本日思い付きで始めたチキチキ常連にしたい料理屋さんランキングで
何処を第一弾にしようかと迷ったが、東京浅草の並木藪蕎麦にした。
美味しんぼでも登場する江戸時代から続く老舗の名店だ。

何を隠そうここが大学一年生の頃、僕が初めて東京に来て
最初に昼食を取った店だからだ。

○ここが東京であり、東京という文化圏の中であると言う事が分かる店

僕は、大学1年生で初めて東京にやってきた。
そして、滞在初日の最初の昼食を取った店がこの並木藪蕎麦であった。
何故ここを最初の昼食の場にしたのかは至って単純な理由だ。

先述した美味しんぼで登場していた老舗だったからだ。

良く東京の蕎麦は関西とは違うと言う話は当時から聞いていたが
いざ東京に来てみたのであれば一度味わいたいと言うのが正直な所だった。

当時の第一印象としては、ソバツユが辛いとにかく辛い。
正直これしか分からなかった。

因みに言うと、東京三大カルチャーショックは
怪しげな日本語・深夜アニメ放送枠の多さ
(今でこそ関西でも盛んに放送されている深夜アニメだが、
当時は現在に比べると明らかに少なかった)
この辛いソバツユであった。

東京での暮らしがある程度長くなり
また関東の蕎麦ツユの味も多少は分かる様になったと自負している現在、
敢えてそれを補足するのであれば、このソバツユこそが東京そのものなのであろう。

江戸時代に入り、京都を中心とした関西とは明らかに異なる文化が育まれた
関東の文化そのものなのであろう。

東京を関西の文化圏の延長であると錯覚していた当時の僕に
ここは東京であり、東京と言う関西の文化圏とは異なる文化圏の中であると言う事を
教えた味だった。
そして、その厳然たる事実を正確に把握していなかった当時の僕は
軽く外国に来たようなカルチャーショックを受けたのである。

良く関西の人間は東京の人間からの評判が芳しくないが、
案外こう言った所に原因があるのでは無いだろうか。

だからこそ、関西から来た方にこそ行って欲しい老舗の味なのである。

因みに現在では並木藪蕎麦よりも、ソバツユの辛さを品良く抑えた
池之端藪蕎麦(東京 上野)の方が好みである。
こちらは評定3.4としたい。