カウンセラー養成講座の受講生に開催している
月1回のzoomお茶会(質問会)の中で、
このような質問がありました。
「カウンセラーには豊富な人生経験が必要でしょうか?」
1. カウンセラーに必要なもの
カウンセリングが、
悩みを解決するための
アドバイスをする場であれば、
豊富な人生経験は必要かもしれません。
しかし、カウンセリングでは
アドバイスはしません。
カウンセリングは、相談者のお話をきいて、
相談者の世界を一緒に味わうのです。
カウンセラーに必要なのは、
人生経験ではなく共感力。
たとえば
「パートナーに無視されて、毎日憂鬱なのです」
そう言われたら、
たとえカウンセラーが独身だったとしても
想像はできます。
毎日「おはよう」と挨拶しても、
無視されてしまうのです。
このような内容から、どんな気持ちだろうか。
淋しい、どうしたらいいのかわからない。
そんな気持ちなのだろうな。
不安もあるかもしれない。
相談者の感情を想像しながら、
あるいは相談者に教えてもらいながら、
一緒に味わっていきます。
2. 自分が経験したことがない話を聞いた時に、注意すること
カウンセラーが想像したことがない話をきいた時に、
・おそれてしまい心に触れられない
・知らずにガラス細工のように
壊れやすい相談者の心に
踏み込んで傷つけてしまう
このような可能性があります。
私がまだカウンセラーとして
始めたばかりのころに、
このような相談がありました。
「先日、姉が自殺しました。
姉の様子が変だったので、
部屋をたずねてみたら、
血の海の中で姉が倒れていたのです」
この話を聞いた時、私は動揺してしまったのです。
「大変だ。怖い。何を言ったらいいのだろうか」と。
カウンセラーがカウンセリング中に、
自分の感情に支配されてしまったら、
カウンセリングが進みません。
相談者の感情を想像して共感するのが
カウンセラー。
ですが、相談者以上に反応してしまっては、
カウンセリングの邪魔になります。
豊富な人生経験は必要ないけれど、
どのような話をきいても、
動揺しない心は必須です。
どのような話をきいても、反応しすぎずに、
伝え返しをして聞いていくのです。
3. カウンセラーの心が動揺したときに気づくこと
カウンセリングでは、
反応しすぎないようにと思っていても、
動揺することはあります。
たとえば
会社でいじめられている話をきいて、
相談者以上に怒りを感じたり。
家庭でパートナーに
無視されている話をきいて、
相談者以上に淋しさを感じたり。
自分の心がザワザワしたら、
一旦カウンセリングを中断しましょう。
お茶を飲んだり、お手洗いに行ったりして、
心を沈めていきます。
そして、カウンセリングが終わったら、
自分の心に向き合ってください。
いじめられている話をきいて、
なぜ私があんなにいきどおりを
感じたのだろうか・・・。
過去に何かあったのかな。
自分の心に向き合うと、
反応した原因が見えてくることが
あります。
カウンセリングでは、
カウンセラーは、心の鏡のように
相談者の心を映します。
逆に、相談者もカウンセラーの心を
映す鏡なのです。
相談者の話をききながら、
カウンセラー自身も、自分の価値観に
気がついていきます。
カウンセリングは、
カウンセラーにとっても、
セルフカウンセリングになるのです。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
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