帰国前日は風邪気味。こんなときは、いたって普通の味が恋しくなる。
ということで、ルスタヴェリ駅近くの、見晴らしのいいテラス席のあるこちらのカフェへ。こういう、いろんなものがちょっとずつ食べられるプレートが嬉しい。28.99ラリ(クレカの請求1,626円)。気温が高く、日陰のできる席は埋まっていて暑かった…。
がっつり食べて元気が出たので、少しだけ遠出して、古都ムツヘタに行くことに。
ムツヘタは紀元前3世紀から後5世紀にかけて栄えたイベリア王国の首都で、歴史的建造物群は世界遺産に登録されている。
まず地下鉄でディドゥベ駅へ。駅前には露店がずらっと並び、とても活気がある。その向こうに、一見カオスなバスターミナル。
なんとかムツヘタ行のミニバスを見つけ、近くのチケット売り場で2ラリ(約110円)払い、乗り込む。おそらく満席になったら発車するタイプだと思う。
駅を離れるといかにも旧ソ連らしい建築物が並び、なんとも魅惑的。バスを降りて写真を撮りまくりたい衝動にかられた。
町はすぐ消え、山が広がり、また町が現れる。30分ほどで目的地に到着した。
バスを降りるとすぐに参道で、小さなおみやげ物屋やレストランが並ぶ。平日とはいえ、首都からこんなに近いのに、閑散としている。
短い参道を抜けると、城壁に囲まれた世界遺産、スヴェティツホヴェリ大聖堂だ。
スヴェティツホヴェリ大聖堂には、かつてジョージア正教の総主教座が置かれていた。元は木造だったのを、11世紀に石造りに再建されたそうだ。
この灰がかった白い石と、かすれた色合いのイコンが、自然の厳しいコーカサスの教会、という感じがする。
観光客は多いが、熱心に祈る姿も多い。
教会を囲む城壁。とても静かなところ。
教会には観光客がいるが、歩いてる人はあまり見かけない。ほとんどが観光バスでのツアーのよう。日本語も聞こえてきた。
大聖堂から10分ほど歩くと、サムタヴロ修道院がある。いまも実際に女性修道院として使われているそうだ。
聖堂はさほど大きくなく、古い古いフレスコ画がうっすら残っている。尼僧と、女性信者の祈る姿があった。撮影禁止だったのか、写真が残ってない。撮る雰囲気でもなかった。
サムタヴロ修道院
ムツヘタにはほかにも、ジュワリ修道院をはじめ見ごたえのある古い教会があるようだ。
距離もあるのでタクシーで行こうかとも思っていたが、体がだいぶしんどくなってきた。トビリシに戻ることにする。
バス停はすぐに見つかった。電光掲示板に英語併記でバスの番号と行先、バス停に到着するまでの時間が表示されていて、非常に安心。
(バス停。電光掲示板の表示が全然写ってないけど、ちゃんと英語で行先と待ち時間がわかる)
路線バスがくるかと思ったら、その前にミニバスが来た。混んでいたが、なんとか座れた。運賃は行きと同じ2ラリで、みんな自分の都合のいいときに運転手に払っていた。
終点まで行ったら、また地下鉄に乗る。
混雑した改札でメトロカード(SUICAのようなもの)をかざすと、チャージ切れで通れなかった。いったん列を離れようとしたら、すぐ後ろの若い女性が自分のカードをピッとかざして、「いいから行って(にこっ)」。えっ、払ってくれたの?! 驚きながらお礼を言いつつ、ひどい混雑なのでとりあえずホームへ。押されるように電車に乗ってしまってから、あ、彼女に1ラリ渡せばよかったんだ、と気づく。当たり前のように払わせちゃって、なんて図々しい。ありがたさと恥ずかしさの混じった思い出。
届かないけど、ありがとうございました。
かなり疲れたので、夕飯はホテル近くのサンドイッチをテイクアウト。それが失敗、大変なことになってしまった。それは次の記事で。