税理士法人コケコッコーの現在の所長、ネコミミ氏は、税理士法人コケコッコーの中では、唯一の監査法人出身者です。大学在学中に、公認会計士試験(2次)に合格した才女で、卒業と同時に監査法人に入所し、3次試験もクリアし、公認会計士として、7年間、一貫して、一部上場会社の監査を担当していました。
そんな彼女は、常に、疑問を投げかけていました。
「なぜ私たちは、クライアントから『ありがとう』と言われないの・・・」
彼女が監査法人に入ったのは、1990年代後半でした。それはちょうど、監査法人や公認会計士にとって受難の時代のはじまりでした。エンロン事件が起こり、アメリカにある世界最大級の会計事務所の1つが消滅し、2002年には銀行の監査をめぐって、彼女の所属していた監査法人内で、繰延税金資産を巡る意見の対立が起こりました。
その後もコンプライアンスという言葉がビジネス用語として浸透するとともに、監査の世界でも日に日にその要求は厳しくなっていきます。
では、監査報酬を支払うのは誰でしょうか。それは、監査される企業自身です。企業の経営者や担当者にとっては、監査というのは車検と同じで、できることなら高いお金を払いたくないというのが本心でした。
「ネコミミ、私は、自分の非力さを知ったわ」
「そんな・・・私たちはまだできるわ」
同僚たちは1人、また1人と去っていきました。毎年大量に公認会計士の2次試験に合格した若者たちを採用していきますが、すぐに辞めていきます。ちょうど、中間管理職になっていく30代・40代の神経症や精神病も問題になり、残業時間が一定数を超えると、強制的にカウンセリングを受けなければならなくなったりと、まさに「人材の自転車操業状態」でした。
そして、ある内部告発をきっかけに、大規模な不正会計処理が次々に発覚し、所属していた監査法人が解散することになると、ネコミミ氏はかねてからの疑問を解消できないまま、監査法人を去ることになりました。
その後、ネコミミ氏は大学時代の同級生のいた、ニワトリ会計事務所(現・税理士法人コケコッコー)に入所したのでした。
あれから5年。
誰よりも顧客第一主義を掲げて走ってきたある日、ネコミミ氏は、所長室に呼ばれました。
「ネコミミさん、次期所長になってくれないか」
開口一番、ニワトリ氏はそんなことを言いました。
「・・・私は、この事務所ではまだまだ新参者です。それに、私は、
私の道を行きますが、それでもよろしいのですか」
「誰もが、自分の道しか歩けないものさ。人の道を歩こうなんて思
っても、無理だよ まぁ、これは僕の言葉じゃないけどね」
「わかりました」
「私は、入社年度ではなく、ネコミミさん、あなたの顧客に対する気
持ちが一番大事だと思っている。所長というのは、経験でなるもの
ではない。誰にも負けない想いがない限り、何年経っても決し
てそこには立てないし、誰もついてこないよ」
「・・・」
「君は、君の道を歩きなさい」
それから2年間、副所長として経営に携わった後、2007年4月から、ネコミミ氏が正式に所長となりました。
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【補足】
まず「監査法人がありがとうがない職場」・・・と思うかどうかは人それぞれ、ということをはじめに書かなければなりません。これはあくまでも、ネコミミさんの一個人の見解であり、公認会計士の皆さんの総意ではないということです。
したがって、ネコミミさんの発言に眉をひそめる方もいらっしゃるかと思いますが、そういうことを考える人もいるという程度に、寛容なお気持ちでお読みいただけると幸いです。ここでは、どのようなストレスが彼らにあるのかを、少しでも感じ取っていただけば、今回の目的を果たせるかと思います。
会計進化論。
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