声楽レッスンの日。
音域低めの曲の方が歌いやすいだろう、少なくとも失敗リスクが低いんじゃないか、と思っていましたが、そういう問題ではないことがわかりました。
いま習ってる歌曲は全体に音程が低めで、メゾソプラノ向きと言っていいのだろうか。一番低い音が下のラの#で、これは低すぎて出ません。
ただこの曲はそこ以外の音もどうも歌えてないらしい。「らしい」というのは、感覚的になにがダメなのか、自分ではわかりにくいのだ。高音だと、外してるなとか、裏返ってるなとか、わかりやすいのだけど。
この曲に限らず、先生にはよく、「高い音はちゃんと出てるけど、その前/後の低い音がダメ」と注意される。
音程を外すというより(よく外すが)響きが悪いと言ったらいいだろうか。要は正しい発声法で歌えてないという指摘です。
さらに、この曲の一番高い音はファの#で、ソプラノにとってはそこまで高くはないのだが、どうにもこの音がきちんと出ません。
オペラのアリアで超高音を外しまくっても匙を投げない先生が、この曲は変えた方がいいかもねーと言う。
でも好きな曲なので、キーの高い楽譜がないか探したところ、1音だけ高くなった楽譜を発見した。
1音高いだけで違いがあるか半信半疑だったが、歌ってみたら全然違った。
低すぎて出せない音がないとか、そんな問題ではなく、全体にとても歌いやすいのだ。
たった1音で!
前の楽譜にあった音と同じ音が当然たくさん含まれているのに、今度はらくに出る。不思議なものです。
この楽譜だと、一番低い音はシの♭。これは問題なく出ました。
低いシまでは出て、ラになると出ないんだな。
一時はそう納得しました。
しかし待てよ。
シの♭(半音下げる)とラの#(半音上げる)って、同じ音じゃないのか???
なんでラ#は低すぎて出なかったのに、シ♭は出たのか???
それを言ったら、高音だって、ファの#は高すぎて出しにくかったのに、ソに上がったら出しやすくなったのはなぜか?
ひとつの音がどうこう、ではなく、曲全体がどうなってるかで、同じ音でもラクに出たり、全然出なかったりする。おもしろいものです。