ジョージアは現在、8割以上が東方正教会の信者だそうだ。カトリック、プロテスタントに並ぶキリスト教の三大宗派のひとつで、エキゾチックで神秘的なイコン(聖画像)が特徴的。
 
実際に信仰されているその土地で、教会を見てみたい。それがジョージアに行きたいと思った理由のひとつだ。
首都トビリシの旧市街には、ジョージア正教会をはじめ、様々な宗派の教会がある。
 
 

シオニ大聖堂
 
かつてジョージア正教の総本山だった、シオニ大聖堂。
旧市街の喧騒のまっただ中にあり、外ではウェディングフォトを撮ってる人がいたり、わいわいと実に賑やか。
 
中に入るには女性はスカーフで髪を覆う必要があり、持ってなくても入り口に置いてあるスカーフを借りられる。
 

シオニ大聖堂の中
 
内部は意外にも静か。観光客は多いが、真剣に祈りを捧げる人も多くて、外とはうって変わって敬虔な雰囲気だ。
 
修繕したのか、新しいのか、内部のフレスコ画は色鮮やか。西ヨーロッパの教会の美しさとはまた違う美しさ。建築や美術について知識があれば、どこがどう違うと言葉にできるのだろうが……
 
少し歩くと、別の教会。
こちらはアルメニア正教の聖ゲオルギ大聖堂のようだ。
 

 

古い建物がぎっしりと密集したなかにある。外側は装飾の少ないシンプルな作りの教会が多い気がする。

 

 

 

聖人らしき絵がびっしりと描かれた、聖ゲオルギ大聖堂。さほど大きくなく、人も少なくてとても静か。観光地というより、日常的な信仰の場といった様子だった。

 

色づかいはジョージア正教会のシオニ大聖堂に似てる気がするが、あちらほど金色が多くない。アルメニア正教とジョージア正教とでは、組織の違い以外になにか違いがあるのだろうか。

しばらく歩くと、また教会があった。敷地の入り口が屋台や土産物屋でほとんど塞がれている。

 

 

 

こちらはジョージア正教会のトビリシ・クロス・ファーザー教会、と思われる。

建物に近づくと、歌のような祈りのような美しい声が聞こえてきた。思わず座って聴き入っていると、気づけば儀式のようなものが始まっていた。いるのはみんな、信者ばかりのようだ。

 

失礼かと思って立ち去ろうとすると、厳しい顔立ちの信者の女性がジェスチャーで「いいからあんたも立って祈りなさい」と言う(たぶん)。ありがたくその場に残った。

 

やがて聖職者が、金色の小さな器をふりふりしながら信者の間を歩き出した。とてもいい香りがした。

清らかで美しい時間だった。

 

まだまだ続きそうだったので、さっきの女性に黙礼して教会を後にした。女性は、笑顔と捉えられなくもない表情でうなづいた。

 
 

 

 

いくつもの教会が並ぶ旧市街の一角。とっても賑やか。

 

旧市街からクラ川を渡った向こうに、大きなメテヒ教会が見える。
 
崖の上に立つメテヒ教会
 
古い教会で、かつては監獄や劇場として使われた時代もあるそう。
旧市街にはほかにも教会がいくつもあり、シナゴーグもある。もっと巡りたかったが、体がしんどくなってきたので、休憩がてら食事にする。
 
 この日は、旧市街の裏道の静かな場所にあるこちらのお店へ。店構えがずっと気になっていたのだ。
 
 
 
なんども店の前を通っていて、いつも人でいっぱいで気になっていたお店。
(2階の壁からたくさんのジョージアの国旗ともに、右端にウクライナの国旗がわかるだろうか。ジョージアではウクライナの国旗をよく見かけた)
 
 
ついに初ヒンカリ! ジョージアの国民食で、ジョージアといえばコレです。
小籠包に似た見た目のとおり、具材も似ていて、最初に少しかじって中の汁をすするのも同じ。ただし具はパクチーとスパイスが効いてて、そのまま食べられる。ジューシーでとっても美味しい。皮も厚くて大きくて、これだけでお腹いっぱい。
家庭的な雰囲気で感じも良く、とてもよかった。おススメです。