先週は、かなりの日本各地で大雪だった。

ネットでは、サッパリわからないが、読者の方の中には、私のブログを奥深く静寂に降る雪景色を見な

がら読んでいる方もいるかもしれない。

雪は、天から地上に落ちてくるまで音がしない。その間は、長く優しく神秘的だ。

同じ成分でありながら雨は、物理物の重さを感じさせる。その分現実感を伴う。

雪は色も良い。海のように簡単に空の色を真似しないところが美しい。自然界の中で、白という色はオリジナリティがある。

マンションの壁の色がほとんどと言っていいほど、白色をしているのは無難な性格の不動産屋が多いと

いう現実以外に、人間が長く見ていても、最も影響されない色の一つであるからだ。

なのに雪景色は、人の心を揺さぶる。

なぜだ？

人に時間を感じさせるからだろうか・・・・・・雪の中では時はゆっくりと進む。

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今回は、をホワイトビジネスの一つ、スノボーを取り上げよう。もうひとつのホワイトビジネスもあるが（笑）

それはいつか（笑）

冬は寒いくて苦手という人は多いだろう。勢い外に出るのが億劫になる。こたつを背負ってコンビニに行っても良いが、相当な長さの延長コードが必要になる。

私は冬は嫌いじゃない。

冬も見方を変えれば楽しい。寒いから人恋しくなり、寒いのに会いに来てくれれば、心は寒いだけに暖まる。
コートやウールのジャケット、皮のジャンパー・・・いろいろオシャレができるし、鍋やシチュー、コーヒーが
実に美味い。関西では仲間という証からか夏でも鍋らしいが（笑）

でもなんといっても冬が好きな理由はスノボーだ。

残念ながら、今年は体調問題で行けないが・・・逆にだからブログの更新量が増えているのだが（笑）

例年は、時間を見つけては行き、長期に籠（こ）もることもしばしばだった。

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私が大学生の時は、スキーしかなかった。スキーしかなかった時代のスキーヤーは、フィリピンのスカルノ大統領同様、その座を誰かに取って代わられ、転げ落ちる事など夢にも思わない。スキーは永遠にカッコイイウインタースポーツの頂点に君臨し続けるものと思っていた。

ユーミンの「恋人はサンタクロース」を聞きながらスキーツアーを学生で企画し、大量にバスでピスト
ン輸送を続けた結果、儲けた金で車を買った私も、ご多分にもれずの、その一人で、よもやスキーがこ
こまでオヤジのスポーツになるとは思いもしなかった。

ホイチョイプロダクションの大ヒット映画「私をスキーに連れてって」が当時の若者のその確信を更に
強固にしたのは言うまでもない。

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初めて、私がスノーボードをしたのは、全く別のホワイトビジネスを、私が教えたビジネスノウハウを独立

後、こともあろうにその世界で屈指し、大儲けしたのち、向こう側に２年ほど旅行に行っていた創業メンバーの一人とだ。

初めて見たスノーボードは、今の形とは似ても似つかない、名前もスノーサーフィンと言っていた。

諸説あるが、最初にやりだしたのは、もちろんサーファー達で、雪山でもサーフィンをしたいと望んだ結果だった。

ある程度、その形をまともにしたのがスノーボードの老舗ブランド「シムス」の創業者トム・シムスで、スケートボードを改造してスキーボードを作った。

自動車産業を発展させたヘンリー・フォード同様、スノーボードを世間一般に一気にブレイクさせるために、その任にあたった男がいる。

スノーボード業界最大手の「バートン」のジェイク・バートン・カーペンターだ。

一介（いっかい）のシェイクマシーンの営業マンだったレイエイ・クロックが、マクドナルド兄弟のハンバーガー屋、「マクドナルド」を世界最大の外食ビジネスになるダイヤモンドの原石であると思ったのと同じように、ジェイクも、スノーボードの世界に巨大なビジネスの匂いを嗅ぎ取った。

元祖はシムスだが、ジェイクは、世界最初の二つの事をやってのけた。

一つめは、市場がまだ成熟すらしていない、スポーツとして確立もしていない「スノーボード」という真新しい世界に「バートン・スノーボード」社を設立し、当時は玩具用品にすぎないモノの大量生産に踏み切った。
これによってスノーボードは爆発的に普及する。

