思いがけず、趣味の声楽に関する投稿が多くなりました。このへんで、「声楽とわたし」を振り返ってみます。
30年前に数年習っていて、5年くらい前に再開して、この1年で急激にはまりました。
そもそも声楽って? 普通のボーカルとどう違うの? という疑問もあるかもしれません。
うまく説明できる気がしないので、ここではオペラなど大きな舞台でマイクなしで歌声を届けるクラシックの歌唱法、くらいに思ってください。(マイク、使うことありますけどね。。)
詳しく知りたい方はこちら、オペラ歌手・車田和寿さんの動画をご覧くださいませ。
(最初は違和感バリバリだった車田さんの語り口。今では師匠と呼んでいます。大事な話ばかりです)
声楽を始めたのは、20歳の頃(32年前)にさかのぼります。
当時わたしは、女優を夢見て小さな劇団に所属していました。
しかし、子どもの頃からとにかく声が小さくて、劇団でも「ぜんぜん聞こえない。演技以前の問題だ」と言われてしまう。せっかく役をもらっても、セリフを必死で叫ぶしかない。愛の告白も、内緒話も。まったくオハナシニナラナイ。
当時、もうひとつ課題に思ってたことがありました。それは、芸がないこと。
まわりは日舞や殺陣、民謡、ジャズダンスにバレエ、あるいは楽器やスポーツなどなど、なにか強みを持っていました。
わたしは何もできない。わたしも人に披露できる芸を持ちたい。
そうだ! 声楽を習えば、大きな声と芸とがいっぺんに手に入る!!
もともとクラシック音楽が好きだったので、我ながらナイスアイデア。
そこで「ケイコとマナブ」(当時流行ったお稽古ごとの情報誌)で近所の教室を見つけて通い始めたのがいきさつです。
先生はイタリア・オペラの舞台に立ったこともある方で、個人レッスンを45分月2回。年に1~2回はホールを借りての発表会。
(懐かしい。これは発表会ではなく地元のお祭りで歌わせてもらったときのもの)
当初から才能の片りんを見せていた、なんてことは一切なく、後々先生から「体験レッスンで声を聴いたときは、実は断ろうかと思った」と告白されるくらいひどいキンキン声でした。わたしがやる気満々だったので断れなかったそうだ。おまけに楽譜もほとんど読めない。
それでも根気強く指導してくれたおかげで、ある時、大きな声が出るようになりました。突然にそのための回路が開いた、という感じ。あくまで過去の自分との比較に過ぎませんが。
先生はけっこうスパルタです。
今も鮮明によみがえる、ソプラノで踊るように叫ぶ「(声を)耳に入れるー!」「もっと出して! もっと!!」「全然ダメ―!!!」等々の美しい声。寝転ばされたりピアノを持ち上げさせられたり(上がりません)。
毎回酸欠で頭がまっしろになるほど。でも楽しくて、脳内ではすっかりオペラ歌手でした。
サボりサボり、途中数か月ブランクがあったりしながら、足掛け4年くらい習いました。
お芝居に無事生かされたのか? というと、その頃には飽きてやめてしまってました。
つぎは、それから20年後の歌との再会のことを書きます。きっかけは、やっぱりコーチング。