「子どもの心をもっと理解したいのに、
うまく聞き出せない……」
そんな葛藤を抱えていませんか?
子どもが「大丈夫」「別に……」と
そっけない態度を取るたびに、
「本音を知りたいのに、
どうすればいいんだろう」
と悩んでしまうことも
あるかもしれません。
でも、実は子どもは子どもなりに、
いろいろな想いを感じながら
日々を過ごしているんですよね。
ときには戸惑いや不安を
隠していることだって、
珍しくありません。
今回の記事では、
子どもの心を穏やかに解きほぐしながら、
本音を自然に引き出す
「傾聴」のポイントをやさしくご紹介します。
もしあなたが
「もっと子どもと深くつながりたい」
「子どもの本当の気持ちを感じたい」
と望んでいるのなら、
ぜひ読み進めてみてくださいね。
1. 何が問題となるのか?
私たち大人が一生懸命に
子どもを思いやっていても、
ときに子どもはなかなか
心を開いてくれないことがあります。
たとえば、学校から帰ってきても
無言で部屋にこもってしまう。
話しかけても「うるさい」「何でもない」
とそっけない……。
こんな様子を見ると、
愛情が空回りしているような気持ちに
なりますよね。
特に思春期や幼少期からの
繊細な時期には、
子どもがうまく言葉にできない
複雑な気持ちを抱えていることも
多いのです。
その気持ちをこちらが
「分かってあげたい」と思っても、
子ども側からすれば
「言うほどでもないし、
言ったら怒られそうだし……」
と悩んでしまうもの。
結局、お互い言葉が不足したままで
すれ違い、モヤモヤがたまってしまう――。
そんな経験、ありませんか?
実はここにこそ「傾聴」のヒントがあります。
子どもたちが
「本当に分かってもらえてるかも」
と感じるとき、警戒心がほぐれて
言葉が自然にこぼれるようになるのです。
2. 問題解決のための鍵
子どもの心を傾聴するとき、
一番の鍵となるのは
「子ども自身が安心できる環境」
を整えることです。
大人が必死になって
「早く話してほしい」
と急かすほど、子どもは
「なんで、はなさなきゃいけないの?」
「自分でも自分がわからないのに・・・」
と心を閉ざしがちになります。
でも、「無理に聞かなくても、
いつでも話せるよ」
という姿勢が伝わると、子どもは
「必要なときに安心して話していいんだ」
と感じてくれるんですね。
また、心理学では、
子ども(あるいは相手)の言葉に
「あいづち」や「うなずき」「繰り返し」
が加わるだけで、
ぐっと安心感が生まれることが
分かっています。
これはオキシトシン(愛情ホルモン)の
分泌とも関連していて、
「この人のそばにいると、
なんだかほっとする」
という気持ちを育ててくれるからです。
大切なのは、子どもの心を否定せず、
背中をそっと支えるつもりで
耳を傾けること。
そうすることで、子どもは
「自分の気持ちをありのまま
受け入れてもらえる場所なんだ」
と理解し始め、少しずつ言葉を
紡ぎ出してくれます。
これを試してみて まずは
子どもの心に寄り添うための具体的な
ステップを考えてみましょう。
といっても小難しい方法ではありません。
日常でちょっと意識してみるだけで、
子どもの表情は変わっていきます。
たとえば、子どもがリビングに
入ってきたら、
すぐに質問攻めをするのではなく、
一拍おいて「おかえり」と笑顔で
迎えるところから始めてみます。
何かを話し始めるまで無理に急かさず、
「へぇ、そうだったんだ」と、
子どもの言葉をただそのまま
受け止めてみるのです。
もう少し言葉を聞いてあげたいなと
思ったら、
「それで、どう思ったの?」
と投げかけるだけで十分。
子どもがポロッと話せるようなら
「うん、そうだったんだね」と、
たったひと言でも子どもの気持ちを
受け取る姿勢を示します。
会話が続かず沈黙になっても、
あわてて埋めようとしないでください。
ちょっと目を離して
「わたし、ここにいるからね」
と安心させる雰囲気で待ち続けると、
子どもは意外なタイミングで
さらっと本音を話し出すことがあります。