二つめに、ジェイクは、サーフィンと同じように板の底に「フィン」が付いている為に、従来のスノーサーフィンのボードは３０ｃｍ以上の雪の「深さ」が必要であったモノを、通常のゲレンデで滑れるようにそのフィンを取ってしまった。

当たり前だが、サーフィンにおいてフィンがなければ方向転換はできない。従来の関係者は、その概念・・・・・・常識にとらわれていた。

それ故に・・・それまでのスノーサーフィンは、ゲレンデという最大のウインタースポーツ市場に乗りこめずにいた。
圧雪されたゲレンデでも乗れる。サーフィン。スノーボードの誕生である。

ちなみにスノーボードのコペルニクス的劇的な発想であるボードに脚を固定するという概念は、ＭＯＳＳという会社の、なんと田沼進三という日本人が考え出している。恐れ入る。

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私はスキーから始めている。

スキーからスノボーに転換した最大の原因は、その自由度にあった。スキーは上から下に物理法則のごとく、ゲレンデスキーに限っては、いかに美しく滑り降りるかにその意義を求めていた。

貴族や金持ちのスポーツとして発展の歴史を持つスキーは、その育ちの良さ故、ヒエラルキーが敢然とある。

その、貴族のスポーツに「むやみやたらと危険を冒す」などという好奇心はない。

もちろん例外としてケネディ家のスキー事故のように、命の危険もあるのだが、自身からそれを望むスポーツではない。

スノーボードは、横の概念しかなかったゲレンデから、地面を離れ「高さ」という概念を持ち込んだ。

ジャンプだ。

もちろんスキーにも・・・ジャンプはあるが、ゲレンデには、90Ｍもあるジャンプ台はないし、一般人のたしなむモノ

ではない。スキーのジャンプ台をビジネスとしても、ゴルフの打ちっぱなしのように、広く世間には浸透せず、利

用者はごく少数だ。ラージヒルなど罰ゲーム以外の何物でもない（笑）

今日のモーグルのジャンプは、むしろスノボーの影響を受けている。上村愛子のオリンピックで決めた「コ―ク720」という技は、もともとスノボーの技だ。
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スノーボードの歴史の中で、Jamie Lynn（ジェイミー・リン）という男の滑りは、同世代のPeter Line（ピーター・ライン）、Terje Håkonsen（テリエ・ハーコンセン）と共に重要な意味を持っていると思う。

もともと、カウンターカルチャー的なスポーツ色のあったスノーボードの世界に彼らは、「スタイル」というものを持ち込んだ。

一発のストレートジャンプの中に、大げさに言えば、己の生きざまさえ「映す」。

ジェイミーのツゥーウィーク（技の名）は、世界一カッコよく、美しく、すでに芸術のイキにまで達している。

そのジェイミーの映像と共にスノボービデオの歴史的２作をピックアップした。

Melt Down

続きはコッチ
http://www.youtube.com/watch?v=26TQLvZFwqg&feature=related

ＲＰＭ

続きはコッチ
http://www.youtube.com/watch?v=uDrsSPNd8o8&feature=related

オフスピの音楽と共に時代の匂いがプンプンする。カッコイイ。

ジェイミーに傾倒した私は、当たり前のようにそのシグナチャーモデルのLibTechのモデルを数年履いた。

そのスタイルは、技術的に遥か上に位置する金メダリストのショーン・ホワイトが、つまらぬタイトルホルダーのアスリートに見えてくる。

彼らがいなければ、スノーボードは、カルチャーになっていないし、私の人生も冬に外出することもなかっただろう。
最高のジャンプの一発を決めた時と、バックカウントﾘｰのパウダースノーの滑り心地は、セッ〇スより、時に気持ちいい・・・言葉では言い表せない。
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カウンターカルチャーであるスノーボードは、従来からのゲレンデの先輩であるスキーヤーに畏敬の念など全く持たなかった。

