私は恋をしていた。


こうへいと出会う前の年の夏から同じ会社の年下の同僚に。

何年ぶりかの恋心に戸惑い、秘めた感情がこぼれおちそうだった。

二人で食事に行ったりもしていた。

これまでの恋愛では思いを告げずに後悔してきた…

30歳を超えた今、後悔なんかしたくない。

そう思いながら、タイミングをうかがっていた。


バレンタインにチョコレートを渡した。

他の同僚とは違うもの。

メッセージも添えた。

たわいもないメッセージ。

だけどすごく勇気がいった。

一ヶ月後のホワイトデーに、食事に誘われた。


幸せだった。

たくさん話したし、たくさん笑ったし。

こんなにも笑顔でいられるなんて。

このまま、この関係を壊したくない。

そう思っている自分と、

変わらなきゃ、言わなくちゃ。

と攻めている自分がいた。


会社の同僚だよ。

振られたら、明日からどんな顔していればいいの?

だけど、もう後戻りしたくない。

言わなくちゃ・・・


食事を終えたあと、彼に告白した。

「好きですよ。すごく好きです。」

彼の答はあいまいだった。

「嬉しい、すごくうれしい。ありがとう。」


彼が恋人を作らないのを知っていた。

だけども、彼の恋人になりたかった。

無理だとわかっていた・・・


翌日からの仕事は、平穏だった。

明確な答えをもらえていない分、平然と対応できた。

彼は何度も私を振り返ったけど、

仕事は仕事。

ビジネスモードでいられる自分にあきれた。



そこから3か月。

私はタイムリミットを設けた。

彼が誘ってくれたイベントでデートできなかったら…

もしくは彼がきちんと答えてくれないなら…

この気持ちを終わりにさせよう。



着実に近づいた私のタイムリミット。

またなにもない一人に戻る日々を迎える。

若干の期待と、大半のあきらめ。

私は、私は。



もうすぐタイムリミット。



→登場人物

うみ ~ 32歳 独身 彼氏なし

こうへい ~ 33歳 既婚 子持ち


いつか終わる二人。
忘れたくないから記録していきます。
いずれ笑い話になるように…