カウンセリングで
お話を伺っている時に
「大丈夫」と
声を掛けたくなることがあります。
でも私は、カウンセリングではあえて
「大丈夫」と言わないようにしています。
1.「大丈夫」という言葉に込められた心理とは
カウンセリングで悩みを聞いていると、
とても大変な状況で、
心が悲鳴をあげているのだろうな。
そう想像できて、カウンセラーの心が
揺さぶられることがあります。
そんな時に言いたくなる言葉が
「あなたは大丈夫」など、
なぐさめや励ましの言葉です。
慰めや励ましの言葉を伝えると、
相手は「ありがとうございます」
と言うかもしれません。
その時は励まされた気持ちに
なることでしょう。
でも、その言葉では変われません。
なぜなら、本人が納得していないから。
大丈夫という言葉だけもらっても、
自分自身は大丈夫だと腑に落ちて
いません。
なので、また同じ悩みが出てきます。
悩みを繰り返してしまうのです。
そして、カウンセラーが
「大丈夫」という言葉を発するときは、
相手を励ましているようで、
自分のために言っていることが
多いです。
・大変な内容の相談を
これ以上聞きたくない
・相手の気持ちを想像して、
自分の気持ちが落ち込んでいくのを
止めたい
・過去の自分の記憶と感情を
思い出すのを止めたい
など。
その話題には、何かの感情や価値観が
隠れています。
それは自分の心と
向き合うチャンスです。
カウンセリングが終わってから、
セッションを振り返って、
自分の感情が動いた部分を
メモしてみましょう。
2.カウセリングで目指すものとは
カウンセリングで目指すのは、
自立と自律。
自立とは、他人に頼ることなく、
独り立ちしていること。
自律とは、自分自身で考えて、
自分で律すること。
カウンセラーのアドバイスを
受けて行動するとしたら、
何かあるたびにカウンセラーに
相談することになってしまいます。
そうではなく、自分で心を
コントロールできるようになるために
カウンセリングを提供します。
だから、アドバイスではなく、
質問と傾聴で見守っていくのです。
3.悩むのは本人の選択
悩み続けるのも、
悩むのをやめるのも
実は本人の選択です。
カウンセリングで話していく中で、
悩みのまわりでからみあっていたことが、
一つずつほどけていき、
悩みを選択しているのは
自分なのだと気づいていきます。
それに気がついたら、
悩み続けるのか、
やめるのかの選択ができるのです。
だから、カウンセラーは、
アドバイスしないではなく、
アドバイスできないのです。
大丈夫なのかどうかも
わからないので、
「大丈夫」と言葉をかけることも
できません。
カウンセラーにできるのは、
愛の態度で傾聴し、
見守るだけです。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
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