きっと自分一人だったら絶対に遭遇しなかった場面。
例えば、下の階から子供の足音がうるさいと苦情が来たり、エンターテイメント施設で子供の足が隣の人に当たっていて無言で押し返されたり。
お店で我慢できずに走り出してしまった子供を冷たい目で見る人。
エレベーターの中でおしゃべりする子供を睨みつけ、舌打ちし吐き捨てるように「しっ!」と言うおじさん。

毎日、育児や家事や仕事に追われ、ギリギリの緊張感の中で過ごしている中でそんな事が起きても、なんとかしなけば、と凛とした態度を取って、心を奮い立たせて謝りに行ったり、すみません、と声をかけたり、子供にお店では走らないよと声をかけたり。

心の奥底の「怖いよ」を無視して、頑張り続けてた。

私が悪いことをしたかな。私の育て方が悪いと思われちゃうかな。私の大事な子供にそんな風にされて悲しいな。そんな感情を感じないように見ないようにしていた。

そうしているうちに、感情のコントロールが利かなくなって、子供に大きな声で怒ってしまったり、旦那にひどく当たったり、一番身近な人に対してだけ顕著にそれが出てしまう。
そして、そんな自分を責める、それの繰り返しで本当に参ってしまった。

私は怖くて心細かった。はじめて体験する事ばかりなのに、うまく対処しなければ、私がきちんとしないと、と思って、頑張っていたのだ。

そうか。そういうことが重なって、私は情緒不安定になっていたのかもしれない。
誰しも大人になって怒られるなんて滅多にないし、気分のいいものじゃない。本当に怖くて寂しかった。そう思って当然だ。

そう、ママ達はみんな頑張っているのだ。
こんなにも頑張っているのに、冷たい態度を取られたり、私の大事な子供を否定されている様で、私自身を否定されている様で怖くて寂しくてたまらなかった。こんなに頑張っているのに、もっと頑張れというのか。責められているように感じて怖かった。

子供を生んでから涙腺が緩くなった。他のママ達もよく泣く。子供の成長を見てそれを話していて泣くこともあれば、子育ての些細な心配事を話しながらなぜか泣いてしまう。
たぶん、みんなも同じようにひとりで不安を感じたりしながら、張り詰めた中で頑張っているからなんじゃないかな、と思う。
だから、みんなと話をして、ああ、なんか私だけじゃない、と思えると安心する。

ママ達と、みんな自分も子供だったことを忘れてるよね、と言いながら、ほんの少しだけでいいから子供たちを、みんなが優しい目で見守ってくれたら嬉しいなあ、と思う。