今では考えられないが、あっと言う間に当時のゲレンデは、スノーボード全面禁止を訴えるスキー場が増えることになる。

常連であり、毎年キチンと、そのスキー場の運営費を落としてくれるスキーヤーは、極めて重要な上顧客だ。マナーも良い。

ビジネスは面白い。

スノーボード禁止をうたうスキー場が増えれば、その間隙をぬってスノーボード滑走Ｏｋのゲレンデがでてきた。まだ数は少数。

一気に時代の表舞台に立ったスノーボードＯＫのゲレンデがスキー一筋のゲレンデを嘲（あぜけ）る用にぶっちぎった。

苗場は、早くからスキー客優先。金を落とさないスノーボーダーは、ないがしろにする方針を決定。おかげで近くの苗場浅貝スキー場は、全く反対のスノーボーダーの天国をいち早く取り得れ、その狭さを跳ね除け、爆発的に人気ゲレンデとなる。

時代の匂いをいち早く取り入れたゲレンデは、近隣を完全に抜きんでるスノーボードパークを完備。私も常連だった。

同様に、上越地区で、最も早くスノーボード全面滑走可能を謳った「ファースト石打」は、物凄く小さくどうしょうもないスキー場にも関わらず、大ヒット！とんでもない数のスノーボーダーが押し寄せた。（本音はどうしょうもないから変わるしかなかったのだろう）

しかし、時代は流れる。

ファースト石打スキー場が、私のいつも見ているＭ＆Ａ案件情報の冊子に２億円で売りに出た時は、真剣に買収に名乗り出ようかと考えた。
同じように、スノーボーダーの聖地であった浅貝ゲレンデは、昨シーズンから、「スキー専門」のスキー場になり、スノーボーダー全面禁止にした。

ファースト石打を買収する際に、私の考えた案は、上越地区初の屋内スキー場で、屋根のあるスキー場を構想した。

スキー・スノボーに詳しい人は、すぐにわかるだろうが、スノボーあるいはスキーに行った時に、いつも天気が良いとは限らない。

最悪は雨だ。

そして、春には結構ある。その日が。雨が降ればスキー場は開店休業状態。誰もびしょびしょでスキーをする者はいない。勢いリフト収益は激減となる。

よって、そのゲレンデを買収しようかと思った時、開閉式屋根を持つ世界初のゲレンデはどうだ！と思った。雪は大量に降る。雪を得るには、屋根を開けゲレンデに積もらせ、天気の良い時にはもちろん開閉する。雨の時は閉め、近隣のスキー客を根こそぎいただく。

そんな計画を考えたが、ザウスしかり、上がってきた見積もりは、想像を絶する予算を要した。

で・・・・・・

すんなり諦めた。

今年、浅貝ゲレンデは、スノーボードを見はなし、私の考えた屋根付きのスキー場を作ったそうだ（笑）

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若い時に付き合っていた彼女もスノーボードにハマって（ハマらしたの私だが）、当時乗っていた、とんでもなく車高の低いスポーツカー、ＢＭＷの他に、スノボー用にステップワゴンを購入し、後部を思いっきり改造した。

ほとんど動く簡易宿泊所にしたステップワゴンで、１か月のスノボー三昧の旅に彼女と出かけた。

オーロラツアーと命名したその旅は、なぜオーロラツアーと命名したかは忘れた（笑）・・・確かオーロラを見に行かない？とクレイジーな彼女に対しての誘い文句だったような気がする。オーロラなど見れるわけがない。でも、なんとなく・・・単なるスターツアーズよりいはいいだろ（笑）

長野から新潟・・・群馬、山形までの東北地方・・・日本の北のゲレンデを全て回る計画。

飯は、通りすがりの食堂、風呂は日帰り温泉、Ｈは車の中（笑）

なれると外気の温度で、車のエンジンを切るかどうかが判断できる。マイナス２度を超えたらエンジンを切ったら危ない。マイナス２度より上なら、エンジンを切って後部の布団に二人で繰るまる。

マイナス７度とかで、豪雪の時は、マフラーに雪がつまり、排ガスが逆流するので、屋根のあるところを探すか、マフラーに積雪防止の細工を施す。

途中新潟の有名な水族館のマリンピアや長野の昔世話になったペンション、群馬の絶品のとんかつ屋を回る。

オーロラツアーの途中、上越国際という有名ゲレンデで「THE SLOPE」という大会があった。世界のスノーボーダーが集い、それはそれはみごとな空中殺法を披露する。思いっきり歓喜して楽しんだ翌日。一般にもその、驚異のジャンプ台が公開される。

