経験してみることで、
初めてよくわかったと思うことも多いです。
1度経験したことであれば、
少し話を聞いただけでも
想像できることでしょう。
では、いろいろな悩みをきくカウンセラーは
いろいろな経験が必要なのでしょうか?
1.経験が傾聴を邪魔する時
いろいろな経験があれば、
相談者から話を聞いた時に
想像しやすいです。
ですが、知っているために
傾聴の邪魔になることもあります。
相談者の話を聞きながら、
自分の経験と照らし合わせて
しまうのです。
例えば、
「上司に認めてもらえずに悩んでいる」
という話を聞いた場合。
かつて上司に認めてもらえずに
悩んだ経験があり、
克服していたとしたら
話を聞いた時に過去の記憶が
蘇ってくることでしょう。
・自分の頑張りを他の人に伝えてもらい、
わかってもらえた
・自分自身のことを知り、
自分を認められるようになったら、
他人の評価が気にならなくなった
など、悩みを克服するために
努力した内容も思い出します。
そうなると、
アドバイスしたくなるのが
人情です。
目の前の相手のために
教えてあげたい。
そう思ったら、傾聴の態度が
崩れてしまいます。
自分が経験して知っていることは、
自分の価値観を通して見た内容です。
価値観が違うと、感じ方も
受け取る内容も変わります。
自分はその方法で
悩みを克服できたとしても、
相手にその方法が有効かは
わかりません。
経験が傾聴を邪魔してしまうことも
あります。
2.経験したことがないことを聞く時
「上司に認めてもらえない」
そのような悩みを経験したことが
ない人もいます。
でも、話を聞けば想像できます。
想像できるように詳細を
話していただきます。
・どのような時に認めてもらえないと
思うのですか?
・認めてもらえないと思う時は、
どのような感情なのですか?
など、相談者と同じ光景が見えるまで質問して、
イメージしていきます。
悩みの事柄だけではなく、
感情もきくことで、
カウンセラー自身の反応ではなく、
相談者の反応を知ることができます。
3.普段から想像力をきたえるために
私たちが実際に経験できることは
限られています。
カウンセリングで
全然知らない話をきいて、
強く心がゆさぶられることもあります。
例えば私の場合、
カウンセラーになったばかりの頃、
相談者の姉が自殺したという
話をききました。
「連絡が取れないと思い心配して
姉の部屋に行ったら、
血の海の中に姉が倒れていたのです」
この話を聞いた時、
私はとても動揺したのです。
胸が締め付けられるような気がして
恐怖を感じたのです。
この反応は、
相談者感情ではなく私の反応です。
自分の経験していない話をきいて
動揺してしまうと、
傾聴の態度が崩れます。
自分の感情に押しつぶされないために
・普段から、他人の感情に興味を持つ
・いろいろな価値観があることを学ぶ
・想像力をきたえる
このようなことを心がけています。
そのために、
普段から人に会い、話をききます。
小説を読んだり、
映画を見ることでも
他人の価値観に触れられます。
「このように感じる人もいるんだ」
という発見が学びになり、
想像力が鍛えられます。
他人の価値観を知り、
自分の価値観を知り
想像力を鍛えることで、
カウンセリングで
自分が経験したことがない話を
聞いた時も、
動揺せず傾聴の態度で
聞けることでしょう。
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ありがとうございました。
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