どうしても、子どもをしかってしまいます。
そして、何度もたたいてしまうのです。
ある日息子が、たたかれたほっぺたを
腫らしながら
「ママ、ぼく大丈夫だよ」と微笑んで
言ってくれました。
なんとかしなくてはいけない。
そう思ってカウンセリングに来ました。
そのようなご相談がありました。
1. お悩みの内容は?
息子が
・遊んだままで後片付けをしない
・食べているときに何かをこぼした
・何かをしているときに壁や床を
よごしてしまった
このような時、ついつい厳しくどなり、
手が出て、たたいてしまうのです。
息子は口答えをすることもなく、
たたき返すこともなく
泣きながらだまってたたかれています。
先日は、はっと気がついたら、
息子の顔が少しはれていて、唇が切れていました。
でも、笑みをうかべて「ぼく大丈夫だよ」
というのです。
怒りの感情がわくと、おさえられません。
いつもたたいてから、またやってしまったと
自己嫌悪に陥ります。
でも、毎回同じことの繰り返しなのです。
とのこと。
2. いろいろな角度からみてみる
カウンセリングは、悩みを1方向からみるのではなく
いろいろな角度から見ていきます。
・ご主人に対してはどのような態度なのか
・他に一緒に住んでいる人がいれば、その人に
対してはどうなのか
・子どもの友だちに対してはどのような
態度なのか
など、周りの状況についても聞いていきます。
そして、幼い頃についても聞いていきます。
・お母さんはどのような人だったのか
・お父さんはどのような人だったのか
・兄弟姉妹がいる場合、その人たちとの
関係はどうだったのか
などをきいていきます。
息子のことはたたいてしまうけれども、
息子の友だちには優しく接している。
ご主人には文句をまったく言えない。
そんな一面がありました。
お母さんは、しつけが厳しく
いつもたたかれていたとのこと。
お母さんは、お父さんに絶対服従で
何を言われても従っていたのだそうです。
過去・現在にわたり、いろいろなことを
話していただきました。
3. なぜ思っていることと違う行動になってしまうのか?
いろいろなことを話していただいたら、
その中の共通項を、相談者と一緒に
さがしていきます。
お母さんがしつけに厳しく、いつも怒られて
たたかれていたとのこと。
子どもにとって、親は絶対的な存在です。
どなられても、たたかれても、
幼い子どもにとってはそれが正しいのです。
無意識に刻まれていきます。
大人になって、子どもをたたいてはいけない
と思うようになっても、無意識は変わりません。
ちゃんと子育てをしようと思った時に
無意識では、子どもをたたいて教育することが
正しいと刻まれています。
顕在意識では、子どもをたたいてはいけないと
思っています。
気をつけている時は、顕在意識にしたがって
行動できるのですが、
あまり考えずに、いつもと同じことを
しているときは、無意識の中の正しさで
行動します。
つまり、子どもをたたいてしまうのです。
そして、はっと気づいて、ダメだと思う。
無意識と顕在意識とのギャップが
悩みになります。
何度かカウンセリングをしていく中で、
このギャップに気づかれたようでした。
子どもをたたくのか、言葉だけで教えるのか。
気づいたら選択できます。
これが悩みの根幹だと気づいたとき、
悩みではなくなります。
自分がやりたいと思った方向に行けるのです。
相談者は、幼い頃に刻まれた母親像を思い出し、
自分の理想とする母親像を選び、
変わっていきました。
4. 悩みの根幹に気づいていく過程
悩みは頭の中で考えているだけでは、
なかなか解決しません。
悩んでいる1点だけをみつめているので
発想がわかないのです。
悩みも明確になっていないので、
悩みの全体像も把握しにくいです。
悩みを言葉にして話すことで、
自分の声を自分の耳で聴きます。
カウンセラーから伝え返しされることで、
もう一度ききます。
2度きくことで、その言葉を味わいます。
そうか、私はこれに悩んでいたんだと。
そして周辺情報についても言葉にすることで
明確になっていきます。
悩みの周りの人たちや環境、過去のこと
などを抽象度を高くしてみていくと
共通点が見えてくるのです。
ここをやっておけばいいのでは?
ここを注意しておけばいいのでは?
そんな共通点をみつけていくのが
カウンセリング。
話していくこと、聴いてもらうことで
わかっていきます。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
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