プラハでぜひともしたかったこと、その2。
市民会館で、ミュシャの装飾による市長の間をこの目で見ること。
市民会館はアールヌーボー様式の壮麗な建物で、1918年、チェコスロバキア共和国の独立が宣言された歴史的にも重要な場所だ。
会館内は、公式のガイドツアー(英語)で見学できる。
まずは映画「のだめカンタービレ」のロケもされた、有名なスメタナホール。
会館は国の助成に頼らず、事業など市の努力で賄っているそう。そのため、ホールの最も良いボックスは市長用で、2番目が大統領用なんだとか。そういう矜持がまた、いい。

様々な部屋をとおり、クライマックスがミュシャが装飾した「市長の間」。
壁や天井は、スラブの団結をテーマに、スラブの人びとの営みや、苦難の歴史、明るい未来がミュシャによって描かれている。
ミュシャの筆には熱い思いがほとばしり、すごい迫力を感じた。
この仕事をミュシャは無償で引き受けたという。

独立を果たしたものの、次はナチスドイツが占領。ミュシャの絵は愛国心をあおるとして、逮捕、尋問され、それがもとで1939年、78歳でこの世を去る。
プラハの春、ソ連による軍事侵攻、ビロード革命、チェコとスロバキアへの分離と、激動のチェコはいま、どんな時代なのだろう。