年始の記事に道元の言葉を書きました。
『聞くままに また心なき身にしあれば おのれなりけり 軒の玉水』
この言葉を、書かれているままに理解しようとすれば
このようになります。
「雨の日、軒下におちる雨音を無心で聞いていると、それは、己自身である」
道元とは、仏教の曹洞宗を始めた禅師です。
そして、禅は中国の達磨大師より始まります。
その達磨大師の言葉に『不立文字』(ふりゅうもんじ)があります。
文字を立てない。
それは決して文字を否定するのではなく
「文字にとらわれない」と言う意味です。
禅の教えでは、逆転現象が起きます。
つまり、文字を読んで物事の意味を理解するのでなく
意味を先に理解してから、文字を理解するのです。
そんな思いを持って再び道元の言葉を目にすると
また、違った思いにたそがれます。