フロントがインナーで、リアがローの位置の時、シマノ取り付け説明書によると「チェーンとフロンドディレーラーの距離は0~0.5mmにする」のが一般的なセッティングです。
でも、このセオリー通りのセッティングをすると、
・リアがトップのとき、フロントがアウターからインナーに落とす(そんなシチュエーションは本来ないが)と、写真のように、フロントのアウターギアとインナーギアの間にチェーンが残り、クランクが空転してしまうようなことがあります。
・内側から見るとこんな感じ。
「SUGINO XDクランク」を使用した際に良く起こる現象ですが、「チェーンライン」と「クランクの歯間」が原因だと思われます。
この現象が頻繁に起こるようであれば、インナーギアの歯先の山を削るとチェーンの収まりが良くなるので浮くことは解消されることが多いようです。
このバイクのフロント変速レバーがたまたま「Wレバー」だったので、「チェーンウォチャー」を装着して「イレギュラーな変速調整」を行いました。
・「Wレバー」の左のシフトは「フリクションタイプ」なので位置決め機能がありません。
・チェーン脱落を防止する「チェーンウォッチャー」を使います。
・フロントがインナーで、リアがローの位置の時、チェーンとフロンドディレーラーの距離を最大にする為に、フロントディレーラーが動かなくなるまでストローク調整ボルトを緩めます。3mmぐらい空けれればOKでしょう。
・こうすることで、リアがトップで、フロントがアウターからインナーに落とす際、Wレバーの左シフトを最後まで押し込めば、フロントのアウターギアとインナーギアの間にチェーンが残り、クランクが空転してしまうようなことはなくなります。
・そのままだと、フロントのシフトダウン時にいつもチェーンがインナーギアから内側にチェーンが落ちることになるので、「チェーンウォッチャー」をガイドにして、インナーギアにチェーンを導くのです。
・「チェーンウォッチャー」の先は、フロントがインナー、リアがローの位置の時、チェーンとギリギリ当たらない距離にセットします。高さはチェーンより少し上にします。
これで全てのギアが問題なく使用できるようになりました。