私は、カウンセラー養成講座の皆さん向けに
お茶会という名の、オンラインの質問会を
行っています。
その中でご質問をいただきました。
「カウンセリング中に相談者から、
自信を持つにはどうしたらいいですか?
と聞かれたのです。
何て答えたらいいのですか?」
1. ついつい「こうやったらいいよ」といいたくなってしまうのですが・・・
特に、自分自身が相談者と同じ悩みを
克服した経験を持っている場合、
ついついアドバイスを
してしまいたくなります。
自信を持つ方法であれば
・過去の成功体験を思いだす
・やりたいことを、
できたことにして予祝する
・小さなことに挑戦してみる
そんな方法を伝えたくなるかも
しれません。
アドバイスをすると、その時は
「参考になります。やってみます」とか
「その方法は知っています」とか
「その方法は試したので別の方法で」
などの答えがかえってきて、
それなりに話ができるとは思います。
でも、アドバイスをしても、
相談者の悩みの解決にはなりません。
顕在的な悩みが、一時的に解決したように
見えても、
また別の時に「自信がない」という思いに
悩まされることでしょう。
2. その悩みを持つ原因を考えてみると
なぜ「自分に自信が持てない」と
思うのでしょうか?
その悩みが作られた根本の原因が、
相談者の今までの経験の中にあります。
でも、相談者には「自信が持てない」という
表層の悩みしか見えず、
その根本原因は忘れています。
自信が持てないという心の奥底には
『重要な存在になってはいけない』という
価値観が眠っている場合が多いです。
・自分に自信がもてない
・劣等感が強い
・人前で緊張する
・失敗を過剰に恐れる
・自分と他人とを比較して、
勝ち負けに異常にこだわる
といった悩みにもつながっていきます。
繰り返す悩みの根本原因は、
幼少期に植え付けられた価値観のことが
多いです。
たとえば
・「まだ子どもなんだから、
そんなことができるはずがない」
といつも親が代わりにやってくれた
・何かができたときだけほめられた
・いつも抑え付けられていて、
決断の機会がなかった
・「お前はダメだ」と言われ続けた
など、自分から率先して
何かをやる機会がないまま
育ってきたということが多いです。
3. カウンセリングの場でアドバイスが危険なわけ
私は、
「カウンセリングの中で、
アドバイスはしないでください」
といつも伝えています。
今回のテーマの「自信が持てない」の場合
カウンセラーが、自信が持てないという感覚が
ないとしたら
「ちょっとチャレンジしてみたら、どうですか?」
と言ってしまうかもしれません。
でも相談者にとっては、
『チャレンジは、死を意味するほどの恐怖』
という場合もあります。
相談者の心の中はわかりません。
そのアドバイスで、心が深く傷つくかも
しれません。
相談者のことは、カウンセラーには
わからない。
だから、アドバイスしないのではなく、
アドバイスできないのです。
カウンセラーにできるのは、
相談者の話を傾聴することだけ。
そしてなぜその悩み、
その価値観が生まれたのかを
一緒に探していきます。
『相談者が自分の心の扉を開いていく』のを
見守るのが、カウンセラーなのです。
本日もお読みいただき
ありがとうございました。
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