前回の続き。
そんなわけで無事水槽のセッティングをして金魚を放流したわけですが、「これで安心」なんてわけはもちろんなく、むしろこれからしばらくが正念場っぽいです。
というのも、魚の飼育に一番重要なのは、何と言っても「お水」です。水は魚にとって空気と同じ。人間だって空気の悪いところにずっといれば体調を崩したり病気になったりもしますから、特に自然界に比べれば圧倒的に狭い水槽の中で暮らす観賞魚にとって、水を綺麗に保つのはちょっと考えれば当たり前。
では、その「水を綺麗に保つ」というのがどういうことなのでしょう。
自分もそうでしたが勘違いしやすいのはそこですね。「綺麗な水」というとどうしても「雑菌などが含まれていない水」をイメージしがちですけど、魚にとっての「綺麗な水」とは、「魚にとって有害な物質がない水」です。同じように見えてちょっと違って、より正確には「菌はいるけど魚にとって有害な物質がない」ということですね。なんかとんちみたいになってきましたが、なんのことはない、つまり「有害な物質を分解してくれる菌がいる」のが魚にとって綺麗な水」であり、イコール「その菌が充分に定着している水槽環境そのもの」である、とのこと。
初耳ですよ。だって、自分も小さい頃(30年以上前ですが)金魚飼ってましたけど、その時に読んだ飼育本(といっても図鑑に載ってたおまけ程度のものでしたが…)にはそんなこと書いてませんでしたもの。まぁ子供向けのものでしたからそんな小難しいことは書かなかったのかも知れませんし、なにぶん昔のことなので記憶も曖昧な部分もあるでしょうけど、少なくとも今回いろいろと調べていくうちに知った「大量の水替えを頻繁に行うのは菌(バクテリア)と金魚へのダメージが大きいのでかえってマイナス」とかも書いてませんでしたし、むしろ水替えはほぼ全取っ替えを推奨してたような。
まぁそれはともかく、この「その菌が充分に定着している水槽環境」ができることを「水槽が立ち上がる」と呼ぶそうです。詳しいメカニズムはほかに詳しく説明しているサイトがありますので省略しますが、えさの食べ残しや金魚自身の排泄物から発生するアンモニアは猛毒であり、初期の金魚の死因はたいていこれなんだとか。で、このアンモニアを分解してくれるというありがたいバクテリアが世の中にはいらっしゃるわけですよ。やったぜカーチャン、明日はホームランだ。
ところが世の中そううまくはいかないもんでして、このバクテリアがアンモニアを分解して作り出すのは亜硝酸塩という物質で、これもまた魚にとって猛毒なんですね。なんだ、だったら全然意味ねぇじゃん、と言うのはまだ早い。今度はこのこの亜硝酸塩を比較的害のない硝酸塩に分解してくれるバクテリアがおわしますのです。
そんなわけで、このアンモニア→亜硝酸塩、亜硝酸塩→硝酸塩とする2種類のバクテリアを増やすのが当面の私の目標。これらのバクテリアはいつの間にやらやってきて、そしてエサとなるアンモニアや亜硝酸塩が増えれば勝手に増えていくそうなのですが、だからといってすぐには増えるわけではないため、水中のアンモニアや亜硝酸塩濃度が高くなると金魚たちが命の危険にさらされてしまいます。バクテリアが定着すると水中のアンモニアや亜硝酸塩が見事に検出されなくなるそうなのですが、それまではだいたい1ヶ月から2ヶ月くらいはかかるらしく、その間は水質には細心の注意を払う必要がある、ということですね。
ちなみに水量が多ければ多いほど有害物質の濃度の上がりにくくなりますから、「大きな水槽が望ましい」のはその辺が理由だそうです。小さい水槽の場合は逆に濃度が高くなる時間が短いので、頻繁な水替えが必要、ということなんですけど、先述したとおり金魚にとっては水質が急激に変わるのもストレスになりやすい(人間と同じでストレスためると病気になりやすい)上に、バクテリアも同じく水質の変化に弱いらしいので、替えればいいってもんでもないのが難しいところなんだそうです。
