くん

 

普通に、大きな不自由なく暮らさせていただき、

時々嫌だなーということやモヤモヤで落ち込みつつも、それもよくある範囲。

普通のコーチが、日常の中での気づきから、

「これだな!」というところに辿り着いたという、そんなお話です。

 

 

長くなるので3回に分けて書いてみたいと思います。

 

 

①コーチングをする中での気づき電球
 

コーチングにせよ、仕事でのメンバー育成にせよ、子育てにせよ、

手段や理論はあくまでそれでしかなく、

どうやっても上手くいくときはいくし、いかないときはいかない

ということを時々感じていました。
 

ある意味で、コーチングの技法に磨きをかけても、

そこには限界があるなと感じたのです。

 

同時にただ穏やかに聴いていくだけで

全てが解決されることも感じましたし、

こちらは本当に何もしていないつもりでもクライアントさんから

「おかげでこんな良いことがありました」と

報告いただくこともありました。

「現次元」のコーチング、

すなわち論理と感情にフォーカスして「言葉と頭」でかかわっていくことは、

もちろん十分に有効なのですが、

 

もしかしてより大切な本質は、

最もしっくりくる言葉で表現するならば”祈り”

ではないかと感じはじめたのです。

 

”祈り”の定義は難しいところではありますが、

概ね次のようなあり方をイメージしています。

 

愛を持って、ただニュートラルに話を聴き続ける、

相手のことを思う、そうした場を楽しむ。

力ではなく心を込める。

自分を信じ、相手を信じる。

出来事を大きな流れの中にあるものとして、

良し悪しで判断せず、その事象や気持ちに、ただ一緒に向き合う。

そして時に神や宇宙といった超抽象的な視点から考えてみる。

感情、感性、体感を通じ、表面的なやりたいことではなく

「魂レベルでどうしたいのか」を聴き取る、一緒に意味を創る・・・


コーチングはスキルではなく在り方である、とか、

自分で内省する際には上記のような捉え方が大事だと知ってはいながら、

対人場面、コーチングにおいては意識的には実践していなかったのですが、

この度、「やっぱりここだ!」と思いはじめたため、

ふんだんにコーチングの中に取り入れてみることにしたのです。

注:これらは、特定の宗教観に根ざした話ではなく、森羅万象、あらゆる多様な命を大事にするあり方です。

 

 

(文字通りマイペースで書いているのでだいぶ間が空いてしまいましたが笑)前回、傾聴の段階について書いてみました。

 

今回はその中でも「語られたことをきちんと聴く」「語られていないことを聴きとる」ことについて、どのようにすればより良く聴くことができるようになるのか、について書いてみたいと思います。注:経験も踏まえた私の独自の解釈です!お願い

 

1.知識

まずは当たり前すぎて?案外傾聴の本などに書かれていないことですが、最低限の話として、語彙力やクライアントの仕事・業界等に関する(最低限の)情報などの「知識」が必要です。

 

非言語情報も含めて聴き取る・読み取るうえでは心理学に関する知識もあると良いかと思います。

 

なぜかセッション・対話がうまく進展しない・・・という場合には、そもそも知識として足りない点がないか、見直してみると良いかもしれません。メガネ

 

2.態度

そのうえ、どのような態度(スタンス)を持って聴いていくと良いのかというと、相手が同じ世界に生きていない(同じように世界やその事象を見ていない・視点や前提が異なる)可能性を踏まえて聴くことです。にっこり


言い換えると、知っている、予想できる話であっても「知らない前提」で丁寧に聴くことが重要です。具体的な方法としては、話の流れを邪魔しない程度に都度、確認することです。

 

(一言一言に対して「〜〜ってどういうことですか?」と言われると相手はイラップンプンとしてしまうかもしれませんが、経験豊富なコーチなどは「普通の話・単語」に対してあえて「それって〇〇さんにとってはどういう意味?」にっこりなんて確認をしたりします。)

 

 

3.「同じ画を見る」

以上を踏まえ、「同じ映像を見る」、一緒にクライアントの方が感じていることや経験したことをキャンバスに描いていくように聴いていきます。カメラ

鏡として映し出すとも言えるかと思います。

 

あくまでこれは例えですので、より具体的に言うならばできる限り相手の目線・見えている世界をリアルに想像する、と言うことです。雲

 

つまり、大切になってくるのは想像力というわけですが、それってどうやって鍛えるの?というと、これは1つには経験、すなわち、セッションの場数と、日常生活の中で地道にやっていくしかないという側面があります。
 

