カウンセリングにいらっしゃる相談者が
いつも順調に悩みを話してくれるとは
限りません。
「不満そうに文句を言ってくる方のお話を
どのように聞いたらいいのですか?」
という質問が受講生からありました。
1. 文句を言う人の心理
2500人以上の方へカウンセリングをした
経験を振り返ってみると、
何人かの方は、なかなか悩みの内容に
たどりつかなかったことを思い出します。
たとえば
・ずっと怒っていた男性
・ずっと泣いていた女性
・最初から不満そうだった女性
等々。
どのような状態の方がきても、
相手のお話を愛の態度で傾聴するというのは
変わりません。
文句を言っている人は、
その言葉がすべてではないのです。
怒りであれば、怒りの裏に、
そのような態度になってしまう理由があります。
怒鳴られたり、不満そうな態度を取られたら、
カウンセラーの心も折れそうに
なってしまうのは事実です。
ですが、カウンセラーの心は一旦脇において、
傾聴していきます。
何がその怒りや悲しみを
引き起こしているのだろうか、
そう思いながら傾聴していきます。
2. ずっと不満そうだった女性の場合
ある方は、最初からずっと不満そうでした。
第一声が「こんな若い人だなんて」
当時私は、30代半ば。
若いといえば若かったかもしれません。
何も話したくありません、
という感じだったので、
「今日のカウンセリングは、やめましょうか」
とカウンセリングの中止を提案しました。
そのまま、お茶を飲みながら
お話をうかがっていました。
家族も周りの人たちも、
自分のことをわかってくれない。
そんな不平や不満を話し、
ずっと怒っていました。
3. 傾聴を続けた結果
私に対する不満も、他の人たちに対する不満も
すべて傾聴していったのです。
55分ほどたち、あと5分で終わりだなというところで、
変化が起きました。
それまで、語気が荒く、大声でまくしたてるような
話し方だったのが急に変わりました。
小さな声で
「実は、私の息子のことなのですが・・・」
受験に失敗し、引きこもりになってしまった
息子さんの話をされました。
今まで誰にも言えなかった
悩みだったのでしょう。
少し涙ぐんでいました。
怒りの感情の裏には、
幼い頃に親に受け入れてもらえなかった。
ほしい形の愛がもらえなかった。
そんな愛の渇望があるかもしれません。
傾聴を続けることで、
心の扉が開いていきます。
相手の怒りに影響されて、
怒りを返すのではなく、
親のような温かい心で見守る。
それがカウンセラーなのです。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
神戸正博公式LINE、始動
神戸を応援してくださっている方
に向けて運用している
ちょっと秘密でプレミアムなLINEです。
神戸の新プロジェクトや、
それにまつわる進捗の共有
神戸の研究の最前線情報なんかも
発信していきます。