あとがき
そして
私は次のステージに進んでしまいました
流れついた先は
どんなところか
まだ見えていません
一線を越えるべきだったかどうか
今はわからないけど
越えてしまったことで
それまでの自分を汚してしまったような
そんな気さえします
越える以前の葛藤をぶつけてきた
この場所は大切に守りたい
なので
ここに続きを綴ることなく
このまま置いておきたいと思います
ペタをつけてくださった方
読者になりたいといってくださった方
コンタクトをとらずに申し訳ありません
大切な思い出を
ひとりぼっちで
泣きながら恥じながら
文字という形にして
インターネットという宇宙に撒きたくて
ここに綴っていきたかった
でも一人はやっぱりつらく
支えになったのは
ずっと変わらず訪問してくださった方
あなたがいなければ
書き終えることができませんでした
拙い文章に
お付き合いいただきありがとうございました
心から感謝申し上げます
cobo
with KO
the title role
仕事に行くために
いつものように自転車に乗っていた
水色のジャンパー
髪をうしろにむすんでいる
恋がなくなると
日常は色褪せて見えるのかと思っていた
でもそうではないようだ
それまでとかわらず
町並みは美しい緑に包まれている
雨上がりの水滴はきらめいている
わたしはこの日常の主人公のままだ
普通の生活は
とても尊いものだとわかっているのに
誰かを想い微笑む瞬間がなくなったのは
とてもさびしく
全身が空虚感で包まれている
ただそれだけ
いつかの終わりの日を想像してみる
3日間が終わった
あんなに待ちわびていたのにあっという間に終わった
結局この3日間何もなかった
体調が悪いから?
いや、それだけじゃない
確かになにか彼は考えていた
恋なんかしてる場合じゃないっていっていたね
それは私とのことなんだろうか??
それさえもわからない
ちゃんと聞けばよかった
結局
転職したことも言えず仕舞
飛行機の搭乗時間になったとき
あなたはメールをくれた
「今回会うことは大事にしたかったんだ」
「君が想像してる以上に会えてうれしかったんだよ」
会ったあと
いつもあなたのほうが先にメールをくれる
私は心の整理ができてなくていつも遅れてしまう
お互い葛藤しながら
こうやって会い続けてきた
それは十分よくわかっている
「また必ずあなたに会いにいきます」
そうメールを打った
でも本心かどうか
私にはわからない
もしかしたら私たちは
このままさようならをしたほうがいいのではないか
私のためにも
彼のためにも
そしてもちろん周りの人たちのためにも
私は今とても幸せな気分だ
今の私ならそんな覚悟ができるんじゃないか
日々、ゆらゆら揺れながらも
静かに何事もなかったように
いつか終息の日を迎えられるんじゃないか
最終搭乗のアナウンス
窓の外の飛行機が
かすんでよく見えない
抱きしめる
ライブが終わった
彼はお客さんに挨拶をしている
そして最後に
全部のライブに通っている
一番の彼のファンのところで話をしている
そして彼女は席をたった
わたしに目を遣ることもなく
気のせいか固い表情で
通り過ぎていった
そして彼は私の席に来てこういった
「飲もう!」
驚いた
他の人たちの誘いを断って
ライブ後付き合ってくれた
ファンの人たちには
このあと打ち上げがあるからと説明したという
ごめんね
本当にごめんね
わがままを通した後は
いつも自己嫌悪に陥る
いつものように並んで飲んだ
2日ぶりに笑った
終電の時間が近づいた
それでもやっぱり今日も家に帰るという
彼は駅に
私はホテルに
別れの時間だ
でもそんなに寂しくなかった
心が通じていたからか
彼はまた手を差し出した
「握手しよ」
わたしは昨日は拒否した握手を
今日は笑顔でした
彼はその手を引き寄せ片手で
私を抱きしめた
私は両腕を彼の背中に回した
彼ももうひとつの手を背中に回した
何でこんなに愛おしいんだろう
長い時間無言で抱き合った
耳には街の喧騒だけが響く
離れる瞬間は特に愛おしい
きっと
彼も同じ気持ちに違いない
だから寂しくない
「今度こそ部屋ですごそうな」
彼はささやく
私はうなずく
初めてあなたにハグされた日
あの日
本当に嬉しかった
一瞬で恋をした
それ以上を望むことなく
あなたに身を任せた
そんな私が居たことを思い出した
つまらない
ずっと今日のイベントに行こうかどうか迷っていた
あなたのことがよくわからなくなってしまった
断ち切られたような気がした
彼の心に私がいないなら
会う必要なんてないんじゃない?