一方で、疑似経験・体験も有効です。本やドラマに没入する、あるいは、登場人物のカウンセリングをするように読む・見るという方法でも結構鍛えられると思います。

 

 

4.さらに大事なこと…

さらに。想像力を超えて大事になってくるのは、直感力/直観力です。電球

 

コーチングセッションでも、仕事など日常生活における対話でも、限られた時間の中でより深く聴いていくことを意図するならば、「あれ?おや?ここは大事な感じがする」とか「きっとこうなのでは・・・」という感覚をもとに本質に迫っていくことが必要になってきます。

(注:決めつけ、当てずっぽうではありません。)
 

この力もセッションの場と日常で磨いていくことが中心となりますが、その精度を高めるには、非常に単純で、(余分な考え・雑念的なものを取り去って)今ここ・相手に集中して聴く・見るということに尽きるのではないかと思います。上差し

 

その意味で、セッション前に瞑想などを行うのも良いかもしれません。

 

深い話になりそうなので、一旦このへんで!

 

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傾聴には段階があると言われます。
 

 

よくある区分としては、

「聞いていない状態」赤ちゃんぴえん〜「言葉の背景や思いも含めて聴きとる」にっこり

までの段階を指しますが、

ここでは『何を聴くのか』という観点で少し整理してみたいと思います。
 

 

注:経験も踏まえた私の独自の解釈です!左差し

 

 

 

1.語られたことをきちんと聴く

話の流れと語られたことを理解しているということです。

まずは、相手が話している事実を理解していること。

さらには、相手の発した言葉の意味を「正しく」理解するということです。

 

 

同じ言葉、同じような出来事でも

人によってイメージするもの、指すもの、意味するところが違うため、

言葉にされたことを、相手にとって「正しく」聴き届けること

傾聴の第一段階と言えます。グッ

 

 

2.語られていないことを聴きとる

言葉にされていないものも含めて、

感情や思いを理解(認識の共有と言う方が近いかもしれません)できている

という段階です。

言葉そのものだけでなく、言葉の使い方、表情や声の調子、雰囲気など

目の前の相手全体から、感じていること、思っていること、願いなどを聴きとることです。

 


これは「1.語られたことをきちんと聴く」の段階にも含まれますが、

言い換えると「共観」できている、

同じ絵を相手の視点や世界観から観ているという状態です。目

 

 

3.相手の「人そのもの」を聴きとる

性格や特徴を感じとること、また、相手の価値観を知る、理解する

ということです。

考え方やものの見方(の特徴、傾向)を把握することも含まれます。

 


どんな人なのかということや、

その人が大事にしていること、あるいはとらわれていること。

思考パターンなども理解していくことで、

支援者としてのかかわり方も変わってきます。電球

 

 

4.相手との関係性を聴きとる

話をしてくれている人と自分との間に

どのような関係性が築かれているのかに注意を払うということです。

場の空気感を読み取ることとも言えます。

 

 

普段は信頼関係ができている間柄でも、

話題やお互いのかかわり方によってその場の状態、関係性は変化していきます

その感じを都度都度受け取りながら、

かかわり方を変えていくことが必要です。てんびん座

 

 

5.聴き手である自分の声を聴く

聴き手である自分の中に生じた思いや感情、言いたいことを、

ある種、客観的に把握して、適切に取り扱っていくことです。

 

 

基本的には聴き手として余分な発言をしないことが大事ですが、

生じた気持ちや考えを強く押し込めて、追いやってしまうことで

きちんと話が聴けなくなることもあります。

 

 

「あー、こんな気持ちが出てきたなー」と

頭の片隅で眺めておくくらいが丁度良いかもしれません。

 

 

一方で、自分が感じたことを伝えること(=フィードバック)が

話し手にとって意味あるかかわりになることもありますので、

その点でも自分の中に生じた声を聴きとっていくことが必要です。風船

 

 

簡単なまとめ

一口に聴くと言っても、

語られたこと、直接は語られていないこと、

話している人そのもの、関係性、聴き手である自分の声、

というふうに聴く対象は様々あります。

 

 

同時に全てを聴きとるというのは難しいこともあるので

(実際には聴き手の脳内ではできているのだとは思いますが、

意識的に全てをはっきり認識しなごらというのは結構大変なので)、

その時、そのクライアント、テーマにとって

必要な部分に集中して聴いていけるのが、

良いコーチ、カウンセラーと言えるではないか

と思います。

 

 

それぞれの『聴く対象』について、どうやって聴くのか?

