ネガティブな精神状態にある方に、対話によってふたたび心に希望の灯りをともすのが、精神対話士だそうです。そのためのスキルを書いた本。どこまでも相手に寄り添い、聴き、受け入れ、心に留め続けること。
実践的なスキル以上に、精神世界の深さ、美しさに感動を覚えました。
対話で大切なのは、まず共感。そして、希望の種をまくこと。希望の火が消えかけている人と対話して、再び力強く灯してもらう。これが対話の最終目的です。
希望の火は他人が押し付けてもすぐに消える。だからその人自身が人の暖かさに触れ、自ら灯すしかない
コーチングでも、自分から出てきた答えでなければ、結局行動しません。コーチからの力強い承認によって勇気をもてれば、それだけで前に進む力になります。
@ innernature
日常でもついやりがちな「助言」に関して。
性急な助言は対等関係を壊す。助言は心が強い状態でないと聞けない。助言の前に不安をすべて聞ききること。相手には自分で気づく力がある。ただ相手の鏡になれ。
「キーワードを復唱する」、というのが難しい。
おうむ返しやフィードバックをした後で、ポイントずれてたな、と気が付くことも多い。もっともっと深く真剣に聴くこと、言葉から、声音から、表情から、回数から、読み取る。それを探り当てられれば、ほかは語らずとも理解されたと感じてもらえるはず。
そして、深い対話のために、精神対話士自身のセルフケアの大切さにも触れています。できれば身体を動かす方法で。気持ちをリフレッシュさせ、次の対話に備える。
対話というのは相手を助けるためでなく自分の心をより高い次元に導くための高度な精神活動にほかならない
何度も読み直して、こころに刻みたい本でした。