カウンセリング養成講座の中で

よく質問されることの一つに

 

「カウンセリングの時に、相談者から

 アドバイスを求められたら
 どうしますか?」

というものがあります。

私は、講座の中で

 

「カウンセラーは相談者のお話を

 傾聴するだけで、アドバイスはしません」

とお伝えしています。

なぜ、アドバイスしないのかというと・・・

 

  1. 傾聴とアドバイスは同時にはできない・・・

 

 

アメリカオハイオ州ケース・ウェスタン・リザーブ大学で

興味深い実験が行われました。

 

45名の健康な学生に
「他者の気持ちを考えさせる問題」

「物理学を要する問題」を提示し、
脳の活動をMRIで解析しました。

 

脳の中には、

・社会的・道徳的・感情的に

 他者とつながるときに使われる

 ネットワーク
・論理的・数学的・科学的思考に

 使われるネットワーク

 

があります。

 

「他者の気持ちを考えさせる問題」を

考えている時は、脳の中の

「論理的・数学的・科学的思考に

 使われるネットワーク」が

遮断されていました。

 

逆に、「物理学を要する問題」を

考えているときは、脳の中の

「社会的・道徳的・感情的に

 他者とつながるときに使われる

 ネットワーク」

が遮断されていたのです。

 

これは、相手に共感しながら、

分析的思考をすることは

難しいことを示しています。


私たちは、「共感」するのか、

「分析」するのかどちらかしか

できないのです。

 

アドバイスしようと考えているときは、

共感ネットワークが遮断されていて、

相談者の話を傾聴できていません。

 

  2. 相談者のことはカウンセラーにはわからないから

 

 

相談者の話を1時間聴いたとしても、

相談者の人生に何があったのかを

知ることはできません。

 

人間関係の悩み、

パートナーシップの悩み、

お金の悩みなど・・・


悩みはいろいろありますが、

何度も同じようなシチュエーションの問題を

繰り返している場合、

その悩みは、根本原因が隠れていることが

多いのです。

 

根本原因は、ジョハリの窓でいえば、

本人も周りもしらない

「未知の窓」の中に埋もれています。


相談者本人でさえわからない

悩みの根本原因を、

カウンセラーが知っているはずがないのです。

 

そして、悩みの根本原因は、

幼少期に作られた価値観であることが多いです。


「カウンセラーという心の鏡」に

相談者の心を映しながら、

相談者とカウンセラーとで、

悩みの根本原因を、

時間をかけてゆっくり探していく。

 

カウンセラーが作る愛のプールで、

相談者に愛を補充しながら、

相談者自身がゆっくりと自分の心に

触れていく。

それを見守るのがカウンセラーです。

 

だから、カウンセラーは

表面的な悩みにアドバイスしないのではなく、

知らないからアドバイスできないといえますね。

 

本日もお読みいただき

ありがとうございました。

 

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