無謀にも、次のレッスン曲の2つ目に、ロシア語のアリアを選んでしまいました。
チャイコフスキーのオペラ『イオランタ』から、ヒロインのイオランタが歌うアリア、「なぜ、わたしは知らずにいたの?」(あまりポピュラーじゃないので、タイトルの定訳はなさそうです)。
何度か聴いているうちに、気づいたらとりこになっていました。ちょっと浮遊感のある、メルヘンチックな、どこか哀しみも漂う、可憐なアリアです。
(リトアニアのオペラ歌手、アスミク・グリゴリアンさんの「イオランタ」。役のイメージよりちょっとどっしりした声ですが、迫力があって好きです)
曲の説明は次回、たっぷり書きたいと思いますが、その前に歌の予習についての愚痴を。
ロシア語の歌詞が難しすぎるのです!!
3分弱と短いし、そもそもいつも知らない言語(イタリア語とかドイツ語とかラテン語とか)の曲を歌っているのだから、同じような方法でロシア語の歌詞も攻略できるんじゃないか、と思ったのですが甘かった。
無謀なチャレンジを始めることになった発端は、すごい楽譜を発見したことです。
日本ではポピュラーでないロシア語オペラの、そのなかでもマイナーな部類の劇のため、海外のサイトを検索しました。ロシア語だと困ります。キリル文字は読めません!
すると、外国人歌手のためのロシアオペラ・歌曲を学べるサイトがあり、そこに「イオランタ」の楽譜もありました。
有料でダウンロードできる楽譜には、ロシア語(キリル文字)の歌詞が振られているのはもちろん、そこに発音記号も振ってあって、さらに英語の翻訳(文章の翻訳と、単語ごとの翻訳の2種類)も入っています。
さらにさらに、ウェブサイトには音源もあり、ピアノ伴奏とロシア語の歌唱がうっすらと流れるなか、単語ごとに発音を読み上げてくれてるのです。
さらにさらにさらに、何人かの歌手の音源や、オペラ全編の動画まで列挙されています。
すごすぎる!
これならできちゃう!!
興奮しながら先生に楽譜を送り、OKが出たのではりきって予習を始めたわけです。
すると、まずもって発音記号が読めませんでした。
考えてみたら当たり前ですが、ロシア語の発音は日本語とも英語とも違いますので、発音記号も見たことないのが出てきます。なので、音源を聴きながら発音記号にさらにルビをふるハメになりました。
(これを見て、聴きながら、カタカナのルビを必死で振った。楽譜への書き込みが多すぎてどこを見て歌ったらいいか混乱します)
そこまでは先日2日くらいかけてやりました。ですが、日本語にない発音のうえに、ひとつの音節に母音だか子音だかが多く入ってるような感じで、聞き取りにくいし、表記もしづらい。
なので、もっと明確にすべく、今日はネットで単語ごとに読み方を調べて、音声も聴いて、さらに解読をしていきました。読み方も、センテンスになるとまた変わるので、それも調べる。
ロシア語(キリル文字)→発音記号→カタカナのルビ→単語の意味、の4段階ですよ。
キリル文字の中には英語のアルファベットと同じような表記の、全然違う読み方をする語もあるので、さらにややこしいです。
今日はたった6小節でへろへろになりました。
くり返し部分を省くと23小節なので、あと3日がんばればルビができる……。
(学生時代に語学をこんなに勉強した記憶はありません)
読み方だけわかればいいからと、近道をしてたつもりですが、もしかしたらロシア語入門講座なんかで基礎を学んだ方が、結局は早くて確かかもしれません。
歌う前段階での苦労がムダに大きいことをあえて選んでいる気がするのですが、どうなのでしょう……。
イタリア語なら声楽家のメジャー言語ですし、先生が歌ったことのある曲が多いので、いくらでも教えてもらえます。ある程度は自分でも調べますが、イタリア歌曲やオペラを歌うためのイタリア語を学ぶ本も結構あるので、勉強はやりやすいです。
しかし曲に惚れてる度合いと勉強に熱が入る度合いは比例するので、さほど惚れてなければ勉強もさほどしないだけです。しかたありませんね。それに、語学は苦手ですが、勉強すればするだけ成果もついてきてくれるので、結構やりがいがあります。がんばろう。
沸騰した頭のなかを吐き出せて、少しすっきりしました笑