戦後の復興から高度経済成長を経て、政府や大企業は私たちの「生き方の雛形」を作ってくれた。

 

「勉強して」「なるべく良い学校を出て」

 

「なるべく良い会社に入って」

 

「定年まで勤めあげる」

 

大半の人がこんな生き方を軸においてきたのではないだろうか。

 

ところが周知のとおり、こうした終身雇用や年功序列といった日本の慣行は既に崩壊し、

昨年だったか、日本自動車工業会の豊田会長と経団連の中西会長が、

「もう終身雇用は維持できない」といった発言を、

わざわざご丁寧に記者会見の場で行ったことからも察することが出来る。

 

 

政府は働き方改革の取組みの中で、「国民の転職・再就職を支援する」と言ってるし、

経済界の重鎮トップ二人は、「もう正社員制度を維持できない!」と言っているのだ。

 

いままで私たちの生活を守り、生き方の雛形を定義してくれ、

人生においての「為すべきこと」を与えてきてくれた政府と大企業だが、

これから先は、私たちに「為すべきこと」を与えることが出来なくなるという事を意味している。

 

来るべき第四次革命後の世界に向けた布石を打ってきたということなのだろう。

 

人それぞれだろうが、「会社に行く」ということは食べていくために仕方のないことで「苦」と思っている人も多いのではないだろうか。

 

ところが会社というのは、給料をくれること以外にも様々なものを私たちに与えてくれた。

「社会との接点」や「承認欲求を満たす場」であったり、私たちに生き甲斐、やり甲斐を与えてくれてきた。

 

AIロボットが普及し、もし、会社が私たち人間にこういった「場」を提供できなくなった時、私たちは自らの力で、それを探さなければならない。

 

 

「個人の時代」「好きなことをして食ってく時代」「副業・兼業の時代」などと、これからのトレンドを表す言葉が散見されるが、

これらは全て自己責任で自分の人生を切り開いていかなければならないことを意味している。有難かった会社にはもう頼れないかもしれないのだ。

 

 

これを、お先真っ暗と捉えるか、明るい未来が待っているととらえるかは、

 

私たち次第だ。

 

 

今こそ「独立不羈の精神」をもって、

会社に縛られない自由な生き方を模索するチャンスなのではないだろうか。