でも急に姿を消すなんて
そんなやり方はしたくない
10分ほど遅れて会場についた
もう始まっていたらいいのに
ライブはなぜか開始が遅れていた
イベント会場に私の姿を見つけ
彼は席まで来てくれた
なんて声をかけてきたのか
耳に入らない
「がんばってください」
なんとか言ったものの
笑えない
ライブが始まった
不安なまま見るライブは
本当に苦痛だった
つまらない
つまらない
間の悪いことに
MCが客にダンスを教え始めた
ダンスなんて気分じゃない
もう帰ってしまおうか
ライブの合間に
あなたは他のファンの人たちと
話をしている
わたしは
その次にあなたが来るのを
物欲しそうに待っている
こういうの本当に嫌い
来なければよかった
よくわからない
ステージが終わり
私たちは約束の場所で待ち合わせた
3ヶ月前と同じお店へ行った
彼はコンタクトを外しメガネをかけていた
いつもは雰囲気のいいお店を探してくれるのに
「前とおんなじでいいんじゃない」
なんとなく嫌な予感がした
たくさん話をした
これからわたしたちはどうなるのか
「とにかく今日は帰る
明日もイベントの後
一緒にはいられない
他のファンを裏切りたくない」
「どうして今更そんなこと言うの?」
「家庭を壊してまで続けるつもりはないし」
そのとおり
私もそうだ
あなたは楽しいだけの恋愛
それを望んでたんじゃないの?
だから
だから
私もそうあろうと決めた
あなたを失くすくらいなら
吐きそうなほど苦しい時間を越えて
会いに来たのに
なぜ今あなたが拒否するのかわからない
良い方に考えれば私をために言っている
悪い方に考えれば
もう深くかかわらないでほしい
そう言ってるような気がする
タイミングが合わないね
ずっと私たちはタイミングがあってると思ってたのに
今ズレが生じている
このままずっとタイミングがあわないまま
終わりそうな気がする
そういうとあなたは
それはそれで仕方がないといったね
終わりを望んでいるの?
この先進むことを躊躇しているの?
それとも
煮え切らない私を嫌いになってしまったの?
それなのに
「次はいつ来るの?」
なんて
私の気持ちも知らないで聞くものだから
もう
笑顔も作れない
別れの時間が近づくと
いつもさびしくてさびしくて
わたしは口数が少なくなる
でも今
口数が少ないのは寂しいからじゃない
怒ってるんだ
どんな思いでここまできたのか
わかってくれないあなたに
本当にがっかりしたんだ
もう終わり
だからあなたを見据えて言ったんだ
「今日がターニングポイントだよ」
あなたは怪訝な顔をして
「ターニングポイント?」って聞き返した
「そう
ターニングポイント」
あなたは少し動揺したね
そのとおり
もう会いに来ないってこと
あなたは別れ際
握手をしようって手をさしだした
この間はベッドにおいでって
さしだしてくれたその同じ手で
そんなの
まるで他の子たちと一緒じゃない
私は無言で首を振った
「握手もしないんだ」
あなたは困った顔で私の頭を抱え胸に引き寄せる
もういやだ
握手なんかしていらない
一晩中キスをして抱きしめて欲しかったんだ
あなたがそれを望んでいたと思ってたのに
だからその望みに応えたいと思ってたのに
よくわからない
よくわからないけど
どうやら違ったみたい
確かなこと
朝から彼のステージを見にいった
バックステージから
屈託なくはしゃぐような彼からのメール
「どこに座った?」
「通路側に座ったほうがみつけやすい」
「何色の服を着てる?」
戸惑うほどのは一生懸命さは
深い愛情からくるものなのか
それともそういう仕事だからなのか
でも
もうそんなことはどうでもよく
確かなのは
彼の行動のひとつひとつは
眩しく私の心に染みて
彼への想いで
埋め尽くされているということだ
素直になれない
3ヶ月ぶりにあなたに会いに行く
そう決めたときから
とても穏やかにこの日を待っていた
あなたの演奏を見るために
お店の入り口で案内を待ってると
いつの間にかあなたは後ろにたっていた
「遅刻ですよぉ」
もっと素敵な再会を夢見てたのに
そんな言葉しかでなかった
仕事が終わってから
私たちは会えなかった日々のことを話した
あなたはわたしではなく
あの日
強引にホテルの部屋に行ってしまった
自分を責めていた
物事は想像するより残酷でなく
いつもやさしい方向に結論がある
だから私は
あなたへの想いを深くしてしまう
私は話した
10年来の友人と仲たがいをしたこと
夫に対する罪悪感で
急にくるのをやめたこと
「もう話さなくていいよ」
追い詰められて逃げてきた私の手を
彼は握った
「もういい」
電車で一緒に帰った
手が触れそうになった
瞬間的に手をつなぎたいと思った
でも言い出せなかった
体温を感じるほど近くにいることができる
それがうれしくて
せつなくて
じっと彼を見つめる私に気がつき
彼は何?って聞いた
「ひげがのびてるよ」
そんなこと言いたくなかったのに
刻々と迫る別れの時間に無口になる
明日また会えるんだけど
いつの間に私は思っていることを
いえなくなったんだろう
これからもヨロシク
あなたに出会って
今日で1年がたった
あの日は
たくさんの偶然が重なった
そしてあなたに出会い
恋をした
いろいろあったけど
やっぱりあなたに会いたいのです
そんなメールにあなたは
こう返事をくれた
「これからもヨロシクな」
