前編で書かせて頂いた、出来レース的な要素も
監査=つまらない
と言わしめる一大要素である事は議論の余地は無いと
個人的には思ってる。

しかしながら、もう一つ忘れちゃならない要素が有ると
個人的には推察している。

それは、内部統制。

内部統制が適正に構築されて無ければ
とんでもない問題が発生する事は僕は否定しません。

しかしながらこの内部統制って
とんでも無く会社の盲腸でもあるとも思うんですよ。

例えば商社をイメージしてみましょう。

商社の業務って何が有るでしょうか?

言い出したらキリが無いですが
分かり易く3つほどピックアップしてみましょう。

①既存顧客と良好な関係を構築する
②欠員が発生して仕事が回すのが厳しくなってる部署の中途採用による人員補充
③直送取引で架空売上の計上がなされない様に、
仕入先からの請求書と顧客への納品書を突合する

①は大切ですよね?
顧客がお付き合いする商社を変えても、日本が資本主義である限り自由ですよね?
下手に変えたらスキャンダルになり、ダイ○モンド辺りでバッシングされかねない
監査法人とは違いますよね?

②これも大事ですよね?
中途採用担当者が、
「今度は辞めないよな?」
みたいにビクビクしながら面接する訳ですよ。

③直送取引で架空売上の計上がなされない様に、
仕入先からの請求書と顧客への納品書を照合した上で仕訳を切る。

でもでも、
仕入先から請求書が届いた時に仕入計上し
得意先への発送が済んだタイミングで売上計上。

別にこれでも仕事は回るんですよ。
ここがミソなんですよ。

勿論キチンとした一部上場企業なら
内部統制の必要性も理解しているし
それ以前にそもそも仕事だから真面目なA型人間なら欠かさずやる。

でもプライオリティはそれ程高くなく
クライアントサイドでも内向き作業の極致の面が否めないんですよ。

例えば、僕って新卒で4年程証券会社でトレーダーやってたんですが
上司の承認印が必要な書類で上司の判子が必要なので
新卒の時、捺印をお願いに行ったら
その上司がO型で「次からは判子はここに入ってるから
セルフサービスで頼むね」と

そんな承認印を監査法人のスタッフは追いかける。
そんな自社の盲腸を追い掛けるスタッフ。

でもでも目くら判でも照合印が確認出来れば
その証憑は内部統制上適正なんですよ。

こんな感じで、クライアント・監査法人共々
こう言った内向きの作業を続ける事になっちゃった挙句
不備でもあろうものならスタッフがドヤ顔で指摘。

これじゃ、会計士嫌われますよね。

そんな結果、
自分は真面目に仕事してるけど、お客様が喜んでいるところを見たことが無い
と言う監査法人を辞める際の魔法のお言葉を残して監査法人を去って行く。

クライアント企業の存続にとって欠くべからざる内部統制や会計監査
それに潜む企業の盲腸的業務の側面が諸悪の根源では無いのかと。