これがわたしの世界よ! 人生よ! 宇宙よ! という叫びと歓喜が聴こえてきそうな、迫力の作品群。
1913年、熊本に生まれた塔本シスコさん。シスコという名は、養父がサンフランシスコへの憧れから付けたのだそう。
50代で独学で絵を描き初め、92歳で亡くなるまで、描いて描いて描きまくった。
描くことで、夫を突然の事故で亡くした喪失から立ち直った。娘に先立たれた深い深い悲しみも、絵で乗り越えた。
キャンバスにも段ボールにもガラス瓶にも布にも、しゃもじにまで描いた。
思い出を、楽しみを、喜びを、好きな人たちを、月を、猫を、花を、神様を、美輪明宏を、描いた。
人形やら埴輪みたいなものも作った。
(撮影OKでした。ほかの方の鑑賞を妨げないように。予約制なので空いてはいた)
これほどまで、やりたくてやりたくてたまらないこと、自分にあるかしら?
描きたければその辺にある何にだって何を使ったって描けるし、描く気がなければ道具がすべてそろっていても時間があっても描かない。いまやらないのは、ただやらないだけ。
わたしは生を満喫してるわよ。あなたはどうよ。
と、わたしの中のシスコさんがウィンクした。
■塔本シスコ展 シスコ・パラダイス
かかずにはいられない! 人生絵日記
世田谷美術館、11/7まで