どうやって聴けるようになるのかは

また次回以降、考えていきたいと思います。

 

 

 

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「コーチングとは?」という記事や解説の類を読んだ、書いたことのある人は多いと思います。
一方で「コーチとは?」という記事は、ざっと検索しただけですが、そう多くは見つからない(というよりも、「コーチングとは?」の記事が多数ヒットする)ように思われます。


スポーツを中心に「コーチ」という存在自体は聞いたことがある人も多いので、わざわざそういったワードで調べないのかもしれませんし、聞いた瞬間に何となくわかった感じがする、というのが率直なところでしょうか。
 

コーチの語源が馬車馬であるという話は(少なくともコーチ界隈では)有名ですが、そもそもコーチとはなんなのか、日本語に置き換えて考えてみました。なお、あくまで、私の考える定義・イメージ・コーチ像ですので、言葉遊びくらいでお付き合いください!お願い

 

コーチは先生・教師?上差し

近い職業としては先生、教師が思い浮かぶ人も多いと思いますし、コーチに対して「◯◯先生」と呼ぶクライアントさんもいるでしょう。ただし、ティーチングとコーチングは違うんだ、というような解説がなされることもあるように、多くの場合、原則は、コーチは”教えないもの”とするならば、日本語そのままの先生や教師とも違うように思います。
なお、正確には、コーチはやみくもには教えない(聞かれてもいないことや、自分が教えたいことを押し付けない)ということであって、知識・情報を教える必要があれば惜しみなく提供するものなのですが、先生と呼ばれる職業は一般的定義では「知識の伝授」がメインとなるため、コーチの定義とはややずれるように思います。

 

コーチは教授・教官?メガネ

教授も同様でしょう。教授といえば、専門的な知識の伝授をする人、あるいは自ら研究を行いながら教育活動を行う人ですが、その専門分野を深めるサポート、知識伝授がメインと捉えるならば、やはりコーチとは少し異なるのかもしれません。指導教官という言い方に変えると、コーチングに近い関わりが増えそうな感じもしますが、クライアント(この場合だと学生でしょうか)との距離感が縮まっただけ、という感じもします。

 

コーチは水先案内人?船

ゴールに向かって道筋を示してくれるという意味では、コーチは水先案内人とも言えます。しかしながら、ナビゲーターではなく、あくまでコーチであることを考えると、ガイドするだけなのか、道順も含めてクライアントが決めるということもあるのではないか、という点ではコーチの定義とずれてくるかもしれません。

 

コーチは指揮者?音符

演奏するのがクライアントであり、それをガイドする、引き出すという点では指揮者という言い換えもあるかもしれません。一方で、「指揮」には強く導くイメージも伴うので、クライアント主体の活動、あるいは協働作業とは異なるようにも思われます。また、自分という楽団の指揮はクライアント自身でとると考えると、コーチは指揮者とは異なるように感じます。

 

コーチは監督?野球

スポーツに目を向けてみます。監督です。どの競技であれ、監督というとマネジメントをする人、決定・判断する人に近い印象になってしまうため、これもコーチとは違うと言えそうです。そういえば野球でサッカーでも何でも、監督は監督なのに、コーチはコーチですね。日本語があてられていないという不思議。

 

コーチは師匠・師範?ニコニコ

と、色々と巡って一旦たどり着いたのがこの言葉。
師は「先生」、匠は「スペシャリスト」、範は「お手本」のことですので、いずれも、心・技・体の手ほどきを教えてくれ、時には直接語らない・教えないというやり方でも教え(背中を見せる、課題を出す、対話する)、自らも高い技能を持ち、人間的にもお手本となる人、という感じでしょうか。成長支援のために、知識・技能の伝授だけでなく、自身のあり方、クライアント(弟子)との関係性を持って教える、という点もなんとなく近しいように感じました。


現代では落語や歌舞伎など芸事の方で「師匠」を使うことが多く、武道や書道、華道など「道」の先生に対して「師範」(認定制度がある場合もあります)を使うことが多いようです。道=人間成長とするとまさにコーチは師範だなという感じがしますし、師匠は師匠で、もう少し距離感近く、楽しんでかかわってくれそうなのでこれも良いなと思います!

 

 

・・・私の場合は以上のように感じましたが、みなさんはいかがでしょうか。あとは、伴走者/伴奏者なんかも検討余地がありそうですね。特に、コーチを職業とされている方やコーチングを学ばれている方は、コーチの定義に対してしっくりくる日本語を探してみると、ありたい姿や自身の特徴などが見えてくるかもしれません。

 

 

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