立ち込める金木犀の香りに吐き気がする、

団地の金木犀の木に大きく舌打ちが出る。

季節外れの暑さで網戸にし眠るが香る匂いと、別室の親父の鼾で悪夢までみる始末。

ベッドに半裸で起き上がり汗ばむ前髪を後ろにかき上げる。

ため息と舌打ちが順に出て静かな夜に響いた。



俺の隣を一瞥するが、太陽と冬の香りを纏うお前が居ない。もぅ随分といないが、こうしてみるのはもう癖というやつだ。



なぁ、どうかこのアレル原な香りを消し去ってはくれないか?

聞きなれた歌で、眠りに落としてはくれないか?


あぁ、この腕におまえがいない。

あぁ、この不快な香りがイラつかせる。


髪をかきあげたその手で口を覆う。

お前の名前を呼びそうになったから。


りゅう、そのなまえを







タイトル、色んな意味でくせえ笑