なぜ心理カウンセラー燃え尽き症候群が起きる?その原因と対策は?
心理カウンセラーとして活動する中で、避けては通れない課題の一つが「燃え尽き症候群(バーンアウト)」です。
クライアントの心に寄り添う素晴らしい仕事でありながら、なぜ多くのカウンセラーが疲弊してしまうのでしょうか。
本記事では、カウンセラーが燃え尽きる原因とその対策について、環境整備、技術向上、そして指導者の存在という3つの視点から詳しく解説します。
心理カウンセラーが燃え尽き症候群に陥る2つの主な要因
カウンセラーが燃え尽き症候群に陥る背景には、大きく分けて2つの要因があると言われています。
1. クライアントの感情を過度に引き受けてしまうこと
2. 仕事とプライベートの区別がつかなくなってしまうこと
これらが重なると、カウンセラー自身の精神が削られ、回復が追いつかなくなります。
公私混同の状態が続くと、プロとしてのパフォーマンスが低下するだけでなく、自分自身の生活さえも脅かされることになります。
対策1:仕事とプライベートの「境界線」を物理的・心理的に引く
燃え尽きを防ぐために最も重要なのは、仕事と私生活の間に明確な境界線を引くことです。
自宅でのカウンセリングは避ける
働き方の工夫として、カウンセリングルームを自室に構えることは避けるべきです。
自宅というプライベートな空間で仕事をすると、オンとオフの切り替えが難しくなります。
賃貸アパートやマンションを借りる、あるいはレンタルルームを活用するなど、「仕事のためだけの場所」を確保することが、精神的な健康を守る第一歩となります。
(※補足:オンラインカウンセリングの場合は、仕事部屋と生活スペースを分ける、あるいは儀式的な行動でスイッチを切り替える工夫が求められます。)
セッションが終わったら「パッ」と忘れる
心理的な境界線の引き方として、「セッションが終わったら、クライアントの問題について考え込まない」という姿勢が大切です。
「クライアントのために、終わった後もずっと考えてあげたい」と思うかもしれませんが、実は延々と悩み続けても良いアイデアが出ることは稀です。
良いアイデアというものは、意外にもリラックスして忘れている時や、次のセッション中にふと浮かんでくるものです。
セッションが終わったら一度パッと忘れ、自分のプライベートを大切にしましょう。
記憶から消し去るわけではなく、次回のセッション時には自然と思い出せるものなので、「あえて忘れる」という訓練をすることが自分を守ることにつながります。
対策2:技術不足と知識不足を解消する
「クライアントの感情を引き受けすぎてしまう」という悩みは、実はカウンセラーとしてのトレーニング不足や技術不足に起因することが多いのが現実です。
具体的には、以下の3つの要素が不足していると、クライアントの感情に巻き込まれやすくなります。
• 確かな「聴く技術」⇒クライアントの話を正確に聞ける傾聴スキル
• 的確な「共感の技術」⇒クライアントの伝えたいことを分かち合う共感的理解のスキル
• 的確な「応答の技術」⇒クライアントの言ったことを言葉で確認するスキル
これらの技術をしっかりと習得していれば、クライアントの感情に圧倒されることなく、プロとして適切な距離感を保ちながら支援を行うことができます。
また、精神医学などの基礎知識を持っておくことも不可欠です。
対象とする症状や状態によって、対処法や気をつけるべき点は異なります。
知識があれば、間違った対応をして問題をこじらせるリスクを減らし、結果として自分自身の消耗も抑えることができるのです。
対策3:独学を捨て、優れた指導者から学ぶ
燃え尽き症候群は、「何かが過剰であるか、何かが不足している」というバランスの崩れから起こるサインです。
このバランスを自分一人で整えるのは非常に困難です。
カウンセラーという仕事は、決して独学で完結できるものではありません。
経験と指導力のあるメンターや指導者に付き、継続的に学ぶこと、そして自分のカウンセリングに対してフィードバックをもらうことが極めて重要です。
適切な指導を受けることで、
• 自分の癖や至らない点に気づける
• 技術的なレベルアップが図れる
• 困難なケースに直面した時の支えになる
といったメリットが得られ、結果として燃え尽きを防ぐどころか、より確かで質の高いカウンセリングを提供できるようになります。
まとめ:燃え尽きは「予防できる」問題である
カウンセラーの燃え尽き症候群は、決して「避けられない職業病」ではありません。
1. 仕事とプライベートを物理的に分ける環境を作る
2. セッション後にパッと切り替える習慣を持つ
3. 基礎知識とカウンセリング技術を徹底的に磨く
4. 信頼できる指導者からフィードバックを受ける
これらのステップを確実に踏むことで、バーンアウトは十分に予防可能です。
自分自身の心身を健やかに保つことこそが、クライアントに対して提供できる最大の誠実さであると言えるでしょう。
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