うちに来た金魚もまだ環境に慣れてないでしょうから、あまり焦って替えてもかえってよくないかもしれないと思い、とりあえず水替えは少なめにして様子を見ていたんですが…。よく見ると「ぺすけ(大きいほう)」が背びれをたたんでいます。背びれもピンと立ってる「ももちゃん」に比べると、動きもあまりよくありません。ネットで調べたら、金魚がヒレをたたむのは体調不良のサインなんだそうで、放っておくといろんな病気になりかねないそう。さらによく見たら透明なフンをぶら下げていました。さらに調べると消化不良らしいのですが、一方で「エラ病」の初期症状ということも考えられるとのこと。
ここまで飼育セット揃えたのだから、いまの金魚が死んでしまったとしても、水槽を遊ばせておくのはもったいないと思うのは人の性。でも、「ああ、金魚死んじゃったね。じゃあ新しいの買ってこよう」なんてふうにはしたくない。子供に「死んじゃったらまた買ってくればいいじゃん」なんて考え方をしてもらっちゃ困る。娘がすくってきた金魚ということもありますけど、この2匹には意地でもすぐ死んでもらうわけにはいかないのです。まぁ、既に1匹☆になっちゃってるんですけど。
幸い、それ以外に(白い斑点が出ているなど)外観の異常はないので、こういう場合は塩水浴が効果的とのことなのですが…。塩水にすると水草が枯れて水が汚れてしまう上、水中のバクテリアも繁殖しにくくなってしまうらしいので、別水槽で行ったほうがいいらしいんですね。とはいえ、今の水槽にもまだ入ったばっかなのにまた別の環境に移してしまうと、金魚のストレスも心配です。
結局、まだ水槽を立ち上げたばかりでバクテリアもそんなにいないだろうし、本来なら金魚を買ってきたらまず一週間ほど塩水で泳がせ、殺菌+体力回復をさせる「トリートメント」を経てから水槽に入れるんだそうですが、うちのはその辺の手順をすっ飛ばしてるので、ももちゃんも含めて塩水浴させようということで、水草だけ退避させて水槽に直接塩をぶち込むことに。標準は濃度0.5%らしいのですが、2匹ともまだ小さいのでとりあえず0.3%で様子見。塩水欲の間はあまり水を替えたくないので、アンモニア試薬と亜硝酸塩試薬を購入し水質にも目を光らせることに。試薬、けっこう高いんですけど、アンモニアも亜硝酸塩も目に見えるものではないですし、素人の経験のなさをお金でカバーって感じですけどね。命はお金で買えませんから。
そんなわけで無事水槽のセッティングをして金魚を放流したわけですが、「これで安心」なんてわけはもちろんなく、むしろこれからしばらくが正念場っぽいです。
というのも、魚の飼育に一番重要なのは、何と言っても「お水」です。水は魚にとって空気と同じ。人間だって空気の悪いところにずっといれば体調を崩したり病気になったりもしますから、特に自然界に比べれば圧倒的に狭い水槽の中で暮らす観賞魚にとって、水を綺麗に保つのはちょっと考えれば当たり前。
では、その「水を綺麗に保つ」というのがどういうことなのでしょう。
自分もそうでしたが勘違いしやすいのはそこですね。「綺麗な水」というとどうしても「雑菌などが含まれていない水」をイメージしがちですけど、魚にとっての「綺麗な水」とは、「魚にとって有害な物質がない水」です。同じように見えてちょっと違って、より正確には「菌はいるけど魚にとって有害な物質がない」ということですね。なんかとんちみたいになってきましたが、なんのことはない、つまり「有害な物質を分解してくれる菌がいる」のが魚にとって綺麗な水」であり、イコール「その菌が充分に定着している水槽環境そのもの」である、とのこと。
初耳ですよ。だって、自分も小さい頃(30年以上前ですが)金魚飼ってましたけど、その時に読んだ飼育本(といっても図鑑に載ってたおまけ程度のものでしたが…)にはそんなこと書いてませんでしたもの。まぁ子供向けのものでしたからそんな小難しいことは書かなかったのかも知れませんし、なにぶん昔のことなので記憶も曖昧な部分もあるでしょうけど、少なくとも今回いろいろと調べていくうちに知った「大量の水替えを頻繁に行うのは菌(バクテリア)と金魚へのダメージが大きいのでかえってマイナス」とかも書いてませんでしたし、むしろ水替えはほぼ全取っ替えを推奨してたような。
まぁそれはともかく、この「その菌が充分に定着している水槽環境」ができることを「水槽が立ち上がる」と呼ぶそうです。詳しいメカニズムはほかに詳しく説明しているサイトがありますので省略しますが、えさの食べ残しや金魚自身の排泄物から発生するアンモニアは猛毒であり、初期の金魚の死因はたいていこれなんだとか。で、このアンモニアを分解してくれるというありがたいバクテリアが世の中にはいらっしゃるわけですよ。やったぜカーチャン、明日はホームランだ。
