というわけで金魚の話。
そもそもの経緯は、9月の最初の土曜日、地元でお祭りがあったことでした。毎年のお祭りでしてそこで金魚すくいをやってるんですが、今年6歳になるうちの娘が「金魚すくいやりたい」と言いまして。年長さんになって、そろそろ生き物を飼うことの楽しさや難しさを憶えてもいいかと思い、軽い気持ちで「じゃあやってみれば? ちゃんとお世話するんだよ」と言って、やりに行ったんです。
自慢じゃないですが自分も子供の頃お祭りで金魚すくいをやっても、ポイでもモナカでもすぐに破いてしまって一匹もまともに取れたことがないので、まだ小学生にもなってない娘が取るのは無理だろうと思ってたんですよ。お祭りといっても商店街主催の阿波踊りでして、金魚すくいもいわゆる夜店ではなく、商店街にある古くからの観賞魚屋さんがやってるもの。そのためか、1回200円という今時だとだいぶ良心的なお値段、そして何よりもポイがやたらと丈夫なんですよ。娘も金魚すくいは初めてで勝手を知ってるはずもないので、水につけたまま金魚追い回したりなど普通だったら絶対に破れるようなやりかたをしてるのに、ちっとも破れない。あまつさえ3匹もとりやがりまして、すくった金魚を持って満足顔の娘。
とはいえ、うちに飼育道具なんてありません。もう夜だったのでポンプなどは明日買いに行こうということでとりあえず金魚鉢とエサだけその場で買いました。家に帰って金魚鉢に移し、3匹に名前をつけさせることに。3匹ともまだ小さい和金なんですが、その中でも一番小さいのは「イチくん」、中くらいのが「ももちゃん」、一番大きいのは「ぺすけ」。
しかし、ここでまず素人は大きな間違いをいくつかやらかしています。
一応「塩素は魚にとってよくない」くらいは知ってましたけど、さっきまで金魚なんて飼う予定ではなかったので当然くみおき水なんて用意していません。カルキ抜きなんかもないので、とりあえずカルキを除去できる浄水器を通した水を使用。それはまぁ悪くはなかったようなんですけど、袋の金魚をそのまま金魚鉢にポチャン。まずこれが最初のミス。金魚に限らず魚は急激な水質・水温の変化には弱いため、本来であれば「水合わせ」と呼ばれるやり方で、水温、水質に徐々に慣れさせるようにしなければいけないのです。
加えて、エサもそこでどばどばと入れてしまいました。これも大きなミス。金魚すくいの金魚は過密状態で追っかけ回されているため、非常にストレスがたまっているので、環境の変化に慣れるまではエサをあまり食べられない状態なんだそうです。食べたとしても消化不良などを引き起こしやすいので、エサやりは通常数日は控えるべきなのです。そして、食べられなかったエサを放っておくとあっと言う間に腐って有害な物質に変わってしまうのです。
そのためでしょう。翌朝には見事に濁ってしまった水の中でイチくんが☆になっていました。生き物飼ってもわずか数日で全滅じゃ命の大切さなんて教えるどころじゃないし、それ以前に金魚がかわいそう。残った2匹はなんとしてもすぐに死なせるわけにはいかないと、ひとまず水を全部取り替えてポンプなどを一通り買いに行くことに。
近くのホームセンターに行くと同じように金魚の飼育道具を買いに来たらしい親子連れがちらほら。おそらく金魚すくいをやってた観賞魚屋も同じような感じでしょう。なるほどこれならポイを丈夫にして積極的に金魚を捕らせたほうが儲かるはずだと思いつつ、水を浄化しつつぶくぶくもできる投げ込み式の濾過フィルターとポンプ、底に敷く石、ドライタイプの水草、水質を安定させるというバクテリア、カルキ抜きなど諸々を購入して帰宅、最低限の準備は整え、ネットで金魚の飼い方を調べ始めました。まさに泥縄といった感じ。全滅しなかったのが奇跡みたいに思えます。
そしていろいろ調べていく段階で、初期の最大の間違い、「そもそも金魚鉢での飼育は無謀」であることを知ります。「金魚はよく水を汚すので、酸欠などの危険性を考えてもできるだけ大きな水槽を用意すべき」だそうで、やはりちゃんとした水槽を買ってくることにしました。本来なら金魚1匹につき10リットルの水があったほうがいいらしいのですが、そうはいっても狭いマンションなものであまり大きな水槽は置くスペースもないですから、15リットルくらいの濾過装置つきの水槽セットにしました。
家に帰って早速セッティング。水槽を水洗いし、同じくよく水洗いした麦飯石を敷き、カルキ抜きをした水を入れて水草と、海の貝殻を入れると石灰が溶け出し水質が安定するとあったので、一昨年グアムで拾ってきた珊瑚と貝殻、あとバクテリアを入れ、濾過装置を稼働させて完成。本当はこの状態のまま金魚を入れずに一週間以上濾過装置を回すのがいいらしいんですけど、そうも言ってられないのでお引っ越しさせました。
とりあえずその日はそれでよかったんですが…。そして、この金魚鉢が後に自分の運命を左右することになります。
