今朝は月1回のZOOM朗読会でした。主宰は音楽家にして朗読家、ボイストレーナーでもある吉田菊子さん。昨年末からときどき参加させてもらっています。

 

今回わたしが選んだのは、『パトリックと本を読む:絶望から立ち上がるための読書会』という作品の一部。台湾系アメリカ人の著者が、自身の体験をもとに綴ったものです。
クオはハーバード大学を卒業した後、2年間、アメリカでもっとも貧しいと言われる地域の学校で、ボランティア教師をします。パトリックはそのときの教え子の名。

 

 

学校を出たところで貧困を抜け出せる可能性もなく、親も教師も子どもの未来も教育もすっかり諦めている。子どもたちは読み書きもろくにできず、学校は荒れに荒れていました。叶わないのがこわいから、自分の本当の気持ちに気づきたくない、という子どもたちの心の声。試行錯誤と挫折をくり返しながら、やがて読書の力で子どもたちが目覚めていく様子は感動的です。
その希望を感じる場面を選んで読みました。

 

@ elsiezhong

 

参加者の方から、この場面の本質をとらえた深い感想をいただいて、とても驚きました。朗読したわたしはそこまで深く理解できてなかったのですが、聴く人はわたしを飛び越えて作品を感じることができる。そんな発見。

みなさんの発表も楽しみました。
自分のために歌ってくれているような甘い錯覚をおこすギターの弾き語り、
ふだんはほんわかと明るい雰囲気の女性の、憂いを帯びた歌声のセクシーさ、
ユーモラスな温かさのつまった自作のエッセイの朗読を楽しんだり、
朗読者の個性と作品の世界がなんともいい味を出しているなあと唸ったり……

よい週末の朝でした。次はなにを読もうかな。