ところが世の中そううまくはいかないもんでして、このバクテリアがアンモニアを分解して作り出すのは亜硝酸塩という物質で、これもまた魚にとって猛毒なんですね。なんだ、だったら全然意味ねぇじゃん、と言うのはまだ早い。今度はこのこの亜硝酸塩を比較的害のない硝酸塩に分解してくれるバクテリアがおわしますのです。
そんなわけで、このアンモニア→亜硝酸塩、亜硝酸塩→硝酸塩とする2種類のバクテリアを増やすのが当面の私の目標。これらのバクテリアはいつの間にやらやってきて、そしてエサとなるアンモニアや亜硝酸塩が増えれば勝手に増えていくそうなのですが、だからといってすぐには増えるわけではないため、水中のアンモニアや亜硝酸塩濃度が高くなると金魚たちが命の危険にさらされてしまいます。バクテリアが定着すると水中のアンモニアや亜硝酸塩が見事に検出されなくなるそうなのですが、それまではだいたい1ヶ月から2ヶ月くらいはかかるらしく、その間は水質には細心の注意を払う必要がある、ということですね。
ちなみに水量が多ければ多いほど有害物質の濃度の上がりにくくなりますから、「大きな水槽が望ましい」のはその辺が理由だそうです。小さい水槽の場合は逆に濃度が高くなる時間が短いので、頻繁な水替えが必要、ということなんですけど、先述したとおり金魚にとっては水質が急激に変わるのもストレスになりやすい(人間と同じでストレスためると病気になりやすい)上に、バクテリアも同じく水質の変化に弱いらしいので、替えればいいってもんでもないのが難しいところなんだそうです。
うちに来た金魚もまだ環境に慣れてないでしょうから、あまり焦って替えてもかえってよくないかもしれないと思い、とりあえず水替えは少なめにして様子を見ていたんですが…。よく見ると「ぺすけ(大きいほう)」が背びれをたたんでいます。背びれもピンと立ってる「ももちゃん」に比べると、動きもあまりよくありません。ネットで調べたら、金魚がヒレをたたむのは体調不良のサインなんだそうで、放っておくといろんな病気になりかねないそう。さらによく見たら透明なフンをぶら下げていました。さらに調べると消化不良らしいのですが、一方で「エラ病」の初期症状ということも考えられるとのこと。
ここまで飼育セット揃えたのだから、いまの金魚が死んでしまったとしても、水槽を遊ばせておくのはもったいないと思うのは人の性。でも、「ああ、金魚死んじゃったね。じゃあ新しいの買ってこよう」なんてふうにはしたくない。子供に「死んじゃったらまた買ってくればいいじゃん」なんて考え方をしてもらっちゃ困る。娘がすくってきた金魚ということもありますけど、この2匹には意地でもすぐ死んでもらうわけにはいかないのです。まぁ、既に1匹☆になっちゃってるんですけど。
幸い、それ以外に(白い斑点が出ているなど)外観の異常はないので、こういう場合は塩水浴が効果的とのことなのですが…。塩水にすると水草が枯れて水が汚れてしまう上、水中のバクテリアも繁殖しにくくなってしまうらしいので、別水槽で行ったほうがいいらしいんですね。とはいえ、今の水槽にもまだ入ったばっかなのにまた別の環境に移してしまうと、金魚のストレスも心配です。
結局、まだ水槽を立ち上げたばかりでバクテリアもそんなにいないだろうし、本来なら金魚を買ってきたらまず一週間ほど塩水で泳がせ、殺菌+体力回復をさせる「トリートメント」を経てから水槽に入れるんだそうですが、うちのはその辺の手順をすっ飛ばしてるので、ももちゃんも含めて塩水浴させようということで、水草だけ退避させて水槽に直接塩をぶち込むことに。標準は濃度0.5%らしいのですが、2匹ともまだ小さいのでとりあえず0.3%で様子見。塩水欲の間はあまり水を替えたくないので、アンモニア試薬と亜硝酸塩試薬を購入し水質にも目を光らせることに。試薬、けっこう高いんですけど、アンモニアも亜硝酸塩も目に見えるものではないですし、素人の経験のなさをお金でカバーって感じですけどね。命はお金で買えませんから。