「やるっきゃないでしょ・・・」

ジャンプ台の遥か上の踏切位置に並ぶ私。

見たこともない高さにそびえたつジャンプ台。踏切位置からは、着地点など全く見えない。どんな常態かは飛んだ後にわかる。

中途半端な飛びだしは最も危険だ。むしろ怖さを押し殺し、時速８０Ｋｍを越える速度でジャンプ台を踏み切ったほうが、ジャンプ台と着地点の間の平地に落下しなくて無事に済む。

私の前の前の奴が、中途半端なスピードでジャンプ台に進入し、悪い姿勢で落ちたのだろう。

「OH・・・OH・・・ＯＨ・・・オウ・オウウ」という言葉が、晴れた冬の澄んだ空気に反復し、近くの山々にこだまし、帰ってきた。

ビビった私は、インディーノーズボーンかツゥーウークで渋く決めるか・・・と繰り出す技を決める。

前の奴が腰を上げ、エッジを外しながら、ちょっと横ズリさせてから滑降に入る。８０ｋｍを越えるスピードでジャンプ台に飛びこみ、なんとバックフリップ（バック宙）を決める。

ジャンプ台を埋め尽くす上越の観客はヤンヤの歓声。ボルテージは最高潮にしやがった！

おいおい・・・お前の次のオレはどうする？

ノーズボーンで渋くまとめる作戦がだいなしじゃないか。

ロデオでいくか・・・ロデオとは、簡単に言えば・・上村愛子が決めた技の反対バージョン。前宙から入るのが上村愛子のしたコーク、バックフリップから入るのがロデオ。この技で昔、私は頭から落下し、支えた左手首を骨折した思い出がある。

前の奴のバックフリップを越えるのはそれしかない。下で彼女も見ている！

と・・・その時、後ろの奴が・・・突然私に話しかけてきて、「バックフリップ決められると次きついっすよね。でも・・・スタイルだったら自分は負けないっすよ！」

何たる・・助け舟！

力の抜けた私は、横滑りから８０ｋｍへ。

正直・・・（笑）ジャンプ台を飛び出した瞬間・・・下の観客が米粒ぐらいに見えた時

心の中で・・・「おかあさん！」と言ってしまった。

ビルの三階以上の高さまで身体は持っていかれる。経験したことのない初速スピードは踏切（オーリー）のタイミングを狂わせる。

私が選んだのは一番得意のバックサイド

スーパースローのサブロク（３６０度）。

背中から80ｋｍで、全く前の見えない体制でジャンプ台に突っ込む。

「死んだるわい！」

生まれてこのかたの最大高さの

思いっきりスローでの一回転。特大のジャンプで、限りなくゆっくり一回転だけ回る。

数十秒が３０分ぐらいに感じた後

着地に成功した私は、心の中でガッツポーズを決めながら、しかし・・・間違っても踏切時に「おかあさん」といったことなど出さずに、、「ＣＯＯＬ」を装い急な斜面を何もなかったかのように滑り下りる。

彼女の「超カッコ良かった！」という言葉に。「死ぬほど怖かった」と返し。

レベルの一つ低い技で・・・バク宙の奴と同じぐらいの歓声をもぎ取ってやった。ざまぁみろ！（笑）

しばらくして

私に助言の言葉をかけた次に飛ぶ、に―ちゃんの番だった。「OH！オウオウオウ・・・・・・おう（着地の失敗の声）」・・・が山々に響くのを耳にした。

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スノボーのジャンプの高さは、命の軽さに比例する。

年齢も所得の多寡もヒエラルキーも減ったくれもない。

数十秒の一発のジャンプの「スタイル」がすべてを決する。

だから、ヒエラルキーの世界にどっぷり浸かった自分を素に戻すには大切なギャンブルだ。

私の会社で幹部になる為には、プロレスゲームで私の使うアイコンの猪木に勝つのと同様、この巨大なジャンプ台にチャレンジを強いられる（笑）

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起業家の人生・・・

ジャンプだろう。

ジャンプ台はでデカイほうがいい（笑）

高く飛ぶだけじゃだめだ。スタイルがなけりゃぁ・・・

おいおい・・・前の奴がバックフリップを決めたぜ。

さぁ・・どうする？

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