「また怒ってしまった……」

“怒り”に振り回され
あとから自己嫌悪に陥ることはありませんか?  

特にお仕事や家事育児
人間関係などで忙しさが増す30代以上の女性にとって
「怒り」はしばしば湧き起こる感情ですよね。

周囲とのコミュニケーションをスムーズにしたいのに
なぜか些細なことにイライラしてしまう。

怒りの感情がコントロールできずに
パートナーや子ども
同僚へ強い口調で当たってしまい後で落ち込む
――そんなパターンを繰り返している方は多いのではないでしょうか。  



しかし、「怒っている”わたし”」を自分で責めたり
なかったことのように見ないふりをするだけでは
根本的な解決にはつながりません。

実は、怒りは人間が大切なものを守るために湧く自然な感情です。
この感情と上手に付き合いながら
コミュニケーションの質を高めるコツを知ることができれば
きっと毎日の人間関係が大きく変わっていきますよ!

今回は、「怒るわたし」をコントロールして
思いやりのあるコミュニケーションへと導く方法をお伝えします。
一緒に、怒りの奥にある「本当の気持ち」を見つけてみましょう。




「怒り」は、私たちの心とカラダにとって非常に強いエネルギーを持った感情です。
怒り自体が“悪い”わけではありませんが、次のような状況に陥りやすいのが問題です。


・イライラをぶつけてしまう
  些細なことで大声を出してしまう
嫌味な言い方をしてしまう……。
相手だけでなく自分自身も
ストレスを受けて消耗してしまいますね。


・その場は我慢するものの、心の中でずっと怒りが渦巻いている
  「あのとき言いすぎたかも」
「冷たい態度をとってしまったかも」と後悔したり
逆に「なんであの人はわかってくれないの?」と怒りが収まらないまま抱え込んだりする。


・周囲とのコミュニケーションにヒビが入る
  怒りの勢いのままきつい言葉を相手にぶつけると、信頼関係が傷つくこともあります。
表面はなごやかでも、心の奥にわだかまりが残るなどの問題が起きがちです。


こうした「怒り」の扱いに悩むとき
多くの人は「もっと冷静に我慢すべき」
「怒らない方法をマスターしたい」と考えがち。
でも実は、怒りを“抑え込むこと”ばかりが答えではありません。
むしろ怒りの奥にある“本当の気持ち”を理解し
自分自身が疲弊しすぎずに相手とも対等に向き合う
――そんなコミュニケーションこそが、心を癒し、良好な人間関係を築くカギとなるのです。





怒りをコントロールする第一歩は
「怒っちゃダメ!」と無理に否定したり責めたりするのではなく
怒りを抱えた自分自身をまず受け止めてあげることです。

心理学的には、“怒り”の手前には「傷つき」「不安」「悲しみ」「寂しさ」など
別の感情が隠れていることが多いといわれます。
たとえば、人からの心ない一言で傷ついたとき
本来なら「悲しい」「寂しい」と思うところが
表面には「怒り」として出やすいのです。

そこで大切なのは
怒りという強いエネルギーをそのまま発散するのではなく
「自分は本当は何を感じているの?」と問いかけ、丁寧にコミュニケーションをすること。
ここからは、女性が多いご家庭や職場で実践しやすい
怒りをコントロールするコツをお伝えしますね^^



1. 今の自分を認める(怒ってしまうことを否定しない)
   「私、すぐ怒ってしまってダメだな……」と責めるのをいったんストップ。
怒りも含めた“今の自分”をまず受け入れることが大切です。
声に出して、「怒ってる私もOK」と言ってあげると、不思議と少しホッとします。


2. 怒りを感じた背景を見つめる
   いったん深呼吸して、「あれ?なんで私はこんなに怒ってるんだっけ?」と自分に聞いてみます。
思い返すと「悲しかった」「わかってほしかった」など、別の感情が浮かぶことがあります。


3. 相手に伝えたい本当の気持ちを探す
   怒りの奥には、「寂しかった」「もっと認めてほしかった」など
あなたが本当に伝えたい気持ちが隠れています。
それが見えたら、まずは言葉にする準備をしましょう。


4. やさしい言葉で、I(アイ)メッセージを使う
   怒りに任せた言い方ではなく、「私はこう感じたんだ」「私にとってはこう思えて、ちょっと傷ついちゃったの」など、自分の感情を主体にして伝えてみます。
相手を責めるよりも、「自分はこんな気持ちなんだ」という伝え方をすると、攻撃的に聞こえにくくなります。


5. 最終的には“歩み寄り”の気持ちで終わる
   「互いにどうすれば今後うまくいきそうか」一緒に考えてみます。
怒りに飲まれると「どちらが正しいか」「どっちが悪いか」に意識が向きがち。
でもそこを超えて、「今後、どうしたらお互いが笑顔でいられるだろう?」と建設的に考えるのです。


ここで、傾聴の学校でよく出てくる質問をシェアしますね。
最初は自分の感情に戸惑うこともおおいかもしれませんが、
徐々に自分の怒りはコントロールできるようになります。
それが人間というものです。
それでは見ていきましょう。


Q1. 怒りが爆発している最中に、どう落ち着けばいいの?

A1.まずは深呼吸をして言葉を飲み込むことがおすすめです。
1回では足りないときは、ゆっくり鼻から3秒、口から3秒かけて息を吐き出す
――これを数回繰り返します。
「今の私はすごく怒ってるんだ」と自覚しながら、身体をゆるめてあげると、気持ちも徐々に落ち着いていきます。


Q2. “怒り”を我慢するとストレスで疲れます。どうすればいい?

A2.我慢だけが正解ではありません。
大事なのは、自分の感情を自覚して、それを上手に表現する術を見つけること。
「言わない」と「自分に正直に伝える」はまったく違います。
ノートに書く・誰かに相談するなど、“解放”の場所を作りましょう。


Q3. 家族に対して特にイライラしやすいです。

A3. 家族ほど甘えが出やすく、近い存在だからこそ遠慮なく怒りをぶつけてしまいますよね。
まずは「大切だからこそ、この怒りが湧いているんだ」と受け止めてみてください。
相手が愛おしいからこそ抱く怒り、という視点を得られるだけで、伝え方が柔らかくなることがあります。




最後に
怒りは決して悪者ではなく、“自分の大切にしているもの”を守りたいからこそ生まれる感情です。
とはいえ、そのまま勢いに任せて発散すると、相手や自分自身を傷つける場合があります。  

だからこそ、「あ、私、怒ってるんだな」と気づいたときには、怒りの陰に隠れた自分の本音を確かめてみましょう。
「寂しい」「不安だった」「わかってほしかった」――そういった気持ちを、自分が優しく受けとめるだけで、驚くほど心が落ち着くことがあります。
そしていざ相手に伝えるときは、“自分が感じていること”を主体に話すのがポイント。  

あなたの内にある「怒っている”わたし”」が、コミュニケーションのきっかけとなり、人間関係をより深める原動力になりますように。
いつでも、「怒ったままの私も、少し落ち着いた私も全部OK!」と受け止めていくことで、きっと自然と穏やかでやさしい空気が生まれていきますよ。
あなたの心がホッとやすらぎ、笑顔の多い毎日になりますように。  
愛を込めて。神戸より。