声のトーンはできるだけ
やさしく保ちながら、
自分自身も落ち着いて、
子どもが「ここなら安心」と思える空気を
作りましょう。
【ここがポイント 】
子どもにとって大人は
「先に答えを出してくる存在」だと
思われがちです。
だからこそ、一番のポイントは
子どもを「一人の人間」として
尊重すること。
意見を押し付けたり、批判せずに、
まずは「あなたの話を聞きたいんだよ」
と体全体で表現してあげるんです。
さらに大切なのが、
「話を聞かない日」があってもいい、
というゆるやかなスタンスを持つことです。
イライラしたまま無理に聞こうとすると、
子どもも余計に口を閉じてしまいます。
そんなときは
「自分だって疲れているんだから」
と、まず大人自身が休む。
疲れが取れたら改めて
「そういえば、この前のこと、
ちょっと聞かせてくれる?」
と声をかけるくらいで
ちょうどよかったりします。
子どもは大人の一挙手一投足を
敏感に感じ取っています。
大人が落ち着いて構えていると、
子どもの方も
「この人なら話してもいいかな」
と心を開いてくれるものですよ。
ご質問と回答
いつもいただく受講生からの質問、
相談者からの質問に答えておきますね。
Q1:子どもが親を避けている感じがして、
なかなか話しかけるチャンスがありません…
もし親子の間にちょっとした距離感が
あるなら、
「まず顔を合わせる時間や場所」
を意識してみましょう。
食卓に一緒に座るだけでもいいし、
「ちょっと夜ご飯のお買い物、
一緒に行かない?」
と軽く誘ってみるのもアリです。
親子で並んで何かをしているうちに、
ふっと口を開いてくれる瞬間が
訪れることがありますよ。
Q2:真面目な話題を切り出すと、
嫌がって逃げられます…
子どもにとって、あれこれ説教めいた
ムードになるのは負担です。
最初は雑談から入ってみるのが
おすすめ。
学校の先生や友だちの話、
ちょっとしたテレビのネタなどでも
いいんです。
すると、その“続き”として
子どもの真面目な本音が
出てくることがあります。
まずはラフにスタートしてみてくださいね。
Q3:部屋にこもってスマホをいじっている
ばかりで、こちらが嫌になってきます…
無理にやめさせるのではなく、
「今、ゲーム楽しんでるんだね。
どんなところが面白いの?」
と、ゲームの世界を受け止めてみるのも
一案です。
それだけで「話していいんだ」と、
子ども側の心が柔らかく
なりやすいんですよ。
興味の対象を否定せず、
そこに寄り添う姿勢があると、
自然に心のドアが開くことが
増えていきます。
子どもと向き合うことは、
ときに大人にもいろんな感情を
運んできます。
焦ったり、イライラしたり、
「どうして分かってくれないの」
と落ち込む瞬間もあるかもしれません。
だけど、だからこそ「傾聴」を少し
意識してあげるだけで、
子どもとの関係は驚くほど
柔らかく変わります。
子どもは
「ありのままを受け止めてもらいたい」
「愛されていると感じたい」
と強く願っているんです。
大人がゆったりと深呼吸をして、
「大丈夫だよ、あなたのペースで
話していいよ」と
言葉と態度で示してあげられると、
子どもは心の奥にしまいこんでいた本音を
そっと打ち明けてくれることがあります。
少しずつでも構いません。
今日からぜひ
「子どもの心を傾聴する」姿勢を
持ってみてくださいね。
あなたのやさしさや想いは、
きっと子どもの胸にじんわりと
伝わっていきます。
たとえ小さな一歩でも、
その積み重ねが親子の信頼関係を
温かく深める力になると信じています。
ぜひ一緒に、
子どもの心に寄り添いながら、
安心して話してもらえる場を
育んでいきましょう。
あなたとお子さんの関係が、
一層穏やかで満たされたものに
なりますように。
応援しています。
神戸より愛を込めて。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
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