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create部屋へようこそ。
小説を書きたいと思ったことから、
このブログは出来ました。
お時間よろしければ、読んでみてください。


こんにちは
小説を書きたいと思い、作りました。
呼んでくださると光栄です。
Amebaでブログを始めよう!
梅雨入りして、しばらくの事だ。
私は産声をあげた。
弱々しくも力強い生命の始まりを今迎えたのだ。
その時私は温もりに包まれていた。
よぼよぼでしわだらけの優しい手の中で。
その日から私は『あい』と呼ばれた。

私の目が開き、物心がついた頃には、隣に母は居なく、
他の者が立っていた。
彼は私とは違う、大きさも、体型も。
私は理解しがたい光景に体をこわばらせるばかりだ。
ここには、長い棒が等間隔に並べられている。
その狭い空間の中で、彼と私だけだ。
だが彼はその優しい瞳を私に向け続けて居る。
「おはようお嬢ちゃん。そんなに怖がらないで。」
彼は見た目からは似つかわしくない低く、されどどこか安堵させる声で語りかけてきた。
『あの…ここはどこなんですか…??』
今の私にはこの言葉1つ絞り出すことさえ困難なぐらい緊張していた。
なにせ、状況や、環境が理解出来ていない。
この者は誰なのか、ここはどこなのか、
私は何故、ここに居るのか。
「ここは犬舎さ。様々な犬を飼育しておく場所さ。そして、僕たちは今運動時間として、このサークルの中に居るんだよ。」
様々な思いを巡らせていると、彼が口を開いた。
『犬…舎…??』
『犬舎ってなんですか??サークルってなんですか??“犬”って、なんですか??』
混乱のあまり一気にまくしたてる私。
だが彼は、表情を変えず優しい微笑みで
私の問いに答えてくれた。
「良いかいお嬢ちゃん。犬舎ってゆーのは、犬を入れておく…言わば、僕たちのお家さ。サークルってゆーのは、ここ、犬舎より広いでしょ??ここでは好きなように遊びまわれるんだ。そして、“犬”と言うのは…」

「僕たちの種族の事さ」

種族…??私は思考を巡らせ問答していた。産まれたばかりの私にはあまりにも理解不能な事象ばかり。
私が長らく思考を巡らせていると、
大きな音と共に巨大な何かが私を持ち上げた。
混乱し、暴れる私。だが、一向に離れる気がしない。
なおも体をひねり、離れようとする私の背に、
懐かしい温もりが触れた。
「元気だねー。あいちゃんは。」
声がした。私には理解できない言葉が聞こえた。
だけど、その優しい声に、温もりに安心し、眠りに落ちた。