あたしの彼のことを書きたいと思います。
彼は年下で、だけどすごく頼れる人です。
優しくて、大事にしてくれて、あたしをいちばん愛してくれます。

あたしはそんな優しさに、甘えて驕っていたんでしょうね。


風俗勤めを打ち明けたとき、彼は泣き、叫び、暴れました。
ああ、とんでもないことをやらかしてしまった…とその時ようやく気付きました。
あたしの行動がどれだけ彼の優しい気持ちを傷つけたか…
想いを踏み躙ったか…
いまはそれを痛感して、胸が痛いです。
何回もごめんなさいと謝っても足りないんですよね。


許せないし、もう信じられないと言われました。
当然です。ウソをついていたんだから。
だけど、それでもあたしは彼と一緒にいたかった。
情でもなく、人として彼を愛していて、自分が傷つけたものを自分で修復したかったから。
自己満足かもしれない。
けど、それでも…愛してるんです。

どれだけひどい言葉で罵られて、あたしが涙しても、それはあたしへの罰なんです。
彼を責める気なんかありません。
むしろもっとあたしをなじって、責めぬいてほしい。
「お前のせいだ、お前が悪い」と、気の済むまでなじってほしい。
だけど優しい彼は、そこまでしないんです。
ぎゅっと抱きしめて「ごめんな、気付いてやれなくて」って言ってくれます。


違う、違うんだよって言っても彼は譲りません。
彼は自分のことも責めている。
それをあたしに向けてほしい。


そう思うのは間違いなのかな…。
まずはあたしのことから書こうかと思います。

関東地方に住む20代の女です。
彼氏はいます。長い付き合いです。風俗に勤めたことを知った上で一緒にいてくれます。
大好きです。愛してます。



そして何故風俗をやろうと思ったか。
答えは簡単です。
「お金」です。
だけど現実ってのはすごく厳しくて、思った以上に稼げませんでした。
あたしがいた店は割と有名な風俗街にあって、でも街自体が閑散としていました。
不況の影響がいちばん響く業界なんじゃないかなと思います。


デリヘルは大変です。
ヘルスという業種は挿入(以下本番と書きます)は不可能です。
本番は法に触れてしまうので、口や手を使ってお客さんを気持ちよくさせるのです。


裸で、個室で、一対一。


お客さんはやはり本番を要求してきます。
ソープ(本番ができるお店)より割と安いデリヘルで本番ができればお客さん側としたらラッキーでしょう?

その要求をいかにかわして、お客さんが気分を悪くしないように断り、時間内に終えるかがあたしたちデリヘル嬢の仕事です。
やんわり優しく断って、「だよね、ごめんね~」と言ってくれる人もいれば「いくらならいいの?」とか「お店には黙ってればわからないよ」と言う人もいました。
もう何度お客さんの頭をかち割ってやろうかと思ったことか。
それを何度も何度も繰り返して、あたしは病みました。


うつです。


風俗嬢は病んでる人が多いです。
知らない人と、裸で、個室で、本当なら彼氏とするようなことをして、辛くないはずがないんです。
セックスが大好きで風俗嬢になる人なんか、100人のうち1人くらいしかいないはずです。
あとの99人は何かしらの理由があって、風俗嬢になったはず。
だけど仕事でのストレスをうまく消化できなくて、溜めて溜めて…病んでしまう人がほとんどではないかな。
あたしもその一人。
周りには内緒で風俗を始めたから。
いまも薬がないと眠れないし、不安定になります。
これが風俗嬢になった代償かと自分で思っています。



偏見も多くもたれる仕事です。
「いいよね、女は股開けばすぐに稼げて。俺も女なら絶対風俗やるのになぁ」
と、あるお客さんに言われた時にすごく…ムカつきました。


だったらやってみろ!!!!!


と言い掛けて、我慢しました。
そのお客さんとは笑顔でホテル前で別れて、事務所に帰る道で歩きながら泣きました。
だけど、事務所には何事もなかったように「ただいま~!」って帰って、ニコニコしてました。


こんなお客さんはザラだから。
言葉で言われるだけならまだ全然マシです。
力ずくだったり、金に物を言わせるお客さんがいちばん嫌でした。

そんな客はみんな死ねばいい。

なんて思うときもありました。



だったら何故やめなかったのか。
やはり、「お金」です。
もしかしたら、いつか、すごく稼げるんじゃないかと。
結局、そんな日は来ませんでした。
いま、風俗を始めようかと考えている女性。
やめてください。
あなたが辛くなるだけです。
簡単じゃないんです。
中には売れっ子で、月に200万300万、もっともっと稼いでいる人もいるかもしれません。
だけど、簡単にそんな人にはなれません。
それはあたしの努力が足りないからと言うかもしれません。
そうじゃないんです。
風俗は努力だけで何とかなる世界じゃない。
そんなに甘くない。
そんなに簡単じゃない。



少しでも、あたしの気持ちが誰かに届けばと思います…。
また更新します。では。