彼女がお弁当をもってきた。
今でも覚えている。
ローストトマトとクリームチーズとレタスとスモークサーモンにバルサミコのサンドウィッチ。サイドに柚子胡椒の唐揚げ。
美味しいかった。
ここ何年、レストラン以外で誰かにご飯を作ってもらうことなんてなかった。
妻は料理を一切しない。というよりも家事は一切しない。
俺の朝の日課は、朝起きて子供のお弁当を作りながら朝ごはんを用意して、子供達をおこし、着替えさせ、ご飯を食べさせる。
そして妻が子供を学校に送って行く。
夕方は家に着いたら、夜ご飯を準備して子供にご飯を食べさせ、食器を全て洗い、子供の宿題を手伝い、風呂にいれて寝かしつける。
これが自分の日課だった。
それでも、妻はおれに対して不満ばかりだった。