いろはの房ちゃん4

房ちゃんはそんな尾西さんに減滅を感じるようになってきた。客が尾西さん一人の時ママが何を思ってか、「尾西さん、今度の日曜日房ちゃんを映画に連れた言ってやって」と言った。そんな経緯から房ちゃんは彼とデートをすることになった。但し、目付け役に先輩の千代さんが同行したいた。千代さんはけっして尾西さんに隙を与えなかった。映画を見終わって店用の衣装を見に行った帰りの地下街の喫茶店「駒」で房ちゃんはきっぱりと言った。

「尾西さん、私たちは住んでいる世界が違うのよ、そこを分かって店に来て頂戴、それから飲み代は付け回ししないことよ」尾西さんは黙って頷くしかなかった。店には色々な客がやってくる—

ある年の季節が秋を迎えようとする頃、アパートの郵便受けに一通の手紙が届いていた。祖母からだった。開封すると「中学の同窓会の案内が来ましたので送ります」と書いた便箋が添えられていた。房ちゃんは久しぶりに帰郷した。