自由というのはとても良い響きですが、それを使いこなすにはとても高い能力が必要です。
たとえば考えてみてください。ここに1人の中学生がいるとして、明日からの1年間、すべての自由を与えられたとします。朝は何時まで寝ていてもいいし、学校へ行っても行かなくてもいい。ゲームもTVも漫画もネットも、好きなだけやって構わない。夜は何時まで出歩いていてもいいし、お金も好きなだけ自由に使っていい。そういうすべての自由が与えられたとして、この中学生は1年後にどうなっているでしょうか。多くの賢明なお母さん方は、考えただけでもゾッとすると思います。その子は1年経ったそのあとの人生を、自分の力でちゃんと幸せに生きていけるでしょうか。
自由というのはとても良い響きですが、それを使いこなすにはとても高い能力が必要です。
ですから皆さんが今よりもっと未熟だった幼い頃は、様々な「不自由(ルール)」でおうちの人に守ってもらっていたはずなのです。「学校へは遅刻欠席をせず行きなさい」「ご飯は残さず食べなさい」「人によくしてもらったら『ありがとう』を言いなさい」「食事の後は歯を磨きなさい」「17:00までには家に帰ってきなさい」。他にもいろいろな「不自由(ルール)」が、見えないところにもきっとあったはずです。ただ、これらの「不自由(ルール)」は、皆さんの成長と共にどんどん減っていきます。「もう中学生なんだから」「高校生になったんだから」と、大人に近づくにつれ「不自由(ルール)」は減っていくのです。その時もし「自由」を使いこなす能力が備わっていなければ、大変なことに
もなりかねません。世の中をざっと見回してみると、この自由の海の中で多くの高校生や大学生が、溺れて苦しんでいるようにワタクシには感じられます。それは自由を使いこなす能力がまだ不十分なまま、たくさんの自由を手にしてしまったことが原因なのです。
少し不安にさせてしまいましたが、しかし皆さんにはたくさんのチャンスがあります。今まで皆さんを守ってきた「不自由(ルール)」は、ある日突然ゼロになるような、そんなふうにはきっとなりません。多くの人は、それを段階的に減らしていくでしょう。その時、それまで誰かに与えてもらっていた「不自由(ルール)」を、自分で作っていくように徐々に変えていけば良いのです。大人の世界で本当に能力が高い人というのは、自分で「不自由(ルール)」をとても上手に扱っています。ルールにも成功と失敗を分けるテクニックがありますから、それを磨いて上手に扱えるようにしていけば良いのです。このBlogでも紹介しましょう。
「平日は夕食後すぐ15分以上の勉強をする」
「寝る前には必ず腕立て伏せを10回以上する」
今はこういったものでも構いません。
「自由」の尊さを言う人は世の中にたくさんいますね。確かに、「