スタジオジブリの映画「もののけ姫」を、初めて観ました。今度のライブで主題歌を歌うことにしたので、参考のためです。
米良美一さんの歌を聴くだけでも世界観や思いは鮮やかに浮かんできますが、深く理解するなら、やっぱり映画でしょう。

公開は1997年、もう27年前なんですね。
ジブリ映画は、アマゾンビデオやネットフリックスでは配信していないので、図書館でDVDを借りました。ありがたや。



一応説明を入れておくと、本作品は「室町時代の日本を舞台に、荒ぶる神々と人間との争いを描いた大作アニメーション」。

自然界と人間界の争いを描きながら、利害関係にある他者との共生、共存を考えさせる内容です。
現実に目を転じれば、環境破壊や、ロシアとウクライナ、イスラエルとパレスチナ、がすぐに思い浮かび、次いで、もっと身近な利害対立の数々が頭をよぎる。

現実世界にも、主人公の少年「アシタカ」のように必死の調停をしてくれてる人たちは、存在しているはず。映画のようにわかりやすい成功を収めることが、なかなか難しいだけで。あるいは、成功を収めていても、対立するどちらの側も大きな妥協や諦めを受け入れる必要があって、映画のように素直に停戦や共存を喜べないだけかもしれません。

さて、米良美一さんのインタビュー記事を見つけました。

彼は最初、「もっと朗々と歌った」のだが、宮崎駿監督は、「これはアシタカの(森に暮らす少女)サンに対する心の声だ」と言い、それはNGだった。
OKが出たのは、「見守る温かみとか、秘めたるものが出たんじゃないかな」ということです。

たしかに、「わたしの美声を聞け~」という歌い方はイメージと合いませんね。

アシタカは、映画ではどこにも欠点のないパーフェクトな人物描写。その人物像は現実味がないのだけど、米良さんのいう、「見守る温かみとか、秘めたるもの」が出せたらなと思います。