続く。
そもそもの経緯は、9月の最初の土曜日、地元でお祭りがあったことでした。毎年のお祭りでしてそこで金魚すくいをやってるんですが、今年6歳になるうちの娘が「金魚すくいやりたい」と言いまして。年長さんになって、そろそろ生き物を飼うことの楽しさや難しさを憶えてもいいかと思い、軽い気持ちで「じゃあやってみれば? ちゃんとお世話するんだよ」と言って、やりに行ったんです。
自慢じゃないですが自分も子供の頃お祭りで金魚すくいをやっても、ポイでもモナカでもすぐに破いてしまって一匹もまともに取れたことがないので、まだ小学生にもなってない娘が取るのは無理だろうと思ってたんですよ。お祭りといっても商店街主催の阿波踊りでして、金魚すくいもいわゆる夜店ではなく、商店街にある古くからの観賞魚屋さんがやってるもの。そのためか、1回200円という今時だとだいぶ良心的なお値段、そして何よりもポイがやたらと丈夫なんですよ。娘も金魚すくいは初めてで勝手を知ってるはずもないので、水につけたまま金魚追い回したりなど普通だったら絶対に破れるようなやりかたをしてるのに、ちっとも破れない。あまつさえ3匹もとりやがりまして、すくった金魚を持って満足顔の娘。
とはいえ、うちに飼育道具なんてありません。もう夜だったのでポンプなどは明日買いに行こうということでとりあえず金魚鉢とエサだけその場で買いました。家に帰って金魚鉢に移し、3匹に名前をつけさせることに。3匹ともまだ小さい和金なんですが、その中でも一番小さいのは「イチくん」、中くらいのが「ももちゃん」、一番大きいのは「ぺすけ」。
しかし、ここでまず素人は大きな間違いをいくつかやらかしています。
一応「塩素は魚にとってよくない」くらいは知ってましたけど、さっきまで金魚なんて飼う予定ではなかったので当然くみおき水なんて用意していません。カルキ抜きなんかもないので、とりあえずカルキを除去できる浄水器を通した水を使用。それはまぁ悪くはなかったようなんですけど、袋の金魚をそのまま金魚鉢にポチャン。まずこれが最初のミス。金魚に限らず魚は急激な水質・水温の変化には弱いため、本来であれば「水合わせ」と呼ばれるやり方で、水温、水質に徐々に慣れさせるようにしなければいけないのです。
加えて、エサもそこでどばどばと入れてしまいました。これも大きなミス。金魚すくいの金魚は過密状態で追っかけ回されているため、非常にストレスがたまっているので、環境の変化に慣れるまではエサをあまり食べられない状態なんだそうです。食べたとしても消化不良などを引き起こしやすいので、エサやりは通常数日は控えるべきなのです。そして、食べられなかったエサを放っておくとあっと言う間に腐って有害な物質に変わってしまうのです。
そのためでしょう。翌朝には見事に濁ってしまった水の中でイチくんが☆になっていました。生き物飼ってもわずか数日で全滅じゃ命の大切さなんて教えるどころじゃないし、それ以前に金魚がかわいそう。残った2匹はなんとしてもすぐに死なせるわけにはいかないと、ひとまず水を全部取り替えてポンプなどを一通り買いに行くことに。
近くのホームセンターに行くと同じように金魚の飼育道具を買いに来たらしい親子連れがちらほら。おそらく金魚すくいをやってた観賞魚屋も同じような感じでしょう。なるほどこれならポイを丈夫にして積極的に金魚を捕らせたほうが儲かるはずだと思いつつ、水を浄化しつつぶくぶくもできる投げ込み式の濾過フィルターとポンプ、底に敷く石、ドライタイプの水草、水質を安定させるというバクテリア、カルキ抜きなど諸々を購入して帰宅、最低限の準備は整え、ネットで金魚の飼い方を調べ始めました。まさに泥縄といった感じ。全滅しなかったのが奇跡みたいに思えます。
そしていろいろ調べていく段階で、初期の最大の間違い、「そもそも金魚鉢での飼育は無謀」であることを知ります。「金魚はよく水を汚すので、酸欠などの危険性を考えてもできるだけ大きな水槽を用意すべき」だそうで、やはりちゃんとした水槽を買ってくることにしました。本来なら金魚1匹につき10リットルの水があったほうがいいらしいのですが、そうはいっても狭いマンションなものであまり大きな水槽は置くスペースもないですから、15リットルくらいの濾過装置つきの水槽セットにしました。
家に帰って早速セッティング。水槽を水洗いし、同じくよく水洗いした麦飯石を敷き、カルキ抜きをした水を入れて水草と、海の貝殻を入れると石灰が溶け出し水質が安定するとあったので、一昨年グアムで拾ってきた珊瑚と貝殻、あとバクテリアを入れ、濾過装置を稼働させて完成。本当はこの状態のまま金魚を入れずに一週間以上濾過装置を回すのがいいらしいんですけど、そうも言ってられないのでお引っ越しさせました。
とりあえずその日はそれでよかったんですが…。そして、この金魚鉢が後に自分の運命を左右することになります。
続く。